第38話「水着選びは大騒ぎ!?」
夏休み初日。
午前十時。
将規は自宅でのんびり過ごしていた。
期末テストも終わり。
学校もない。
久しぶりの自由な時間だった。
将規 「平和だな……」
その瞬間。
スマホが震えた。
画面を見る。
真優からのメッセージだった。
将規 「珍しいな」
開いてみる。
すると。
『今日時間ある?』
将規 「?」
さらに続く。
『相談したいことがあるんだけど』
将規 「相談?」
少し考えてから返信する。
『大丈夫だけど』
数秒後。
すぐ返事が来た。
『じゃあ駅前で!』
将規 「早いな」
―――
一時間後。
駅前ショッピングモール。
将規が到着すると。
そこには真優と美優がいた。
将規 「待った?」
真優 「今来たところ」
美優 「うん」
将規 「それで相談って?」
真優と美優は顔を見合わせた。
そして。
真優 「水着」
将規 「は?」
美優 「選んでほしい」
将規 「……は?」
数秒固まる。
真優 「今度海行くでしょ?」
将規 「行くけど」
美優 「新しい水着買う」
真優 「でもどれがいいか分からなくて」
将規 「いやいやいや」
真優 「?」
将規 「なんで俺」
真優 「率直な意見くれそうだから」
美優 「信用してる」
将規 「重い理由だな……」
二人は本気だった。
将規は頭を抱えた。
―――
水着売り場。
将規 「帰りたい」
真優 「まだ五分だよ」
美優 「早い」
将規 「男子一人なんだけど」
真優 「気にしない」
美優 「気にしない」
将規 「俺が気にする」
真優は笑った。
真優 「じゃあ見てくるね」
美優 「うん」
二人は売り場の奥へ向かう。
将規は近くのベンチで待機。
数分後。
真優 「どうかな?」
将規 「!?」
突然現れた真優。
肩を出した爽やかなデザインの水着姿だった。
将規 「似合ってると思う」
真優 「本当?」
将規 「ああ」
真優 「よかった」
嬉しそうに笑う。
そこへ。
美優も出てきた。
美優 「これは?」
落ち着いた色合いのシンプルなデザイン。
美優らしい。
将規 「それも似合う」
美優 「そう」
少しだけ微笑む。
真優 「どっちがいい?」
将規 「どっちも」
真優 「選んで」
将規 「難しいな!?」
真優 「頑張って」
将規 「人任せ!」
美優 「将規なら大丈夫」
将規 「その信頼が重いんだよ……」
―――
その後も。
真優 「これどう?」
美優 「これは?」
真優 「こっちは?」
将規 「どれも似合う」
真優 「参考にならない!」
美優 「ならない」
将規 「無茶言うな!」
三人の笑い声が響く。
昼過ぎ。
フードコート。
買い物を終えた三人は休憩していた。
真優 「ありがとう」
将規 「結局二人とも自分で決めたじゃないか」
美優 「でも参考になった」
将規 「そうか?」
真優 「うん」
少し間。
真優 「将規くんと来てよかった」
将規 「……」
不意打ちだった。
将規 「それならよかった」
美優 「私も」
将規 「そうか」
少し照れくさい。
けれど嫌ではなかった。
帰り道。
夕方の街を歩く三人。
真優 「海楽しみだね」
美優 「うん」
将規 「ああ」
夏休みは始まったばかり。
そして次はいよいよ海。
きっとまた賑やかな一日になる。
そんな予感がしていた。
第38話 完




