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その後、治療を終えてディーナが3人の元へと戻った頃には、何人かのシスターたちが慌てた様子でこの場へと集まっていた。
赤子を可愛がる者から、ラジェイア公爵の傷に驚いて急いで治療道具を持って集まる者まで。トラヴィスは知り合いがいるのか楽しく会話している様子もあった。
「ディーナっ!」
そんな中、いち早くディーナの姿に気付いたジュールが駆け寄ってくる。
シスターたちの視線の中には、離れていくジュールを見て名残惜しそうにしている者がいることも分かって、ディーナは久しぶりに味わう感覚のように思えた。
「貴方が女性に囲まれているのを見るのも久々ね」
そうどこか嫌味のような言葉が出てしまったのを感じながらも、ディーナは治療してくれる神父のいる別室までジュールと共に移動する。本当ならばラジェイア公爵も連れてくるべきだろうが、あれだけのシスターに囲まれているのだから、誰かが治療してくれるだろう。
「ディーナ、今回のこと…本当に心配した」
そんな中、突如としてジュールが足を止めるとそう告げてきた。
「…。私は扉の外で待ってるわね」
しかし、彼の言葉に返答しないまま、治療してくれる神父へと促すディーナ。そんなディーナにジュールは何か言いたげな視線を向けてくるものの、1つ溜息を吐いた後に部屋へと入っていく。
「…どうしてこんなにあの人が怖いのかしら…」
彼が去っていた後の廊下で1人、ディーナは体の震えを止めるようにして自分の体を抱く。
ベルと共に居た時の彼は、ベルの魅了によって操られていただけだと理解できる。…ただ、どうしても忘れられないあの頃の記憶が、何度も何度もディーナを不安にさせていた。
ディーナは中で聞こえるジュールの声を聞きながら、静かに廊下で時間を過ごすのだった。




