成敗!
《リュカ目線》
あぁ、一体ライラは何処にいるのだ!?
まだ約束の時間から30分ほどしか経っていない。ライラは同年代の女性の平均よりも身長が低い。街中で魔法を使うことは好ましくないことだ。彼女のように周りに気を配りすぎるくらいの性格ならば、身体強化を使い走ることはないだろう。いくらライラでも、天災級の時空魔法である転移魔法は使えないであろう。よって、私の魔法で探索できる半径10kmより外側にある確率はほぼ0と言っていい。また、馬車もそうだ。時速12km以上は通常の馬車は出しては行けない。誘拐の線も薄いだろう。
考えられるのは、ライラが1時間以上前に学園を出た、もしくは……魔力反応がなくなる。つまり……いや。そんはずはない。どちらともあり得ない。絶対にあってはならない。そんなこと、私のライラに……。
もう、考えるのはやめた。私の魔力なんて、もう尽きる寸前なのだ。今頭を使ったところで、考えはまとまらないだろう。……それならどうするか。そう、動けばいいのた。よし、まずは王城に行こう。ギリギリ10kmの範囲外な上に、何らかの理由でライラが何処かに行っていたとしたら帰って来る場所は王城だろう。取り敢えず、王族特権で馬車を飛ばすとしよう。
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『じゃあ、ハル、呼びかけて。』
「はい。かしこまりました。……リュカ第一王子様!ライラ様は只今帰還されました!御身には傷一つ御座いません!外で待っていた事でお風邪を召されても御座いません!御安心を!」
あ、気づいたみたいね。………ん?なんだか、光源からしてあり得ないところに影がさしてるのだけど、どういうことかしら?………えっ!?きっ消えた!?何処に………ひぃわぁっっ!!
「ら、ライラぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーっっぅぅぁあーーーー!!!無事だったのだな!はぁ、よかった。ダメな私を許してくれ!!直ぐに君の元へ迎えなかった私を!!これからは、ライラ以外の有象無象など処分して、君の元へ一直線に向かうことを誓おう!!あぁ、ライラ!不甲斐ない私を許してくれなどとは言わない!どうか……どうか、私を、そう!罵ってくれ!殴ってもいい!さぁ!さぁ!」
い、いやぁわぁぁぁっぁぁぁぁぁ!!!なに!?コレは本当にリュカ様なの!?なんか…………すっごい気持ち悪い!!爬虫類!?爬虫類なの!?いくら、私のことを心配してくれてたからと言って、気持ち悪さが限界突破だよ!?許容範囲外だよ!?てか、もう、自分がなに言ってんのかわからん!!………ひぃっ!近寄ってきた!
………ひ、火の精霊よ!火の精霊たちよ!私に力を貸して!!渦巻き、捻れ、捩れ、全てをまきこ……
辺りに、ドンッッという破裂音のような音が聞こえた。音が響いた。……リュカ様の真後ろから。
そして、リュカ様は急に空を飛び、私とハルの真横を通り過ぎて、空中できりもみしながら、一直線に庭園の中心にある池に飛び込んだ。
「リュカ様?…………これは、私にとっても許容範囲外ですね?ライラ様のお手を煩わすなんて、死刑で確定ですね?……あ、ライラ様。もう、気持ちの悪い爬虫類は水の中に沈んだので、その、えげつない魔法を仕舞って頂いてもよろしいでしょうか?」
『え、えぇ。そうね。つい、気持ち悪くて……。』
「えぇ。とても分かります。あんな不甲斐ない男、道端に捨ててはいかがでしょうか?」
『そ、それはやりすぎなような気が……やっぱり、しないわ。やってしまおうかしら。』
「えぇ。ウェルカムです!やってしまいましょう!……ちなみに、先程どのような魔法をお使いになられたのですか?」
『あぁ、火と風と光の最上級複合魔法の、『火龍』よ。私のオリジナルなの。 』
「ひっ……。そ、それは、ちょっと、反射的に発動するには余りにも……。」
『あっ!そ、そう!冗談よ!うん。ファイアーボールよ!』
あっ、そ、そうですか。みたいな顔しないでよ!
確かに嘘だけど!嘘なんだけどーーーーー!!




