プロローグ
国の偉い人たちと4人の女王の約束。
それは……。
……春夏秋冬を巡らせるために各季節の女王が塔に入ること。
円滑に季節を巡らせることが彼女たちのお役目だ。
暖かくポカポカしている春。
たくさんの植物と花が魅力的でお花畑が素敵な時期。
春の女王のチェリィは司る季節のようにホワホワとし、優しく包み込む、おっとりとしている。
暑さやジメジメした時期がある夏。
太陽の姿をハッキリと現し、その輝きが地上を照らす。
この季節の女王はそれとは正反対で根暗だ。
とにかく、暗い。
雨がたくさん降る時もある訳だから、性格としては夏を捉えているのかも知れない。
だか、名前はそれに似合う……なんてことはなく、サニィと言う。
穏やかな気候で、食欲や芸術の秋と言われる季節では豊穣を祝ったらなどの行事も多い。
秋の女王はフルゥと呼ばれ、よくボッーとしているが、やるときはやる女で絵が物凄い上手だ。
ただ、食いしん坊すぎるために多くの食材が消費されていくのが国に大打撃を与えたことも……。
最後に、冬。
寒さと生きるための厳しさがある季節。
彼女は冬に合った名前でスノゥという。
性格は……。
これから知っていくことになるであろう。
国はイズシン王国と呼ばれ、各女王たちのお陰でとても豊かに繁栄されている。
今から語られるのは、冬の女王のこと。
スノゥの話。