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第5話 奪還、月の塔(5)

オレはここで君を守るよ…今後こんな事が起きないように


 今まで一人で生きて来たからこの理由を言うのは少し恥ずかしかった。

 でもやっぱり今この女神をこのままにしておく事はとても出来なかった。

 それに折角目覚めたこの力を少しでも役に立てたかった。

 その為にはここにいる事が一番だとオレは思っていた。


それがいいぜ!俺達からもお願いするよ!


 気が付くと月猫たちがオレの周りに集まっていた。

 みんな大きな怪我もなくそれぞれが達成感で満たされた顔をしていた。

 そんな彼らの顔を見て作戦がうまくいった事をオレは実感していた。


女神様は少々危なっかしいから強い騎士が必要だって前から思っていたんだ

クロウならきっとその役目を果たしてくれるよ!


 女神に進言するゲイル。

 仲間の月猫たちも全員その意見に同意していた。


これからもよろしくな!黒騎士クロウ!


 ゲイルはそう言って笑った。

 オレは月猫たちに認められてようで少しむず痒かった。


分かりました…貴方がそう望むのであればその意見を尊重します

ありがとう、クロウ…これからは頼りにしますね


 女神はそう言ってオレに微笑んでくれた。

 その笑顔だけでオレはずっと頑張っていける気がしていた。



 オレの名はクロウ。

 地球から遠く離れたこの月で月の女神の騎士をしている。

 月は魔法の源。

 地球に何か奇跡が起こる時、それは月の力がそうさせている。

 月の女神の祈りの力が魔法になって地球に降り注ぐんだ。

 オレはそんな大切な女神の護衛と言う大事な仕事をしている。

 オレがいる限り女神に誰一人指一本触れさせやしない。

 そしてそんなオレは額に傷のあるただの黒猫さ。


 見上げればここから青い月が見える。

 それは月の塔からの素敵な眺め。

 今日も月は平和そのもの。

 オレは月の塔のお気に入りの場所でいつものように昼寝を決め込んでいた。



(おしまい)

この物語は2話まで書いてずっと放置していたのを完成させたものです。

何とかかんとか話を思い出して書いていたんですけど最初の構想とは

違ってしまったかも。


今回も会話文を「」でくくらない書き方をしたのでちょっと分かり辛かったでしょうか?

今はまだ色々試行錯誤しています。

もし読み辛かったらごめんなさい。

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