表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/42

第5話:決断のとき

ここ最近、心ちゃんの帰りが遅くなった。1時間とか2時間じゃなくて、ほんの10分程度。だからあたしは何も聞けない。ちょっと仕事が忙しかったのかな、とか自分に言い聞かせるしかないんだ。

でも、きっとそろそろごまかしがきかなくなる頃。だって、あんまりキスしてくれなくなったもん。多分それはあたしに対する愛情がなくなったからじゃない。後ろめたいと思う気持ちが愛情に勝っちゃったから。きっと愛情は0%になったわけじゃなくて、ただあたしに対する愛情より、すずに対する愛情の方が上になったんだろう。

心ちゃんから別れを告げられたら、あたしはどうするかな。きっとその時にならないとわからない。今は考えただけで息苦しくなるけど、心ちゃんの口から別れの言葉を聞いたら頭が真っ白になると思うから。

あたしは今までに撮ったプリクラを眺めた。馬鹿みたいにふざけてる2人がそこにいる。今はこんな風に笑えないね。お互い心に迷いがあるから。

涙は自然と出た。プリクラ1枚1枚にちゃんと思い出があって…3年前のプリクラだって見るだけで会話が思い出せちゃう。記念日は必ず休みを取って出かけたね。その日は毎回夜景を見に行った。来年も再来年もずっとずっと一緒に過ごすはずだったのに…。心ちゃんの嘘つき…。

はっと気付いて時計に目をやると、もう夜の11時を回っていた。今日はいつもより30分も遅い。覚悟を決めろってこと?今日言うつもりでいるの?やだよ、あたしまだ心の準備が出来てない。

きっとそんなのいつになっても出来ないだろうけど…。

ガチャ、とドアの開く音が聞こえた。

決断のときが来たんだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ