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Another2 全てが平等な"ゲーム"で決まる世界 10

 目を開けたら、真っ平らな世界。あぁ、またここか。俺は処刑(じゃん剣で首はね)され、また『area』に戻ってきてしまった。


例によって例の如く女神登場。


「おかえりなさーい! てか、早くないですか!? 3日くらいしか滞在してないじゃないですか!」


「俺だって死にたくて死んだわけじゃないし」


「そんなに私に会いたかったんですか?」


「んなわけ」


「にしても、ズルして処刑って! ぷぷっ」


「おい、人の死を笑うな」


「お似合いでしたよ?」


「あん?やんのか?」


「じゃんけんですかー? 受けて立つ!」


「違ぇよ」


 今はじゃんけんする気分じゃない。


「そういや、特典はあの世界限定だったのか?」


「はい〜、チートですからね」


「一生分の運を使い果たした気がするよ」


「もう死んでますけどね!」


 何回やるんだよこのネタ。


「さて、じゃんけんの世界はいかがでしたか? 」


「んー、年上もアリかなって思ったよ」


「それが感想ですか!? それとも遠回しにめがみんを口説きにかかってます?」


「それだけはない」


 めがみんの場合は、年上という範疇に収まらない。


「なあ、あの後アリアさんはどうなったんだ?」


「な……! 私というものがありながら他の女の話ですか!」


「めんどくさいぞ」


「しゅん。もういいもん、教えてあげないもん」


「ごめん、悪かったよ、めがみん」


「というか、私にもわかりません」


「なんだよ、神のみぞ知る、か?」


「そーなりますね。わたしの仕事はあくまでも、転生者の監視ですから」


「じゃあ田中さんは? 田中さんも転生者なんだろ?」


「田中? んー、たぶん管轄外ですね。別の女神が担当してるかと」


「めがみん以外にも女神がいるのか?」


「もちろん。自由の女神、勝利の女神、じゃんけんの女神もいますよー。」


 じゃんけんの神って実在したのか。女神だったけど。なんかいろいろすいませんでした。


「じゃあ今回海川さんが研究された成果は、ストライクゾーンが広がったことだけだと」


「器が大きくなったと言ってもらいたいね」


「そのうち超年下とかに手を出さないでくださいよ?」


「俺にそっちの趣味はない」


 今後広がる可能性は十分にあるが。



「んで、次はどんな世界に行きたいですか?」


「言っても希望は通らないんだろ?」


「まあ、いいじゃないですか。話のネタになりますし〜」


「そうだなー、2連続チートは疲れるし。次はひっそりと、しっとりと暮らしたいね。あと幸運はもういらねー」


「運はウンザリ、ですか」


「上手くねーよ」


ここで、「うん」と返すのが100点解答だったが、寒いからやめた。



「あ、そうだ。これやるよ」


 なんとなく、思い出したように、俺はポケットに入っていたゴールドストラップ一式を女神に渡した。もう、これは必要ない。


「おぉ! 可愛いですね!  大事にします!」


 それ可愛い、のか? アリアさんも付けていたし、乙女心はよくわからない。


「ていうか、海川さんのとペアルックじゃないですかー! 着実にめがみん好感度上がってますよ!」


「上げてるつもりないんだけどな……」


「無自覚系主人公ってやつですかー。これはそのうちモテるかもですねー」


「え、なんか言ったか?」


「なんかわざとやってません?」


 少しこういう時の返しのセリフの練習した時期が僕にもありました。


 会話が途切れたので、前に聞こうと思っていたことを聞いてみた。


「そういえば、俺ってやっぱり老化するのか?」


「ふっ、ズバリ! 年を経ることはあっても、老化はしません!」


「まじか!」


「ただし、異世界にいるうちは歳をとり、体が衰えていきます。元の世界にいた時と同じです。」


「死んだらどうなる?」


「元どおりになります。海川さんの場合、今の体格、健康状態に戻ります」



 なるほど、これで俺は文字通り本物の永遠を手にしたってわけか。安っぽい告白に出てくる永久でも、何度も歌詞に出てくる永遠でもない。一生、これも違う。終わりが見えないのだ。俺の研究が終わるのは神様が俺に飽きた頃だろう。


「素敵なシステムだな」


「ほら、こういうのなんていうんでしたっけ? あの日曜の夕方にやってたアニメと一緒ですよ!」


「あぁ、サザエさん方式ってやつか?」


「そうです! それです!」


 ちょっと違うような気もするけど大元は同じだ。俺は年を経ることはあっても、歳はとらない。



「おや、そろそろ時間のようですね」


周りが白い光が覆い始めた。


「なあ、やっぱり行き先は教えてくれないのか?」


「もちろんです! それは……」


「神のみぞ知る、か」


「私のセリフとらないでくださいよー!」


「お前に神のご加護があらんことを」


「それも私のセリフー! 」



目の前が真っ白になった。













というわけで、


さーて、次回の『異世研』は〜?


海川です。

もうすぐ七夕ですね。一年に一度しか会えない織姫と彦星。ロマンチックですよね。個人的には織姫と彦星にはスマホを持たせて、毎日LINEさせてあげたいです。そのうちビデオ通話とか開始しちゃったりして。めんどくさくなって未読無視する彦星の様子が目に浮かびます。爆ぜろリア充!


さて、次回は『星の降る世界』の1本です〜!




次回もまた見てくださいねー!








じゃん、けん……










チョキ!






ウフフフフフ!








Another2 全てが平等な"ゲーム"で決まる世界 完


これがやりたかっただけです。すいません。

これにてじゃんけんの世界 完です。


さらりと作中に使いましたがこの作品の略称が

『異世研』に決まりました。Twitterでご意見くださった方ありがとうございます。


次回は七夕特別編です。




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