4.遂に私は空を羽ばたく鳥になる
卒業式を終え、俺は正式に“自由人”になった。
もちろん、ダンジョンの攻略とレベリングは続ける。
実は今のレベルは15レベ、何故上がってるのかと聞かれたら庭にあったダンジョン、あれがまだ残っていたのだ…それのおかげでレベルが上がり、15レベになったのである。
少し思い返すととても気持ち悪くなる...昨日、ダンジョンを見つけて入ったあとの話
ん、あれ?
こないだ攻略したはずなのに、
「なんでダンジョンがあるんだ?」
まあいっか、危険だし早く壊そ、そう軽く思っていた...
入ると薄暗い空気と、どこか嫌な気配が漂っている。普通に恐い
「……怖いけど、行くしかないか」
覚悟を決めて踏み込むと、すぐに異様な臭いが鼻を突く。少し進むと、闇の中から異形の影が現れた。グール――内臓がむき出しで、体液が滴る化け物だ。見ただけで吐きそうになる。
しかし、俺は逃げなかった。念動力でその核を押し潰し、魔力を纏わせた日本刀で切りつける。腐敗臭と気持ち悪さに耐えながら、なんとか一体を倒すことに成功した。
体が震えながらも、レベルアップの通知が脳裏に浮かぶ。だが、死体の姿はあまりにも生々しく、臭いも強烈で、直視できるものではなかった。ボスモンスターも存在するはずだが……今日は無理だ。
俺は重い足取りで庭に戻る。勝利の余韻よりも、ただただ吐き気と腐敗臭が残ったままだったのだ。
そんな苦痛よりも、
これからは学校に縛られることもないと言う事実を喜ぼう、学校がもう無いと思うと不思議な解放感に包まれた。
――普通なら、の話だが。
「……いや、今それどころじゃないよな」
スマホを確認すると、大学からの通知が来ていた。
内容はシンプルだった。
“非常事態宣言に伴い、当面の間登校禁止”
さらに追い打ちをかけるように、
“安全が確認されるまで来校しないように”
とまで書かれている。
「……来るなってことかよ」
思わず苦笑する。
まあ、あの状況を見れば当然かもしれない。
世界中で人が発狂し、意味不明な現象が起きている。
それを“感染する精神病”として処理している時点で、政府も混乱しているのが丸わかりだ。
「ってことは……」
少し考えて、結論にたどり着く。
「……暇だな」
少なくとも、半年くらいは確実に自由な時間がある。
普通なら最高の状況だが――今は違う。
むしろ、猶予期間だ。
あの“試練”のことを思い出す。
第一、第二、第三、そして第四の試練。
どれも冗談じゃ済まない内容だった。
特に最後。
魔王や魔神と呼ばれる存在。
そして、残り5年という制限。
「……笑えねえ」
小さく呟く。
あれが本当なら、いずれ俺は“化け物”と戦うことになる。
しかも、勝っても負けても終わりが見えている世界。
なら――やるべきことは一つだ。
「強くなるしかねえ」
そのために必要なものを、頭の中で整理する。
まず、自分自身の強化。
レベル上げ、スキルの習熟、戦闘経験。
そして――
「……仲間、か」
一人で戦うには限界がある。
実際、ダンジョンで痛感した。
持久力が足りない。
判断も、戦い方も、まだ未熟だ。
あのボス戦だって、運が良かっただけだ。
もし相手がもう少し強かったら――間違いなく死んでいた。
「……ソロは無理ゲーだな」
結論は出ている。
仲間が必要だ。
信頼できる仲間。
じゃあ、どうやって探すか。
「……ネット、か」
スマホを操作する。
すると、すぐに見つかった。
“覚醒者スレ”
とある匿名掲示板に、すでにそれは存在していた。
開いてみると、書き込みはカオスだった。
『ダンジョン見えてる奴いる?』
『これゲームじゃね?』
『ゴブリンいたんだが』
『スキル使えたんだが俺だけ?』
「……いや、普通にいるんだな」
少なくとも、自分だけじゃない。
それだけで、少し安心した。
だが同時に――
「やばい奴も多そうだな……」
匿名ということもあって、信用はできない。
下手に組めば、後ろから刺される可能性もある。
「……慎重にいかないとダメだな」
掲示板は情報収集用に使うことにする。
次に考えたのは、SNSだった。
「……あれ、使うしかないか」
スマホの奥深く。
ほとんど触っていなかったアプリを開く。
中学生の頃に作ったアカウント。
いわゆる――黒歴史の塊。
「うわ……」
過去の投稿が目に入る。
意味不明なポエム。
謎の設定。
“選ばれし者”とか書いてある。
「……消したい」
本気で思った。
でも、今はそんなこと言ってられない。
「背に腹は代えられない、か……」
意を決して、投稿を打ち込む。
『覚醒者募集。ダンジョン攻略できる人、連絡ください』
送信。
数秒の沈黙。
そして――
通知が鳴り始めた。
「は?」
思った以上の反応だった。
その中に、見覚えのある名前があった。
西 恵
「……え?」
思わず、画面を見つめる。
メッセージを開く。
『あんたも、聞いたんだ』
短い一文。
でも、それだけで分かった。
「……マジかよ」
あの日。
空の亀裂と、あの“声”。
それを――西も聞いていた。
つまり。
「西も、覚醒者ってことか……」
脳裏に浮かぶのは、あの朝の光景。
自転車で走り去っていったあいつの顔。
あのときの“目”。
どこか、いつもと違っていた気がする。
「……なるほどな」
偶然じゃない。
最初から、“そういう世界”だったってことか。
少し考えて、返信を打つ。
やり取りを重ねて、状況を確認する。
どうやら西もダンジョンに入っているらしい。
しかも、それなりに戦えている。
「……頼もしいな」
小さく笑う。
これで、少なくとも一人。
信頼できる仲間候補ができた。
さらに、SNS経由で数人から連絡が来ていた。
中には、まともそうなやつもいる。
「……よし」
決断する。
「一度、会ってみるか」
来週。
ネットで集めたメンバーと顔合わせをすることになった。
正直、不安はある。
どんな奴が来るのか分からない。
でも――
「やるしかねえよな」
立ち止まっている暇はない。
試練は、もう始まっている。
そして俺は――
その中で生き残るために、進むしかない。
ステータス
名前_源藤仁
称号_次代の挑戦者、才覚を秘めし者、自由人
レベル_15
魔力_
体力_
スキル_念動力、魔力操作
仲間一覧
-俺
-恵
-?1
-?2
-?3
-?4
-?5
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