111話 タンダゴの町
ついに町らしきものが見えてきた。そこはギツアの町よりも栄えているように感じられる。
「おぉ、栄えてるな〜」
町を見ての印象だ。色々なものが売られており、俺達は心を踊らされる。また、管理しているのが自分達だけという事なので、憲兵の兵士などもいなかった。
「治安はどうなってるんだ? そこまで悪いようには感じ欄ないけど……」
見渡す限り平和に見えるタンダゴの町。独立しているのなら、何かしらのルールがあるように感じられるが、そういった事もなさそうだった。多分、ガーディアンシステムがあるからかもしれないのだが、そこまでガーディアンシステムが激しい物とは思えない。誰かリーダー的な奴でも居るのかもしれないな。後でミリーにお願いするか……。
仲間の様子を確認すると、ヌリカとイチトがヘバッているため、俺達は宿屋に入る。
「ジャベリンだけだったらあんまり儲からなかっただろうが、あの変な奴がだいぶ稼がせてくれたよ」
変な奴とは、迷いの森で出てきたボスである。マジでかなり儲けることができてWin-Winである。
宿屋に到着し、俺はイチトとヌリカの三人部屋で、アズロット、シオンとミリーの三人部屋で休むことになった。一応、食堂が付いている宿屋で、それなりに食べられる物が出てきたからこういう割り振りにしたのだ。
部屋に戻り、俺はベッドで横になる。すると、イチトとヌリカは横で剣術の稽古を始める。二人は未だに剣技がついていないのだ。経験が足りな過ぎるのである。しかも、この町の辿り着くまで殆ど俺達が倒しており、二人は完全に足手まといの状態だった。
聞くところによるとイメトレもしているらしい。だが、一歩が前に出ないのだと二人は言う。
「二人はなんで剣士になったの?」
俺は質問をすると、二人は声を併せて言う。
「「カッコ良いからです!!」」
「ハッキリ言うけど、二人共……俺からしたら滅茶苦茶格好悪いぜ?」
え? 嘘? みたいな顔をする二人。どうしてお前らが格好良いのか教えて欲しいし、何故そう感じているのかも教えて欲しい。
「だって、お前たち二人で何匹の魔物を倒したよ?」
迷いの森で時間をかけたため、四日で辿り着くと言われていたタンダゴの町は、六日も掛かってしまったのだ。しかも、二人が満足に魔物も倒せないでいるので、毎回俺達が魔物を倒し、アズロットが二人を説教している状態だった。
二人がこの町にたどり着くまでに倒した数はたったの六匹である。二人で六匹。残りは俺達で片付ける始末。しかも、瀕死の魔物に止めを刺すとかそんな感じの作業。
「ど、どうしたら……」
「お前らが弱いからだろ? ちゃんとアズロットの話の聞いているのかよ? 一人でまともに戦えない奴がモテると思ってるのか? それに、ガルボだって全く持っていないくせに」
それでも俺の話を聞いているようには思えず、仕方無しにミリー達を部屋に呼んで、話を聞いてみることにした。
「コイツ等、剣士になったのはカッコイイからだって言うんだが……」
俺の言葉に怪訝な顔をする三人。
「この二人のどこが格好良いというの? 弱いくせに……」
アズロットが小さい声でボソッと呟く。
「や、やっぱり弱いというのが……問題なのか……」
イチトが言うと、ミリーが首を横に振る。
「強いとか弱いとかもそうだけど……ダサいって言うのかな……頼りないし、人の話すら聞かないからでは? 貴方達……アズロットが折角教えてあげてくれているのにあんまり話を聞いてないでしょ? 二人とも言われた通りのことしてる?」
ミリーにすらバレていることだった。二人は驚いた顔をしているのだが、バレていないと思っていた二人に対して、ミリー達は呆れた顔をしていた。
「ど、どうすれば……」
「無駄でしょ……役にも立たない二人を一緒に連れて行っているタイチさんに感謝しなさいよ‥‥あんた達」
シオンの一言に二人はショックで膝から崩れ落ちるように項垂れる。
「ところで……明日の予定を話したいんだが……三人は時間、大丈夫か?」
項垂れている二人を放って置き話を進める俺。すると、三人は頷き俺の方を向く。あの二人よりは慕われているって言うのが分かるので少しだけホッとする。
「ミリーは町の状態を確認してきてくれるか? 誰が取り仕切っているのか気になるからね。町の治安が良いというのは良い事だが、それは誰かが取り仕切っているからと言う事だからね。アズロットはそこの二人を鍛えてくれる? シオンは俺と土地探しだな」
少しだけ勝ち誇った顔をするシオンに対して不貞腐れた顔をするミリー。アズロットはがっくりして二人を睨みつけるのであった。
翌日になり食事を終わらせた俺達は行動を起こす。ミリーのように隠密行動と忍び足を使いながら道を歩き、レベルを上げるために頑張ってみる事にする。ラーニングだけはスキルポイントで上げるしかないから、仕方ないので我慢してスキルポイントを使わずにレベルを上げる努力するしかない。
「タイチさん、どこへ行けば……家が手に入るのでしょうか?」
確かにシオンが言う様に、俺達は何処で購入すれば良いのか分からない。仕方なく歩いている冒険者に声をかけると、嫌そうな顔して教えてくれる。話しかけたのが俺で、隣にいるシオンはガン無視状態だったからだろう。
「あ? あっちに行けば商業ギルドの連中が色んな物を販売している。だからそこで聞いてみな……」
そうって男は立ち去ってしまうのだった。取り残された俺達。まずは言われた通りの場所へ向かうと、色々な店が立ち並んでいた。もしかしたらここが先ほど言っていた商業ギルドが集まっている場所なのかも知らないと思い、この場所でなら家が購入できるかもと俺達は色々な人に話を聞きながら店を探すのだった。




