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魔女クエスト(4)こんな連中が国交の無い国に行ってもいいのカナ?

 学園再建事務所の車に、おやびん達を積んでヨコヤマ帝国へ向かいます。もちろんこの車も痛車ですよ。学園の送迎車にするためにネコバスという柄になっています。全生徒を寮にぶち込む予定なので、何を何処から何処へ送るための送迎車なんでしょうかね?処刑場ですかね?ゴミ処理施設?腐ったミカンは燃えるゴミですか?


 巫女のオーバードライブはお供をクビになりました。

 あの姉妹は運転がデスアーリーですからね。安全運転の私、リバーブちゃんに交代なのです。


「あの曲がり角から変態ドラゴンが出てきて、この車を犯すかも知れません!」


 かも知れない運転を徹底しますよ。この世は何が起こるか分かりませんので。


「そんなワケないじゃろ。安全運転なのはええことじゃがー」

「いや、ドラゴンは居ないけど、なんかむっさいおっさん達が居ますよ?」

「轢き殺しますかー?あいつら襲って来るかも知れません」

「いや、止まるのじゃ。国境の兵士じゃろ」


 そうですね。ニンゲンを轢くと貴重な車が錆びちゃいますねー。止まりまーす。


「なんかアヤしい奴らじゃん?」

「なんだこの鉄の箱は?俺も欲しいじゃん?」

「捕縛するじゃーん?」


 じゃんじゃんうるさいんですけど。ヨコヤマ帝国は国交の無い他国ですが、カワサキとは川ひとつ挟んでるだけなので、おおむね言語は通じるようですね。


「えー、通さないと轢きますよ?」

「あー?ヨコヤマなめんなよー?」

「やっちまうじゃーん?」


 ありゃ。紳士的に通ってやろうと思ったのに。ヨコヤマ民は暴力的ですね。10人くらいの兵士に痛車を囲まれてしまいました。


「ちょっと、ヨコヤマの悪役令嬢ちゃん、出番ですよ。印籠かなんかババーンと見せちゃって下さい」

「は?悪役令嬢って何なのかしらあ?」

「ああもうめんどくさいのじゃ。こいつを盾にして突っ切るのじゃ」

「くくっ…、このパーティには良識が欠片も無い…我、殺されちゃうのでは?」

「おうおうー!帝国がなんぼのもんじゃー!わしらもリーザ帝国じゃー!!」

「ああ、名乗っちゃったよ、もうらめえ」


 堕天使が泣き言を言ってますけど、痛車のボディにでっかくリーザ帝国の紋章入ってますからね?隠し通すのは無理ですよ。


「うわっ、ちょっと!?この人質が目に入らないんですかー!?おやびーん!助けてー!」

「陛下?どうするのアレ?」

「ほっとくのじゃ、リーザ山に還して左脳の鍛え直しなのじゃ」


 ちょっとー?おやびんも煽ったじゃないですかー?ああ、そんな女神でも仕えるのが巫女の仕事なのです。パンツを履き替えて来なかったんですけど、死なばもろともー!


「じゃきーん!ずばっと参上!惨状を解決!風車セブンとは拙者の事でござる!」


 とすっ!


 風車じゃなくて、日本刀でぶっ刺しましたよ、この女騎士は。ヨコヤマ兵士の股間の柔らかいところを、ぷすっとぐりっと。鎧の僅かな隙間を抜いて。


「うぃーうぃるろっきゅうー!でござる。にんにん!」


 股間を突いた兵士の腰から剣を奪うと、それでぶっしゃあああっと、一瞬で10人のヨコヤマ兵士を斬り捨てました。

 ダモン王国の一日革命の時ですら誰も殺していないと聞きましたが?無血革命を起こした騎士が、暇つぶしの旅の途中に、スナック感覚で10人も殺してしまいました。あ、土手を散歩していたおじいさんも斬ったので11人ですねー。


「マスター!ヤキトリやっと追いつきましたぞ!」

「あ、うん。別に呼んでないけど」

「マスターはツンデレでござるな」


 スケサンが合流してくれたのは、心強いんですけど。この死体の山どうするんですか?11人も居ますよ?片付けないと、この辺りの自治会から苦情が来ちゃいます。


「神社に運んで焼く?」

「痛車が汚れるじゃろ?ほっとくのじゃ」

「この人達、いえ、本当に人なのかしら?私も罪に問われないかしら?」

「くくっ、今なら目撃者も居ない…逃げようよ?」

「おやびん蘇生とか出来ないんですかー?」

「じゃからわしをなんじゃと思ってるのじゃ。わしは女神じゃぞ?」


 女神だからですけど?人類を創造した女神リーザの2代目なんですよね?ニンゲンの蘇生くらい、パンツ洗うより簡単なのでは?


「おーほっほっほ!仕方ないわね。巻き込まれてしまったので、この私がなんとかしてあげましょう!」


 悪役令嬢が、何やら頼もしい事を言い出しましたよ?

 

「え?蘇生出来るんですか?」

「は?そんな、いくら私が魔女でも、世の理に反することは無理ですわー」

「ほいじゃあ、どうするのじゃ?」

「私の権力で揉み消して差し上げます!チュウニが言うように目撃者も居ませんので、この場は逃げましょう!敢えて、ヨコヤマ国内へ行くのです!」

「権力とは便利でござるなー。では行くでござるよー。巫女のフランジャーちゃん、乗るでござる」

「私はリバーブですー」

「乗ったでござるな?では、レッツロック!ヘルイエー!」


 スケサンである近衛騎士ヤキトリの運転でヨコヤマ帝国へ密入国なのです。

 連れて来た悪役令嬢の素性が色々と気になりますが。まずは、現場を立ち去らないと。

 私だけ死んで逃げようかしら?

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