第22話「魔王の悩みとマオちゃん」
私は魔界の女王にして、魔王と呼ばれている。
魔王とは、魔族を束ね、魔界を統治する存在の事だ。
私が魔王として、父である先代の魔王の代から魔王の座を引き継いでから早100年。
私には魔王として悩みがある。
それは、
「可愛い娘のマオちゃんのお婿さんを探す事と、私の新しい伴侶を見付ける事」
でも、中々良い相手が居ないのだ。
魔界は、確かに私の支配する地だが、魔族達は血の気が多い者が多く、強さだの、強者だの、言う者しか居らぬ。
中々誠実な者や冷静な者が居らぬ、だからといって私の部下でもある、魔王の配下を婿にするのは少し気が引けるのじゃ。
そこへ、扉を開いて魔王の娘のマオちゃんがピョコっと顔を出す。
「ママ?――どうしたの?」
「マオか?――ここでは魔王様と呼べと?」
「ママは、ママだよ?」
はにゃ?という顔をしている。
大好きなクマちゃんのぬいぐるみを抱っこしている。
マオちゃんは、魔王の可愛い一人娘である。
見た目は幼く、性格も甘えん坊で焼きもち妬きで構ってちゃん。
魔王の事は、必ずママと呼ぶ、マオちゃんは魔王が大好きなのである。
「ママ?」
「ハイハイ、ママでいいよ」
私の可愛い愛娘ではあるが、まだまだ幼い上に、魔族や次世代の魔王としては未熟で、あまりにも弱い存在だ。
私が、本来なら母親として近くで見守ってあげないといけないんだけど。
魔王としての立場もあるし、中々難しいのよね。
――どうしたものかしらね?
「魔王様!大変です!」
「む?――どうした?」
「魔族達の一部が人間界に進軍しました」
「やれやれ、またか?」
魔族こと魔王軍の連中には、血の気の多い者も居るが、たまに、というかほぼ毎日くらい、魔王の命令を無視して、人間界に勝手に進軍する者も居るのだ。
本当に、迷惑な事だと思う。
「魔王様、いかがなさいますか?」
「私が行く!」
というか、私が行かないと誰も行かないのよね。
毎度の事ながら疲れるわ。
「ママ?お出かけするの?」
「そうよ?――だからマオちゃんはお留守番…」
「じゃあ、マオちゃんもママに付いて行くね?」
え?――今なんて?――マオちゃんも来るの。
いつもなら、素直に聞いてくれるのに。
「ママダメ?――」
「うっ…」
そんなうるうるした目と甘えた表情で、ママを見ないでマオちゃん。
「今回だけよ?」
「わーい」
なんで私は、マオちゃんに甘いのかしら。
こうして、私こと魔王は愛娘のマオちゃんと一緒に人間界に行く事になりました。




