表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
55/84

10話 人類侵略する生活


 イベっちがサクサクと指示を出してくれた。


 まず一番なんとかしなきゃいけないのは武装した兵士たちなので、鳥人間部隊が空を飛んで街中に点在する兵の詰め所に向かって彼らを最優先で拘束する。


 二番目に厄介なのは、力がありそうな成人男性。

 コボルトさん部隊が片っ端から民家を当たって見つけ次第、拘束。


 女子供、あとモヤシ男子やお年寄りはその人たちだけで抵抗してこないだろうし、抵抗したとしても弱そうだし、ほうっておこうという事になった。

 

 一応、拘束の仕方を確認しておこうという事で、とりあえず関所付近で眠りこけている兵士さんに実験台となって縛られてもらおうね。



「俺たちの訓練の成果、他の連中に見せつけてやるッスよ」



 オーク部隊の隊長であり、私の腹心のライ君がみんなの前に出て兵士を縛りあげる。

 さぞや真面目に練習したのだろう。

 鮮やかな手つきで兵士を亀の甲羅みたいに素早く縛り上げた。


 ん? あの縛り方は……。


 その特殊で複雑な縛り方に周囲のコボルト兵や鳥人間兵から「おぉ~っ」と感嘆の声が上がる。


「おい泉。お前、自分とこのブタどもに、あの、き、亀甲縛りを仕込んでるのか?」


 イベっちはひいてた。


「ライ君、その縛り方は……」


「うす。エッチの(あね)さんに教えてもらったッス」


「どうですか、ヒナ様! あれぞ魔界の伝説、地獄亀縛り! ただ拘束するだけでは飽きたらず、同時に恥辱をあた……」


 私は久しぶりにエッチさんの頭に生えてる羽根をグイッと左右に引っ張った。


「ひぎィっ」


 羽根を掴んだまま、上上下下左右左右、とレバー操作するとエッチさんはぐるんっと白目を剥いて膝から崩れ墜ちる。


「ライ君、その縛り方は時間がかかるから普通に縛ってね。あと長時間縛ったままになるだろうから血が止まらない程度のユルさにしてあげてね」


「うす。正直、あの縛り方を街中の人間全部にやってらんないッスから助かったッス」


 こうして、ホント意味のなかった縛り方講座はすぐに終了してコボルト部隊、鳥人間部隊はワンワン! クエクエッ! とあちこちに散っていった。



「お姉さん。男だけ縛るのはいいけれど、女の人が起きたら縄をほどいてしまわない?」


 暗殺少女が素朴な疑問を口にする。


「大丈夫だよ。これ、魔法のロープだから一度縛れば、ちょっとやそっとじゃほどけないんだって。なんだったら試してみたら?」


 彼女はコクリとうなづくとライ君が縛った兵士の縄をほどこうとする。

 しかし、どうやっても縄の結び目が緩まない。


 なるほど、普通ではないと悟ると今度はいつのまにかナイフを握っていた。

 一瞬、私はギョッとしたが彼女はナイフで縄を斬ろうと試みるご様子。

 兵士を刺すんじゃないかと少し驚いちゃったよ。


 刃を兵士の体と縄の間に滑り込ませてキコキコするがまったく斬れる様子はない。


「ふーん、分かった。納得」


 暗殺少女は見えない速さでナイフをどこかにしまった。


「このロープ、すごい。組織でもこんな便利なの見た事なかった」


「そうなんだ」


 マリアが「ジャンジャン使っちゃってくださーい」ってどっかから持ってきて気前よく配ったけど、結構いいモノなのかな。


「しかもかなりのレアものなのに、それで街中の人間を縛れるだけ用意するってハンパじゃない。まじぱねぇ」


「そうそう、そうなんです! 分かってくれます?」


 突然、耳元で嬉しそうな声がした。

 いつのまにか私の真後ろにマリアがいる!


 内心ビクッとしたが、どうもこの手のサプライズ登場で毎回、私が驚いてるせいで調子こいてる気がするので無視してやった。



「ねぇねぇ、イベっち。イベっちって元の世界に彼氏とかいるの?」


「あ、あぁん!? ハァん!? 彼氏ぃ!? いきなりなんだよ!!」


 イベっちが顔を真っ赤にして焦りだした。

 え、このコ何歳だっけ?

 生活するためにネトゲやめたって言ってたし18歳以上ではあるハズだけど、反応がウブ過ぎるだろ。


「いや、イベっち、性格はアレだけど顔は超かわいいし、どうなのかなってふと思って」


「なになになんの話ですか? ガールズトーク、私も混ざりたいです!」


 マリアが私とイベっちの間に割って入ってくるがここで泉ヒナ選手、華麗にスルーしたー!



「そ、そういう泉はどうなんだよ。まさか彼氏とかいるのか?」


 イベっちが反撃とばかりに尋ねてくる。

 どうせいないと思ってるんでしょ?

 

 そのフザけた幻想をブチ殺す!


「……彼氏はいないけど、バツイチで子供が一人いるんだ、実は」


「「「ハァあああああああああ!?」バ、バババツイチ!?」ヒ、ヒナ様にこども!?」


 イベっちとマリアと倒れていたエッチさんが絶叫した。


「あ、ごめん。勘違いだった。全部私の妄想だった」


「妄想かよ!?」


 イベっちはこんなしょーもないボケにも(いかづち)のように鋭くシャシャッとツッコんでくれたが一方、マリアは呼吸困難に陥り、まともに喋れない……!

 ちなみにエッチさんは失神していた。


「ハァハァ……!」


「大丈夫?」


「わ、私にこれだけの精神的ダメージを与えた人間はヒナさんが初めてですよ……」


 マリアは苦しそうに胸を押さえた。


「ごめんごめん」


「お前ゼッタイに反省してないだろ」


 イベっちには一瞬で見抜かれたようだ。


「あの、お姉さん。お楽しみのところ悪いけど、このキレイで凄そうなお姉さんは誰?」


 暗殺少女がマリアを見つめる。

 その底知れぬ魔力を感じとったのか、心なしか身構えて警戒している。


「私の上司のマリ……」


「はじめまして! ヒナさんの彼女のマリアでーす!」


「か、かのじょ!? お前らデキてたのか!?」


 今度はイベっちが騒ぎだしたので私はしばらくの間、眼を閉じてジッと黙り、みんなが静かになるのを待った。



「で、そんな事よりマリアは今までどこに行ってたの?」


「こいつ、自分から恋バナふったクセに全部スルーして話を進めやがった」


 イベっちが納得いかない顔をしたが私的にはマリアに一泡吹かせられたので満足です。



ようやくpv10000越えました!

いつも読んでくださってる方、ありがとうございます。

でもなんかロボット?が見てる回数もカウントされてるとかなんとか。

よく分からないけど怖いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ