↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪魔オヤジのムソウ  作者: 祇神 安紀
王都
76/622

虐待

ご覧頂きありがとうございます。

※残酷な表現を多く含んでおります。

閲覧に注意してください。

時間がかなり掛かってしまったが無事宿舎まで帰って来た。

一応ケイを皆に紹介しておこうと集まってもらった。

いざケイを紹介すると皆一斉に目を(そむ)けた・・気持ちは分かる。

ただ、アイラとディアナはケイに寄り添う様にして

「宜しく頼みますね。」

(いた)わる様に声をかけた。

(そむ)けたい気持ちは分かるので、このことに関しては苦笑いするしかない。

しかし流石、元団長と元副団長だけあってその辺のことは心得ている。

ケイに気を使い、また団員たちにも気を使っている。



ケイの体は変形している、と言うか・・された。

正直、変形と言う言葉が適切かどうか悩むくらいだ。

奴隷時代の前の主人の仕打ちと聞いて、又絶句した。

ここまで普通出来ないだろ・・・

そいう思いが新たに湧き出てきたので、ここは元の世界と違うと

自分に言い聞かせたが・・やはり怒りがこみ上げる。


片方の足は裸足(はだし)だ・・と言うより()けない、(くるぶし)より先が無い。

両脚も変形しどちらを向いているのか分からない状態で

膝も潰れていて見当たらない。

腕も片方は肘が前を向き、腕は途中で曲がり

もう片方の手は指が途中で切れている。

肩も潰されていて片方はかなり下がっている。

目は片方が潰され、鼻や耳も削がれ

頭は殴られた(あと)なのか陥没している様だ。

この様な状態でも生きているのは流石魔族とでも言うべきかもしれない。

本当によく生き永らえたものだ。


紹介が終わり、俺の専用宿舎にケイを連れて行った。

俺の宿所は完成しており、そこでまずケイを風呂に入れる事にした。

汚れが(ひど)いので可哀そうだと騎士団員たち皆からそう勧められたからだ。

ケイは風呂を知っていて、貴族の屋敷で主人が入浴している時

奴隷全員が主人の入浴を見守るか入浴の手伝いをしていたらしい。

ワーカーの責任者からも入浴を知っているから

風呂があるなら入浴の手伝をさせろと催促された。

要は見ての通りケイは汚れているから風呂に入れろ、ってことだ。

確かに汚い。

髪は地毛が何色か分からないし、顔も正直かなり汚れている。

服装もブカブカのランニングシャツの様な物にズボンも汚い半ズボン。

今着ている服は全部捨てる。

まだどのような物なのか確認はしてないが、斡旋所の女性に新しい服を

買いに行ってもらったので入浴の着替えも用意してある。


俺は湯船に湯を張り、今日は少し贅沢にしようと思い

ハチからボディーシャンプーや髪用のシャンプーなど一式

用意してもらった。

準備万端になったので脱衣所にケイを呼び

俺は服を脱ぎ先に入ろうとするが

ケイはまだモゾモゾ服を脱いでいたので脱衣を手伝い風呂場に(いざな)った。


脱衣を手伝っている時に気が付いたのだが、上半身の至る処に突起がある。

あまり気にするとケイに悪いと思い何も言わなかったが

ケイの体を先に洗おうと側に呼び寄せ体に触れ時また衝撃(しょうげき)が走った。

上半身にあった突起は杭だ。

色々な所に杭が撃ち込まれ途中で折れている様になっている。

なるべく気にしない様に体を洗うが、首には何かで切られた(あと)が残り

かなり(えぐ)れている。

恐らくこの傷がもとで声が出せないのであろう。

最後に局部を洗おうとすると・・・無い。

去勢されている様だ。

この瞬間、俺の中に作成されている殺すノートにもう一人追加された。

ケイの元の主を調べこの世界から抹殺する・・確定事項だ。

俺は気にしない様に振舞うのが精一杯だ。


ケイの体を丹念に洗い終わり、今度は自分の体を洗おうとすると

ケイが、自分が洗うと言うような素振りで一生懸命に訴えてくる。

俺の為に何かしようと懸命なのだろう・・こんな体なのに・・

俺はこの時もう(たま)らなくなりケイを抱きしめ一言声をかけた。

「ありがとう」・・・・・他に言葉が出なかった。


ケイは俺の体を上手く使えない手で洗ってくれた。

が・・・・おい、なめるなよ・・・

上手くいかないと思ったのかケイは口を使い始めたが

その時また気が付いてしまった。

舌使いが上手(うま)い・・・じゃなくて、歯が無いのだ。

歯も全部抜かれてしまっていた。

洗い終わった後、ケイは俺の顔を覗き込む素振(そぶ)りをした。

たぶん、精一杯笑って見せているのだろう。


しかし、斡旋所のあの女性はケイが去勢されていたのを知っていたのだろう。

下着が女性用で寝間着もアイラたちの物と似ている。

この世界では去勢されたら、女性扱いになるのだろう。

まあ、仕方ないので全部新しい下着と寝間着を着せてやった。

自分でやるには時間が結構かかりそうだ。


ケイの見た目はあれだが、ケイの心根の美しさの様なモノを感じてしまい

その日は何故か()やしいやら悲しいやら、で眠れなかった。


どうしてこの様な目に遭わなければならない

この子が何をした

奴隷なら何をしても良いのか

立場が入れ替わってみろ

泣いて許しを請わないのか

奴隷なら殺しても良いのか


ケイは名目上だけかもしれないが俺の家族になったんだ。

このままで良い筈はない。

何か俺に出来ることがないか考えよう。


何か出来るといいな!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。