チートイドラドラ
横村がエアロシティの夢を見ている間に競馬界は騒然となっていた。
なんとブリブリレジェンドが調教でなかなかの速いタイムを出しているというのだ。
皐月賞に出られなくてやる気をなくしていた中田もこれにはおったまげて復職した。調教師に。
横村「ダービーに出るには出走権の獲得が必要だな…それには青葉賞か京都新聞杯で勝たなくてはいけない」
中田「心配することなんてないさ。今のブリブリなら鼻くそほじりながらでも10馬身は差をつけるさ。心配材料は一つだけだな」
中田調教師が心配していたのはそう、騎手である。
曽ヶ端は死んだというのが暗黙の了解であり、更新日時を考えると他の設定は既に忘れている。となると新しい騎手を登場させなければいけないのだ。
青葉賞は一週後に迫っていて困った中田と横村の前に一人の男が姿を現した。
山岡「山岡だ。今年はまだ勝っていないが自信がある。ブリブリに乗せてほしい」
横村「まだ未勝利だと?しかし大した自信だな(香川照之に似てるなあ)」
中田「フフ…これは面白くなってきたぞ(香川照之に似てるなあ)」
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青葉賞 2400m
2着までに日本ダービーの優先出走権
1番 スーパーガジェット 西山 50倍くらい
2番 カマキリマンジー 小俣 5倍
3番 ブリブリレジェンド 山岡 1.6倍
4番 モルモットアイズ 田中 30倍
5番 ウンコ ゲイリー 20倍
6番 チートイツ 吉野 10倍
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山岡「あーーーーーーーーーーーーー!!」
スタートすると山岡はムチを連打した。この馬なら最初から最後まで全力疾走で走れるという的確なヨミであった。
圧倒的なスピードで全力疾走したブリブリは2番手に50馬身くらいつけた。観客から大歓声。
2番手を走っていたチートイツの騎手である吉野は後にこう回想している。
「先頭の馬の騎手が香川照之に似ていた」
3番手には豪腕西山騎乗のスーパーガジェット。その後ろに実力馬カマキリマンジーがじっくりと構えた。
競馬は甘くない。最初から全力で走り、残り1400mぐらいで疲れたブリブリは失速しつつあった。
残り1000m地点ではもう30馬身くらいまで詰まっており、これはやばいと思った山岡はムチを連打しながら泣いた。
中田も泣いた。横村はエアロシティへ旅立つ準備をし始めている。
ダービーへの切符がかかった最後の直線コース、残り500m。
ブリブリのリードはもう5馬身くらいまで詰まっている。誰もが「ブリブリはダービーにはもう出られないだろう」そう思った。
吉野の右ムチが唸ってチートイツが突っ込んでくる。カマキリマンジーも来ている。
大外からはウンコだウンコも来ている凄い脚で来ている。
ブリブリレジェンドはもうダメなのか!?ダービーへの夢は終わってしまうのか!?
しかし何が起こるか分からないのが競馬である。
残り200m、このとき前方からなんとバッファローの大群が押し寄せてきた。
↓内ラチ ↓ゴール位置
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→→ブリブリ
バッファロー←←←
→→チートイツ バッファロー←←←
→→カマキリ バッファロー←←←
→→ウンコ バッファロー←←←
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↑外ラチ
吉野「う、うわあああああああああああああああ!!!」
ゲイリー「ホワイ!?」
チートイツとウンコはバッファローの大群をよけるのに精いっぱいで失速。
この2頭はまだ良い方だった。
内にチートイツ、外にウンコがいたカマキリマンジーは避けようがなくバッファローに体当たりされて騎手の小俣が落ちた。
ブリブリは!?ブリブリは大丈夫なのか!?
ご安心ください。ブリブリレジェンドの前にはバッファローの姿は無く、山岡はホッと胸をなでおろしながらムチを連打した。
実況アナウンサー「ゴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーール」
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1着 ブリブリレジェンド
2着 チートイツ 5馬身
3着 ウンコ 3/4馬身
4着 モルモットアイズ 1/2馬身
5着 スーパーガジェット 2馬身
競走中止 カマキリマンジー
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中田「よし!さすがブリブリだ!ダービーもいけるぞ!」
横村「中田さんが直線でバッファローを放してなかったら危なかったですね」
山岡は2人の元に戻ってくるなりこう言った。
「今日がこの馬に乗るのは初めてだったけど息を合わせて走ることができたよ。
今回で感覚はつかめたし、これならダービーでも勝ち負けできるのは間違いない」
中田と横村はこう思った。こいつ香川照之に似てるな、と…。