表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪魔オヤジのムソウ  作者: 祇神 安紀
王都
77/609

弁当

ご覧頂きありがとうございます。

本日投稿分の1話目になります。

ケイの寝床にはソファーベッドみたいなものを用意していたが

夜になっていざ横になろうとした時

俺のベッドで寝てもらおうと思いケイに勧めた。

ベッドはアイラがここで寝ると言い出した時のため

かなり大きい目ベッドにし、色々ベッドでヤル事もあるかもと

クッション性にも気を使いフカフカにしてある。

ケイにはそのベッドで寝てもらい俺はソファーで横になった。

翌朝ケイは早く起き出し、早々と俺の朝食の準備に取りかかった。


昨夜は街で弁当の様な物を買ったので問題はなかったのだが

本当にケイは料理が出来るか不安だった。

今朝その心配は払拭され少しホッとした。

普通にうまいじゃんか・・・

この様な体で一生懸命作ってくれたのかと思うと

可哀そうな事をさせてしまったと思った。

俺が作った方が良いのではないかとさえ思ってしまうが

俺は料理が出来ないし家事ができるケイを雇った意味が無くなる。

やはりケイに任せよう、その方が無難だ。


「美味しかったよ、ありがとう。」


ケイに礼を述べると、ケイは何だか嬉しそうにしているように見えた。

ただ、寝間着での料理は止めて欲しいと思うが

自分一人で着替えるのも一苦労だろうから言えない。

寝間着から普段着というか部屋着?に着替えるのを手伝った後

(手伝うのは結構大変だ)

俺はケイを一人残し騎士団の訓練の様子を見に行った。



アイラは今まで以上に厳しく訓練を行っているが

みんなもそれに応えようと必死で頑張っている。

もともと魔族の集団だ。

初めて出会った時は元の世界の女性を然程(さほど)変わらない身体能力だと

思っていたが(きた)えたら全く違った、凄い身体能力だ。

走るにしても瞬間移動ほどの速さで駆け抜けるし、

その辺の石なら軽く素手で割れる者も出てきる。

まあ、魔物を狩るのは女性の仕事って言う世界だから

それくらいのことが出来て当たり前かもしれない。

恐らく、この中学生か高校生に見える彼女たちは

王国第4軍の5000くらいなら相手の練度によって

違いがあるかもしれないが20人くらいで撃破できそうな気さえする。


『マスター、アイラ嬢の様子が微妙なのにお気付きですか?』


・・え?

『また、決死の覚悟をしているように見えます。

 マスターが彼女に対し身命を賭す覚悟を求めないのであるならば

 一度会話を行い、マスターの心情を伝えるべきではないかと。』


確かに以前に増して気が充実している様には感じていたが・・

「アイラ、少し話をしたいのだが・・」


ハチの言った通りアイラは決死の覚悟をしていた。

別に自刃しようという訳ではない。

何を勘違いしたのか分からないが俺に何かあった場合

俺の盾となり死のうとディアナと誓いあったらしい。

何故にディアナとは思ったがここでは言わない。

俺の妃ならばいつ何時(なんどき)も俺の盾となり

命を落とす覚悟をもたないといけない・・それって逆でしょ!


『マスター、この世界の女性は物として扱われるのが一般的です。

 その様な決断に至るのは不思議ではありません。』


いやいや、ダメでしょそれ!

アイラは俺にもしもの事があれば自分は生きていけないと

涙ながらに訴えてきたが、そうではない。

俺不死身なんですけど・・とは言えない。

俺が妻を守る、だから妻は生まれてくるであろう子を守れ。

その為に自身の命を守れ、それが妻としての役目だ。

一緒に子を守り育てよう、と言って聞かせたら


「分かりました、産まれてくる子供の為・・・

 でも、長子でなくとも一緒に育てて宜しいのですか?」


この世界では通常長子を儲けた後、妻が身ごもったら離縁する男性が多く

母親が一人で子を育てることが一般的で

両親揃(そろ)って生まれてきた子供を育てることは珍しい。

高位貴族なら両親揃(そろ)って育てるらしいが、その高位貴族でさえ子を身籠(みごも)ったら

離縁されることもあるらしい。

稀に平民でも両親揃って子育てを行うこともあるが

それは一夫一妻の家庭のだけらしい。

これは男性が育てるのが面倒という訳ではなく

多妻制の弊害(へいがい)でもあるようだ。

妻が身籠る、他の妻が嫉妬する、摩擦が起きる、家庭大変・・崩壊

なるほど・・

妊娠する確率が異常に低いことも関係しているのかもしれない。

しかしこの話を聞きくと、この世界は元の世界と違うと実感してしまう。

まあ多妻制であることも違和感はある。


なんとかアイラを説得?し妻としての役割を説いた。

と言っても俺の理想を述べただけだが。

果たして子が授かるかどうかは神のみぞ知る・・悪魔の神っているの?


「では、子が授かるまでは私がノーヴ様の盾となり 

 お守り致します。」

・・・・違うって!

「お前は俺の大切な家族だ。

 家族を守るのは俺の役目だ。

 お前を守るのは俺だからお前はいざと言う時、俺の後ろに控えろ。」


説得するのがこんなにも困難であるとは思わなかった。

やはり倫理観が異なる世界だと改めて思った。


アイラがディアナの所へ急いで行くと言い残しこの場を去ったら

今度は入れ替わりにケイがやって来た。

痛々しいまでに足を引き()り、一生懸命に歩いて来る。

その姿を見た団員たちの中には涙ぐむ者さえいる。

慌ててケイの所に駆け寄ると

俺のお昼のお弁当を運んできたと言わんばかりに、俺に弁当を差し出した。

ケイに伝えてなかった俺のミスだが、お昼は騎士団宿舎で取るつもりだった。

ケイにお礼を述べ、折角なのでケイのお弁当は頂くが

明日からはお昼は用意しなくても良いと言えば、激しく首を横に振る。

明日も弁当を作るのかと尋ねれば、今度は縦に首を振った。

作ってくれるのは嬉しいのだがここまで運ばせるのは駄目だと思い

明日からのお昼は、俺がケイの所まで食べに帰ることにした。


「へぇ~、その子があんたの従者かい?

 いい子を雇ったね~。」

「流石ですわ、ノーヴ様は良い目をお持ちのみたいですわね。」


例のバインバインのお姉さん2人組に声を掛けられた。

いつの間にやって来たのか全く気が付かなかったが、

ケイに集中し過ぎた俺は気配を察知できなかった事を少し反省した。


「本当にいい子を雇ったものだよ、ノーヴ様。

 名前は・・そうケイって言うのかい、頑張りなよ。」


何故か二人はケイの姿を(あわ)れむではなく(はげ)まし、(しき)りに俺に感心した。


そんなに褒めないで・・照れる!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ