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その日の午後、期待した気持ちを隠しながらもお茶会の用意を終えて待っていたルチアの前に現れたのは、明るい藍の髪を揺らす青年だった。
中でも彼の黄の瞳は印象的であり、六芒星の形にも見える特殊な虹彩が揺れていた。
「いらっしゃい」
恋人じゃなかったなんて落胆する気持ちを隠すようにして、笑顔で彼を迎え入れるルチア。しかし、顔を合わせた途端に、彼はデリックを連れてどこかへと去ってしまう。
「お前っ、こんなにもそっくりな姉がいるなら何で今まで紹介しなかったんだよ!お前が女だったらって永遠に言いまくっていただろうが!」
そうしてそれは、どこからか聞こえてきた声だった。
風の方向のせいか、小声で話しているはずの彼の声がルチアの耳に届いてしまう。聞こえないふりをしていようと感じながら、ルチアは紅茶に口を付けた。
「そんなの、姉さんにお前みたいな男は相応しくないからに決まってる」
「はぁ?なんだよ、その理由!俺が何度、好みすぎるお前の顔に見惚れたと思ってんだよ!」
「俺が本当に男なのか確かめようとしたりな」
「っ…!それは、お前があまりに美人だから!」
あまりにも可愛らしいやり取りに、笑い声が漏れそうになって咳払いで誤魔化すルチア。ただ、これ以上の盗み聞きは本当に失礼になるかもしれないと、彼らに声をかけるためにも席を立つことにした。
「まぁ、いい。俺は本気であの人を落とすならな!」
そうしてそれは、あまりにもタイミング悪く聞いてしまった言葉だった。
ルチアは自分の顔が一気に赤くなってしまっただろうことに気づく。ただ、それと同時に話し終えた様子の彼がこちらを向いてしまい、ルチアはしばらく彼と見つめ合ってしまった。




