第48話
12月のエピソード開始。
アルテミシア王国、中央教会、裏庭
その場の木々が生い茂ってる部分に、ラフィニアは佇んでいた。
「はい、今回の分の情報よろしくね」
と、ラフィニアの近くに座っていた黒猫は、首輪に筒を付けた状態でその場を去った。
「はぁ…。外も大分冷えて来たわね。もう12月だから当然か…。…って事は、何処もクリスマスの話で盛り上がる時期か。子供達がプレゼントを待ち望んだり、恋人同士が甘い夜を過ごす事を考えたり…。フフフ、私の方でも、誰か素敵な人と甘いひと時を過ごしたくなっちゃう…!」
その時、ラフィニアが顔を赤くしたと思ったら、彼女の胸に熱がこもり始め、それに気づいたラフィニアも胸を揉み始める。
「あら、いけない。つい興奮しちゃった。ちゃんと出さないと」
と、ラフィニアが快感に満ちた途端、彼女の顔が高揚し、びちゃびちゃと音を立てながら、彼女の足元に白い体液が溢れ出る。
「男女どっちの性欲にも反応して、どっちも作る事の出来るおっぱいも困りものねぇ。まぁ、そのお陰で下半身もスッキリしてるし、性的興奮も傍からバレなくなったけど。…今思えば、スバルも本当に欲情を誘う身体付きに成長してたわね。あの時、あんな事が無ければ、あの身体を私の下に置けていたのに…!」
こんな感じでラフィニアは5回程自分の足元に白い体液を出してから教会の中に戻っていった。
しばらくラフィニアの立っていた場所から異臭が漂う事になった。
12月上旬、アルテミシア学園
期末試験を終えた生徒達は、今年のクリスマスの過ごし方について語り合っていた。
そして生徒会室でも、クリスマス関連の話題が上がっていた。
「今年も終業式前にクリスマスパーティーが行われる訳ですが、会食会場で発生する学内の美男美女達の争奪戦や、校内カップル達の告白スポットでの渋滞等、男女間の関係によるトラブルが多発発生してしまうのも事実です。ですので、生徒会の方でも、そこら辺の注意喚起を促さなければなりません。皆さんの方でも、当日には細心の注意を払っておいて下さい」
「アイラ会長達、随分と冷静にしてますよね。浮ついた様子もありませんね」
「私とトールは基本、学生の本分優先ですので、そう言った話に現を抜かす事はありません」
「私はその話に自信無くて、鍛冶の方が性に合ってるだよ~」
「私は王女としての仕事を優先するから、あんまり興味ないのよ」
「まぁ確かに、俺もそんな相手いないから、分からなくもないか。しっかし、エミリア様も星空の勇者にべったりかと思ってたけど、そうでもないみたいだし」
「ウェイン、貴方私の事そんな風に思ってたの?」
「冗談ですよ。そんなに睨まないで下さいよ~。星空の勇者と陽光の姫君がカップルってのは割と有名な話ですし」
「コホン。…では、クリスマスパーティーの際は、よろしくお願いします」
そう言って、今回の会議は終わり、生徒会も解散の流れとなった。
そんな中、ウェインが自分の教室とは違う方向へ歩いているのに気づいたエミリアは声を掛ける。
「ウェイン、何処行くの?貴方の教室、そっちじゃないわよ?」
「ただの見回りですよ。直ぐに教室に戻るので、安心して下さい」
「はぁ…?まぁ、いいけど」
そんなウェインを見送ったエミリアも自分の教室に戻っていった。
昼休み、食堂
当然、此処でもクリスマスパーティーに関する話題で盛り上がっていた。
「やっぱり皆、パーティーの事、結構楽しみにしてるみたいだね」
「皆もワイワイ騒げる機会が欲しいって事かな?」
「いや、期待してるのは、さっきエミリアが生徒会で言ってた話の方だろ。学内の有名人や人気者とお近づきになれる機会なんて滅多に無いし」
「皆それ程までにいい人達とお近づきになりたいのかしら?」
「何言ってんだ?お前らだって他人事じゃねぇんだぞ?」
「え?どういう事?」
「自覚してなかったのか、お前ら!?よく考えてみろ!お前ら、揃いも揃って顔も身体も性格も良い方なんだぞ!エミリアは王女であると同時に、可愛くて胸がデカくてスタイルも良い、顔も身体も極上な仕上がりで、周りに分け隔てなく接する上に、料理上手で家庭的!男なら絶対に嫁にしたい女のトップクラスな上に、玉の輿を狙える、男の理想を詰め込んだ様な美少女だ!カイトだって、学校だろうと何処だろうと息をする様に人助けしまくってる好青年だから女性人気もある!ハルトマリーもスバルも本来、相当レベルの高い美少女としても扱われている!どう考えても1番狙われやすいタイプなんだぞ!そこら辺自覚持て!」
「レオニーさんだって、女の子達からの人気を得ていますよ」
「ちょっと待て、アリア。それ、どういう意味だよ?」
「レオニーさん、体育会系で身体能力を活かして女の子や小動物を助けて回ってる上に、イケメンのやる様な仕草や目配せだってやってるから、一部の女の子達から王子様系女子、おっぱいの付いたイケメンとして女性人気も勝ち取ってるんですよ」
「…マジか?」
「はい、マジです」
「アタシもか~!最近じゃあ、サイバーズの連中だって目立って来てるのに~!」
「あぁ、そう言えばあの4人も校内で話題に上がってた様な…」
「そこまで言われるなら、こっちも気を付けておこうかな」
「姉さんに至っては、アラタさんがいるから大丈夫だとは思うけど、あの人基本仕事でいない事が多いし、そこに目を付けられる事も無くはないかな」
「失礼ね。私だって、ちゃんと相手を選ぶわよ」
「まぁ兎に角、パーティーでの誘いの声には気を付けておく事だな」
夜、街道、路地裏
そこに人がいたであろう痕跡だけが残っている、スラムの一部であるその場所にラフィニアが立っていた。
「今回の実験材料の仕送りも完了。聖女の立場も何かと都合がいいわね。こうして優しい笑みを浮かべて近づくだけでどんな人間もすぐ信用して近寄ってくるんだから。お陰で実験材料を狩り放題で誰にも怪しまれずに済むし、隠蔽だって容易い。折角こんな場所にいるんだし、此処で出しておきましょう。色々興奮したせいでおっぱいの中も溜まってるし」
と、ラフィニアは胸を揉んで快感の声を出しながら、その足元に白い体液を大量に噴射して出す。
「はぁ~、スッキリした。お陰で頭も冴えてきたわ」
「ラフィニアさん、貴方も人目が無いと直ぐ構わずそう言う事しますよね」
と、彼女の背後にウェインがやって来た。
「あら、ウェイン君、久しぶりね。どう、そっちの調子は?」
「ボチボチですよ。こちらも学園での潜入捜査、順調にやってます。そう言うラフィニアさんは?」
「私も順調よ。お陰で組織の仕事も滞りなく進められてるし」
「それは良かった。誰も貴方の本性、色んな意味で気づいて無くて何よりだ」
「それはお互い様でしょう?所で、貴方は何で此処に?」
「散歩の途中で貴方を見かけたので挨拶に来た次第ですよ。ほら、今クリスマスシーズンでしょ?それでこの街もどうなってるのかなって」
「あぁ、確かにそうねぇ。教会の方も聖夜に向けて色々準備しているし、私もこの国に滞在するついでに、此処の教会の仕事を手伝ってるし」
「まぁそれでも、上も俺達にこれと言った指示を出してない以上、俺達もただ自分達のノルマをこなしながら、一般の中に溶け込んで生活するだけですよ。それじゃあ、俺もそろそろこの辺で」
「えぇ、またねウェイン君」
そう言ってウェインはその場を去っていく。
「さて、此処も冷えて来た上に、私も自分の仕事に戻りましょうか。街中のカップルや一家団欒をおかずにして夜を過ごすのもありね。あらやだ、またおっぱいの中溜まって来ちゃった。出さないと」
そしてまた、足元に白い体液を出したラフィニアも路地裏を去っていった。
人々が希望を胸に過ごす聖夜、その裏で蠢く悪の陰謀。
皆の希望を守れるかどうかは、エミリアの陣営の者達の働きに掛かっているのだった。
聖夜に潜む闇。




