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ハンナと先生 草原の国へ行く  作者: マツノポンティ さくら


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第1話 プロローグ

真っ暗な海を真っ黒なウマが泳いでいたら何が見えるでしょう?

多分何も見えないでしょうね。


ハルは自分とその周囲の海面がパッと照らされたように感じました。

サーチライトが捉(とら)えたのは、まさに海を泳いで渡ろうとしているウマでした。

どうして分かったのでしょうか? 灯台の光が反射したのかもしれません。そして、注意深い船員が念のためサーチライトを当てたのでしょう。

その船員は何と思ったでしょう? 多分ギョッとしたと思います。だってウマが海を泳いでいるなんて思いませんから。化け物か何かがいるように感じたかもしれません。だから、自分が見たものが化け物でないことを確かめるために、再び海面をサーチライトで照らし始めました。


「やれやれ」

とハルは思いました。

「別に悪いことをしているわけではないんだけどな……。けどこんなところで見つかって色々訊かれるのはごめんだ」

ハルは思い切って、海の中にザブンと潜(もぐ)り込みました。


サーチライトは二度とハルの姿を捕らえることはありませんでした。彼女は泳ぎがとても上手いのです。

ハルは海の中で少しだけ進行方向を変え、息の続く限りそのまま進みました。そして、サーチライトが照らしていた辺りから遥かに離れたところで浮かび上がりました。

「大丈夫そうだね」

ハルはそのまま、街の光を目指して泳ぎ続けました。

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