↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
今更、愛を誓うのですか?  作者: 黒塔
最終章 対等な関係になるには
PR
65/131

-3




「ディーナ!」



船から降りてすぐ、ディーナの元へ焦った様子のジュールが駆け寄ってきた。しかし、ディーナは近寄る彼を手で止め、まずは傷口の確認をする。



(首元に刃物の傷…でも良かった、深いものじゃないわ)



ジュールがなにかを言いたげにしていたものの、ディーナは「また後で」と声を掛けた後に、そのまま早足で船員たちの間で必死に頭を下げているラジェイア公爵の元へと向かうことにした。



ディーナの胸元の赤子は、今もまだか弱く泣き声を上げている。


それはまるで…幼い彼が必死に何かを伝えたそうにする泣き声だった。







ディーナが騒ぎの方向へと足を進めても、ラジェイア公爵のはまだこちらに気付いていなかった。大勢の船乗りたちに責めよられ、体を傷付けられる中でも必死に船を止めてほしいとお願いするラジェイア公爵。


そんな姿に、ディーナは彼がどれほど姉を守りたいと考えているのか理解できる。



(この赤子の存在はきっと、彼女の姉を酷く傷つけるものになるのだろう。自分はそれを利用してラジェイア公爵と対等な位置で交渉しようとしていたけれど…私にはそこまで冷酷になれない)



だからこそ、こうして船を降りてしまったのだ。



父にはきっと甘いと言われるだろう。いつだって父が満足いくだけの仕事ができない自分だが…今はどうしても、ラジェイア公爵を傷付けることはできなかった。


なにより、胸元で泣いているこの子自身がラジェイア公爵の元へ戻りたいかのように泣き出したのだ。




(もう一度、きちんと話し合いましょう)



そう自分の中で意気込んだディーナは、騒ぎの中心へとまた一歩足を進めるのだった。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。