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教会を離れる馬車の中で、先に口を開いたのはハワードの方だった。
「すみません。奥様を尋ねて教会に向かったら、神父に素性を怪しまれてしまい…なんでも、私のことを貴方を連れ戻そうとする旦那様のように勘違いしているようで、誤解を解くためにも一部事情を話してしまいました」
「いいのよ。貴方の選択は正しいと思うし、こちらこそ、いつも迷惑を掛けてしまっているようでごめんなさいね」
ディーナもハワードもお互い御者の耳があるために口にはしないものの、ついさっきの神父の行動には好意を超えた何かがあることに気付いていた。彼は清く優しくて…本当に素敵な人である。
しかし、その好意に応えることが出来ないと分かっているからこそ、ディーナもあの場ではっきりと彼に線引きをするしかなかった。
(…もしかしたら、もう以前のように仲良く話をすることはできなくなるかもしれないわね)
子供たちがトラヴィスのことを気に入っていたこともあり、少しだけディーナにとっては気がかりに思えてしまうのだった。




