第2話魔王復活
ピピピ…ピピピ…
「ん?ふわぁ…。おはよう…ってリーン居ないな。どこいったんだろ。」
バイトだろうか。私は朝から動きたくなかったが、特にやることもなかったため、リーン探しに出かけた。
私たちの部屋は森の奥にあり、街に出るには30分ぐらいかかる。
「しかし、モンスターに全く遭遇しないな。どうやら、モンスター倒せば経験値でレベル上がるっぽいからとりあえずなにか倒したいんだけどなあ」
いくら歩いてもいくら大声だしてもモンスターは居ない。
そんなことしてるうちに街に着いてしまった。
「あ、リカイ。起きたのね。早く行かないと仕事遅れるわよ〜」
リーンはシャツ1枚と半ズボンで色々なものを運んだり作ったりしていた。
「仕事?まさか討伐とかあるの?」
「何言ってるの?この世界は、モンスターなんてひとつもでないわよ。」
「ギルド(刑務所)やら職業はあるのになぜ討伐ないわけ?」
「だって、昔全てのモンスターを全滅させちゃったもの。」
「って事は…ずっとレベル1?!」
「当たり前よ」
モンスターとは、倒せばうじうじ出てくるものだと思っていた。しかし、地球みたいなものはなく、倒せば倒したまんまなのだと。
つまりは、魔力が多少ある私は、もうこれ以上強くならない。
「そんなことより、もう登校時刻から1時間以上経ってるんだから早くしなさいよ。」
「は?私学生じゃないよ?」
「あ、そうだったわ。」
「おい」
こいつは本当に失礼な女だ。
「しかし、そうなると仕事探さないと生きていけないわよ?」
「たしかにいわれてみればそうだな。私はどういう職業がいいかな?」
「んー…そうね。ここは、地球とは正反対の価値観だから漫画家は無理だろうしな…」
辛い…それいちばん辛いやつ…。
「まぁ、仕事見つかるまでこの仕事すれば?ねぇ親方!いいですよね?」
「人材が増えるならいくらでも雇っていいよ〜!」
「じゃあ、採用試験合格ね♪」
…お前審査員だったのか。
「…<おまえ、本当に神様?」
「え?この姉ちゃんおかしなこと言ってるぞ?リーンが神様だなんて」
「そ、そうよ!私が神様なわけないわ!」
そう言ったあとに私の耳に近づき、
「あの、神様ってことはこの世界では内緒にしてるから、その発言はこれ以降しないでね…」
焦った口調で耳打ちされたので、こいつは隠してるのではなく信じてもらえてないのだなと確信した。
仕事が決まって数日後。
-緊急緊急!至急冒険者たちは刑務所へ!-
突然鳴り響いた集合要請。呑気に働いていた私たちはあまりにも不意な事だったため、仕事着のまま来ていた。
「早い集合ありがとうございます!実は、この世界で魔王が復活し、それからまたモンスターがうじうじと発生し始めました!なので、これからは普通に働かずクエスト討伐をしてもらえるようお願い致します!」
魔王が復活したらしい。それと共にモンスターもでてきたため、クエストがでてくるようになるらしい。
しかし、すっかり働くことに慣れてしまった冒険者たちは、クエストを受ける気は無さそうだ。
「クエスト!?やった!これからは私が…」
「そんなの、リーン一人で行けるくない?」
「そうそう」
「ちょべりば〜☆」
この世界は、ギャルの世界なのか…。
最後とくに言う必要なくね…
「いやだぁ〜そんな私強くないわよ〜私よりもこの子の方が強いわよぉ〜」
「普通じゃねぇか。使えねぇな。」
…うぜぇ。
そして冷てえ。
私はもう神様とかファンタジーキャラとかどうでもよくなってしまった。
〜草原〜
「それにしても、本当にモンスターと遭遇するようになったよな。」
「まぁ、魔王やモンスターはいくら倒しても復活するからね。」
「ん?お前モンスター倒したらそれ以上復活しないって…」
「さあさあさあ!早速スライム討伐行くわよ!」
どうやらリーンは図星をつくと途中でそいつの言葉を遮るらしい。さすがは清楚が下なだけある。
そんな雑談を交えていると早速スライムがでてきた。
「よし!スライムなんて初級中の初級!とっとと倒して100ゴールドゲットだぜ!」
「あら、死亡フラグたてないでちょうだいよ。ちなみに、スライムは物理系は全く効かないからね。」
「え?」
それを言われた時はもう物理攻撃をかましていた時だった。
言葉通り物理系スキルは全く効かず、リカイたちのところに跳ね返ってきた。
「ギャー!助けて助けて助けてぇー!」
しかもリカイが使った石スキルの石は、追いかけてくる。
「こ…こんな手強い相手なんて聞いてないよー!」
「そりゃあ、スライムだってやられっぱなしじゃつまんないじゃない。まぁ、殺らないと金が手に入らないからやってあげるけどね。言っとくけど、妄想癖ですごくちょろくて真面目で幼児退行で…」
「今ツンデレとか要らんから早く倒してぇ!」
…。
私は、モンスターを舐めていた。
「モンスター5体倒しただけで100ゴールド…。地球だったら高収入なのに、この世界じゃ割に合わないなあ…。」
結局、リーンが全て倒した。
なのでリカイのレベルが上がるはずもなく…。
「やったぁ!レベルが2になったわ!」
逆にリーンのレベルが上がった。
リーンはもとから能力が高いだけあってスライムなんて楽勝ものであった。
「上級職上級職上級職…。」
「もう、さっきから上級職上級職うるさいわね。あなた魔法使いなんだから何とかできるでしょ?スライムは水だから炎使ってやればおちゃのこさいさいじゃない。」
「私今スキル石しか持ってないんだけど。」
「あらま。じゃあ仕方ないわねぇw」
あー、こいつマジムカつく。
一発殴ってもいいかな。
抑えきれそうにない気持ちを必死に抑えようとして苦戦しているとき。
「おー!リーンじゃん!お久〜!そこにいる子は異世界から連れてきたって言ってた子?」
どこからか知らない人の声。
口調的にリーンの知り合いらしい。その容姿はとても可愛らしく、みんな惚れ惚れしてしまうような雰囲気をだしていた。
「あぁ。そうだ。この子はリカイ・オオツカ。仲良くしてやって。」
「あはは〜♪さすが異世界ってだけあって変な名前だねぇ!あ、私はウルカミ・リンコ!よろしくね!」
さすがにやばい。罵られた挙句親が一生懸命考えて名付けてくれた名前にいちゃもんつけられるのはとても不快でならなかった。
まぁ仕方ない。この世界は地球と価値観が真逆だと言うのだから。仕方ない。うん。仕方ない。
「あ、あの、ウルカミさんの職業はなんですか?」
「私?私は〜女を釣る仕事かな!」
「お、女?!男じゃなくて?!」
「当たり前じゃない。この子男の子よ。」
偏見に囚われて女の子だと思っていた。いやしかし、容姿が女の子にしか…。
「まぁ、地球の女の子はここでは男の子だからね。」
「なるほど。」
価値観が真逆だということがここまでだとは思っていなかったが。
「ま、まぁよろしくね!ウルカミ!」
「俺に懐こうなんて1億年早いんだよ」
「あ、はい。」
馴れ馴れしくしたつもりは無いが、性格が腹黒だとは…。
「あ、こいつの本当の職業はダークトレジャーね。」
うむ。ウルカミに似合っている職業だな。
「そういえば、リーンって職業はなんなの?やっぱスキル的に上級職でしょ?」
「いいえ。盗賊よ。」
「なるほど。」
「何納得してるのよ!この神聖なる私が盗賊なんておかしいと思わないの?!ねぇ!ねぇってば!」
能力カードを見ろとも思ったがひねくり回すと余計面倒だったため、言うことをやめた。
盗賊は、全てのスキルを習得することが可能で、見たもの全てを習得することができるらしい。しかし、簡単に習得できる訳ではなく、何かしらのポイントがいるらしい。私等の盗賊以外のスキルはレベルアップしていくとスキルが身につくらしいが、職業の中で盗賊が1番多いらしい。もちろん、上級職につくことも不可能であった。
「まぁ、お前にピッタリの職業じゃねぇのw」
「ゴッドハンマー!」
「グハッ…!!」




