東京魔術特区の意味3
「タイミングがいいのか悪いのか...」ぼくはそんな言葉を吐いていた。
「あの魔法対策課の雫さんがいるから大丈夫だ」や「若き天才がいるんだ。大丈夫、そうなんだろう」と自分をなだめるように言葉を紡ぐ人たちがいる。雫はその言葉を聞いて震えていた。東風が雫をなだめているが、雫の震えは止まっていなかった。
まずは『障壁電術』これをどうにかしないといけない。
この魔術のせいで彼女は魔法、魔術が放てない。その言葉を考えると同時に
『菫ョ豁」』といつものように魔術を使ったが、「...」(何かがおかしい)そう違和感を探していると「神楽雫をよこせ」目の前の男がそう言い放った。その言葉に対して雫は酷く震えていた。
「なんできみたちに彼女を渡さないといけないのかな?」と東風が返していた。「東風疾風...お前の得意な魔術はしってるぞ。風の魔法術、そして魔銃を使った戦術が得意とな。」その言葉に対して「うん」とにこにこしながら東風は言葉を返す。「ただの障壁電術だけだと思ったか?ここには障壁電術の対風魔法...言わば」
ぼくはその言葉に被るように小さく「『菫ョ豁」』」と言った。
『障壁風術』が張ってある!!!お前らみたいな魔法術師には」その言葉を遮るように風の音が耳朶を打つ。
その光景を見て雫と目の前の男は驚いていた。
「は?」目の前の男の頬は僅かになにかが掠れた跡があった。「なんで、なんでなんでなんで。お前は魔法術、いや風の魔法術が使えている。お前用にしっかり魔法術を調整していると言っていた。なのになんで」その言葉に対してぼくは「ごちゃごちゃとうるさいなー、なんでもいいだろそんなの」と言い放った。
「おまえか、おまえかおまえかぁぁああー。何をしたおまえぇぇえええ」東風は一直線にぼくに向かってくる男に対して、魔銃を顕現したと同時に銃弾を放ち、男を無力化した。「これはきみのお陰かな?」と東風がぼくにそう言うが「なんのことだ?」ととぼけておいた。
...
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ぼくたちはこの事件を一旦『魔法対策課』に任せた。
そうしてこの事件は一旦幕を下ろした。
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ぼくたちは一旦魔法術対策課に戻ることにした。雫は自分家に帰ることにしてもらった。
「なんでお前ら雫を守らなかった」そんな大きな声が魔法術対策課の部屋に響いた。「いや、悪い。お前らのせいじゃないよな...」とすぐに声をだしていた。
「でも」と剣さんから声が漏れていた「お前なら救えたんじゃないのか...」ぼくはその言葉に対して何も思うことができなかった。
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ぼくたち3人は一週間の間、公欠として学校側から休むことを命じられた。
「臨魔研究会による襲撃再び?新たに現れた最強!」という記事がでていた。内容は見るまでもない...
「神楽雫って何かしてた?w」
「いや、それで言えば隣の男も何もしてなかったよね~w」
「そもそも、『神楽雫』って誰?w」
ぼくたちの任務は一時中止となっている。理由は簡単だ。それどころじゃなくなっているから。剣さんは雫の容態と今回の責任問題に追われている。東風に関しても、魔法対策課に目を付けられて何かと忙しいらしい。
雫に関しては多分大丈夫だろう。本人にも実力があるし、そこまで心が弱いわけでもない。(少しの休養は必要だしな)そう考えていた。ぼくがやることは(まずあの障壁電術をどうにかしないといけないよな...)あれさえなければ雫は自信を取り戻すことができるはずだ。
「でも...」と言葉を吐き「──が作用しなかったんだよな...」そう、障壁電術に概念系が通じなかった。しかし障壁風術には問題なく作用できていた。「対雫用として調整した上であの強度か...」そんなことを考えていると「ピーンポーン」と家のインターホンが鳴った。「誰だ?」と考えながらテレビドアホンを覗き込んだ。
「なんでお前がいるんだよ」そう言いながらもエントランスの鍵を開け、部屋に招き入れる。「んで、なんでお前がいるんだ。東風」と質問をする。「今、雫さんのところに行っても逆効果でしょ?それよりも聞きたいことがあるんだ。」思っている解答とは違う答えがでてきたがぼくは「聞きたいこと?」と聞き返した。「なんであのとき『障壁風術』じゃなくて『障壁電術』を解除しなかったんだい?」
ぼくはその言葉に「だから俺がやったわけじゃ」と答えを返すが
「きみの概念系が何かわかったわけじゃない、でもぼくの風の魔法術を封じていたあれを解除できた。ぼくの予想は違うったりするのかな?」その言葉に
「違うな、」そう返していた。「ぼく自身あの場で何もできなかった」別に嘘ではない。ぼくはあの場で、雫に対してなにもすることができなかった。(本当にあの魔術を解除することが『できなかった』ただその事実だけが残ってるんだよ)と心のなかで呟いていると東風はいきなりその言葉をぼくに投げ掛けてきた。「ぼくと一緒に鍛練する気はないかい?」と東風は予想にもしてなかったことを言ってきた。「今のきみでは弱すぎる。いや一般の高校生と比べると上澄みではある。けどぼくたちは魔法術対策課だ。それできみは鍛練する気はあるかい?」と言われた。「どうせ強制するんだろう?いいよ」と返した。(俺が否定できないように誘導してきたか...)と心のなかで考える。
(正直、この賭けはぼくにとってリスキーなんだけどな)と思うが、でもだからと言ってやらない理由がなかった。「それでいつから始めるんだ?」そんな言葉を吐いていた。「そこら辺においては雫ちゃんの容態を見ながらだね...後は剣さんに許可をもらえるか」と呟いた。「許可?」とめんどくさそうに言葉を零す。その言葉に「知ってた?ぼくたちは、魔法術対策課に入った時点で学生じゃなく、組織としてある程度の責任が伴うんだよ?」と煽り気味に言う。その東風の言葉に「正義の組織はめんどくさいな」と言う言葉を漏らすのだった。
雫の日記
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「なんで私が責められてるの...」そんな自問自答がずっと続いていた。だけどそれに答えがあるわけがない。なぜなら今回の件、雫に非がないからだ。じゃあどうすれば良かったのか...それを彼女は知らない。強いて言うならその心が弱かった。
「うわぁぁぁああん」と部屋に少女の泣き声が響く。だけどその泣き声に誰かが反応するわけもなく、ただ暗闇に吸い込まれるだけだった。




