102話 相変わらずウサギが唸り声を上げるのね
目を開けると草原に立っていた。周りを見渡すと、何人かの人が倒れている。
俺はそいつらが誰かと確認すると、ミリー、シオン、アズロットの三人であった。
取り敢えず三人を起こし、状況を確認する。
「タイチ様……また一緒に生活ができるというのは嬉しいです!!」
俺への慕い方が半分病気ではないのかと思うミリーだが、俺好みの可愛い女になっており、胸もDぐらいあるのではないだろうか。
シオンも似た感じに可愛くなっているし、アズロットだってそうだ。
だが、目は相変わらずのオッドアイだった。
「取り敢えず……職業を確認しとくか……」
そう言うと、ミリーは右手を大きく挙げて宣言をするように言う。
「私は種別は見た通り犬族です! 職業はアサシンでサブ職に追跡者が付いてます」
忍者だな……そりゃ……。
「えっと、私はヒューマンを選びました。職業は賢者で、サブ職はアーチャーです。今のところ、簡単な火魔法と回復魔法しか使えませんが……」
アーチャーか……新しい職業だけれど、剣も覚えさせないといけないな。
「私は凄いよ! ハーフヒューマン! 天空族と人間のハーフだって! 職業は刀剣銃術師! 武器ならオールマイティーに使いこなせる職業だね。サブ職は巫女。神様らしき人が使いこなせれば凄い事になると言っていたからこれにしたんだけど……」
アズロット、ミリーは前衛タイプ。シオンは後衛タイプか。
「タイチは?」
目をクリクリとして俺に質問をしてくる。俺の職業は……。
「青魔導士だよ。全ての技や魔法をコピーさせてもらう職業だ。多分この職業は俺しか持っていない事になっているって言ってた。だが……まずはその服をどうにかしないといけないな……」
俺達の服装は布の服一枚と、ナイフ一本だけ。
どうやって魔物を倒せというのだろうと考えていた。
ステータスは確かに変わっていた。他の人にはどのように見えるのか分からないが、ミリーはシオンの少し上を見て「私より体力が少ないね……」と、呟いていた。
俺にはいつものようにしか見えないのだが……。
そして胸は大きくなっているように見える三人とも。
前は小ぶりで小さく感じたが、今は美味しそうな果実にしか見えないが、布の服からはみ出そうなのは目の保養……毒になる!
しかし、変わった部分も一つだけある。
信頼度とかそう言った物が無くなっているのだ。
多分必要性が無くなった世界なのだろう。
どのように世界が変わったのか……まずはそこから調べないといけないのだが、あそこで睨んでいるウサギ……ウサギに俺は縁があると思いながら見つめていると、ウサギは唸り声を上げる。
「や、やっぱり唸り声を上げるんだ……」
俺達は顔を引き攣らせて、ウサギとバトルをすることになるのだった。
昔取った杵柄……戦いの経験は残っているので、動物が恐ろしいとかそういったことは無い。
さて、町を探しに街道を歩き始めるとするか……。
やはり一人で歩いているよりも、仲間がいたときの方が楽しい。
前もそうだったが、それは誰だったか思い出すこともできない。
まぁそんな過去は忘れよう。
そんな事を思いながら歩いていると熊型モンスターが現れる。
名前はグリズリーズ。
相手のステータスが見え、体力もどのくらいあるのか分かったりするのはゲームっぽいと感じたが、俺はベレッタを召喚して脳天に撃ち込む。
すると、一瞬でHPがゼロになり、死亡が確認されるのであった。
「こいつの肉で食事を作ることにするか……」
ガルボに変換することはなく、俺達は死骸を袋に詰め込み先に進むと、同じ様な魔物が現れる。再び同じように始末し、今度はドロップアイテムに変わってもらう事にする。
すると、毛皮と、ポーションが一つずつ現れ、死骸は消えるのであった。
これが新しいシステムか……次はガルボにでも変えてみるか。
そんなこと思いながら歩いていると、猪と遭遇する。
猪はやはり凶暴で、近くにウリボーがいるのにもかかわらず、前足を蹴って突撃態勢に入ってくる。
やれやれ……と、いう表情をしているアズロットが前に立ちはだかり、ナイフを構える。そして猪は突撃を開始して攻撃を行ってくる。
アズロットは攻撃を躱そうとして体を動かそうとするのだが、「あれ?」と言って上手く動けなさそうに攻撃をもろに受け吹っ飛ばされる。
シオンが慌ててアズロットの近くに寄って【レティオ】をかける。
だが、猪の動きは止まらず、再び突進を仕掛けてくると、ミリーが横からナイフで首元に一撃を加え、猪のライフを0にさせた。
「何やってるんですか……アズロットさん!」
シオンが再び【レティオ】をかけて体力を回復させると、アズロットは頭を掻きむしりながら、恥ずかしそうに起き上がった。
「いや~なんだか上手く体が動かなくってさ~。前は軽やかに躱せたんだけど……」
「そりゃレベルが低いからですよ! 決まっているじゃないですか……私達は0なんですよ……先ほどタイチ様がグリズリーズを2体ほど倒したからタイチ様はレベルが上がっておりますが、私達は何も倒しておりません! そう言う所は気を付けないと……」
シオンがアズロットに説教してアズロットは苦笑いをする。言っていることはシオンが正しいのだ。アズロットは前と同じ風に体が動くと思い込んでいるから攻撃を受けたのであった。
「面目ない……シオン」
「取り敢えず、三人にも武器は渡しておくか……これが有れば簡単に敵が始末できるからね」
そう言って三人に同じ型をしたベレッタを渡し、三人は銃を構え何発か試し撃ちをしていたのだった。
暫く歩くと町が見える。随分とにぎやかで活気づいた町に見える。
「取り敢えずあそこで休んで、情報を収集するか……」
そう言うと、三人は元気よく返事をするのだった。




