表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
The Tír na nÓg 〜ティル・ナ・ノーグ〜  作者: 佐藤つかさ
第二章 承
66/222

6-14

「……あんた、あたしの何を知ってるわけ?」

 

 リリーシャは殺意を帯びた視線で隣の少年をにらみつける。その眼光だけで人を殺してしまえそうだった。

 だけどその熱を一手に受け止めているアクチェの態度は、実に涼しいものだった。

 

君の・・体は・・半分人間・・・・じゃあない・・・・・。知っているかい? 異なる人種同士から生まれた子供はとても知能が優れているケースが多いんだ。研究で証明されている」

 

「すごい。忘れないようにノートに書いておかなくちゃ」

 

「だけど君の魂は人間に近い。俯瞰ではなく、隣人として人を見ることができる。だからこそ、アイリス・リベルテを守ってほしいんだ」

 

 アクチェの突然の言葉に、リリーシャは毒気を抜かれてしまう。

 そして視線を移す。リリーシャの前を歩いている少女の姿。必死に人を守ろうとする騎士の背中を。 

 

「……あんた、あのバービー人形にどうしてそんな入れ込んでんの?」

 

「彼女の両親は、生き物が最後に流れ着く渦に飲まれて消えた。彼女は世界にたった独りで取り残され、魂をか細い添え木で支えているが……。……いつか、いともたやすく折れる日が来るだろう。僕が救いたいのはアンドリューじゃあない。――彼女だ」

 

「そこまでする理由は?」

 純粋な疑問を持って、リリーシャは問う。

 アクチェは眉をゆがめて、そして言った。

 

「彼女、出世のために頑張ってるらしいけど本当だと思うかい?」

 答える気はナシかとリリーシャはため息をついた。

 目の前の胡散臭いヒツジ頭をにらみつけて、リリーシャは答えた。

 

「絶対にウソか……あるいは自分で真実に気づいていないかのどちらかだと思う」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ