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女神様の諸国漫遊記  作者: へるきち


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魔女クエスト(5)魔女が見つかったから旅は終わりカナ?

「走行中の車内で刀の手入れするのは、やめてほしいのじゃがー」

「すみませぬ。錆びるといけないので。拙者達は、生涯を通して一本の剣しか使えませぬので」


 なるほど。だから、人体の柔らかいところを突いて、奪った剣を使ったんだね。そうしないと傷んじゃうから。まあ、どうでもいいけどね。


「しっかし、人の命が軽いのう」

「陛下の言う通りだよ。兵士は死ぬのも仕事だろうけど、行きずりの老人を巻き込むのはどうなのカナ?」


 我ら堕天使は、ニンゲン界には干渉しない主義だからね。もちろん殺すなんて有り得ないよ。


「んー?あのご老人は、どこかの国の間諜でござるよ?ついでに始末したまで」

「え?そうなん?よく分かったのう」

「身のこなしで分かるでござるよ」


 カワサキ連邦は、今諸外国のターゲットになっているからね。7つの小国の集まりだったのが、ウチ4つは独立しちゃったからね。カステーラ帝国だって、最近まではカワサキ連邦だったし。


「カワサキはリーザ帝国の配下ですしー、弱体化が続くとまずいのでわー?」

「少子高齢化だしね。ダモン王国の革命に手を出したせいで、国家予算規模の損失出してるみたいだしね」

「んー、もしかして諸国漫遊の旅をしとる場合じゃないんじゃろうか?」

「いやー?実務は女王と宰相がやってるんでしょ?隠居の皇帝は諸国漫遊が仕事でしょ?」


 巫女は陛下と一緒に遊びたいだけだね、きっと。まあ、我もそうなんだけど。


「お腹空いたのじゃ。何か食べたいのじゃー」

「ヨコヤマのご当地グルメといえばー?なんですか?アハトちゃん」

「我のデータベースによると、ラーメンだね」

「いぇい系ってヤツじゃな!ラーメン食べるのじゃ」


 そんなパリピな感じじゃないと思うけど。お昼は、ラーメンに決まったようだね。


「お?そこの角を曲がるとー、ラーメンがあるかも知れません!」

「かも知れない運転でナビグルメが出来るんかのー?」


 痛車が角を曲がると、本当にラーメン屋があったよ。陛下が一緒に居ると、何事もご都合主義的に事が運ぶね。魔女も、もう捕獲済みだしね。


「あ、そこのラーメン屋は地元民である私もオススメですのよー!」

「ほほう。スケサン、じゃないや、おまえナニサンじゃったっけ?」

「ナニサンでも無いですよ。私はリバーブです。名前か巫女ちゃんと呼んで下さい」

「ほいじゃあ、巫女ちゃん車を止めるのじゃ」

「がってんしょうちのすけー!」


 道の脇に痛車を駐車して、ラーメン屋さんに向かうとー?


「へいらっしゃい!元祖ヨコヤマイエーイはうちだよ!食べるといいじゃん?」

「本家ヨコヤマイエーイは、うちだよ!そこの貧相なお嬢ちゃん!うちで食べるとといいじゃん?」


 ジャンジャンうるさいね?観光客向けの演出だとは思うけど。無理やりジャンつけてるでしょ。ヨコヤマには中華街もあるから、そこだとアルアル言ってそうアル。


「なんじゃーこれ?」

「おやびん!いや、ゴローコー。これですよ!庶民の揉め事!さあ、クビを突っ込みましょう!」

「え?わしラーメン食べたいだけなんじゃけど」

「まあまあ、まずは元祖の方に入ってみようよ」


 こういうのは大体アレだよ。元祖は麺がうまいけどスープはイマイチ、本家はその逆でね?おまいらは争うのでなく、手を取り合うのじゃー、とか言って一件落着ですよ。全員斬り捨てるまでもないよ。僕は知ってるんだ。


「うまいな?こっちが勝ちじゃろ?」

「いやー、向こうの本家も食べましょうよー」

「もうわしお腹一杯なんじゃけど」

「私が食べるので!」

「我もまだイケるよ」

「拙者は、腹八分目にしとくでござる。ロックンローラーは体が資本なので」

「私も、食べますわー」


 元祖の方は、ちぢれ麺に魚介類の出汁が効いたスープ。具はオーソドックスにチャーシューとメンマとナルトとノリ。おいしいよ。


「こっちもうまいんじゃがー?」

「うーん、これは甲乙つけ難いですねー」

「我も、どっちも好き」

「拙者はー、どっちでもいいでござる。餃子とビールがおいしいナリー」

「私は、敢えて優劣をつけるなら、チャーハンのオイシイこちらですわー。ああ、でもチャーシュー丼は、向こうがー」


 陛下も小皿に分けて少し食べたけど、どっちもオイシイが結論だね?なにこれ、どうやって調停すんのさ?


「さあ、ゴローコー。お腹いっぱいになったところで、全員斬り捨てましょう」

「刀の手入れしたばっかりでござるがー。厨房の包丁借りるナリ」

「え?ちょっと待て。なんでそうなるのじゃ?」

「あ?まず印籠を見せるんでしたっけー?」

「まだお風呂に入ってないでござるよ」

「このメンツだとサービスシーンになりませんよー?」


 これは陛下だけじゃなく、我にも展開が理解出来ないよ?


「えーと、もしかしてこのお店も間諜が?」

「いえ?ゴローコーとその一行は行った先々で庶民を皆殺しにするんでござろう?」

「なんでそうなるのじゃ?」

「あー、急いで帰りましょうか。お店の人の視線がコワイ」


 ヨコヤマ帝国と戦争でも起こすつもりなのカナ?分かっててやってるんなら止めないけどね?

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