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スペースシエルさんReboot 〜宇宙生物に寄生されましたぁ!〜  作者: 柚亜紫翼


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026 - せいていがおこる -

2026年4月27日

001話〜024話の内容を加筆修正しました。

026 - せいていがおこる -



「ねぇニート、まだ出航できないのかな?」


「宙港の通話をとうちょ・・・いや、調べたがまだベンダル・ワームが逃げ回ってるらしいぜ」


「ニート、今盗聴って言いかけたよね」


僕の名前はシエル・シェルダン、惑星ローゼリア軌道第8号ステーションの宙港が閉鎖されて今日で4日目になる。


ベンダル・ワームに襲撃された時、ドックに停泊していた船は僕も含めて全員が足止めされている状態だ。


僕の船で保護しているリンちゃんもステーション居住区に住む家族と毎日通話して情報交換をしている。


ちなみに閉鎖されているのは宙港だけだ、ステーションの商業区や居住区に被害は無かったらしい。


宙港の管制室に居た誰かが素早く防壁を閉めたおかげでベンダル・ワームは宙港のドックや検疫所、税関などの一部の区画に閉じ込められたようだ。


閉鎖されて2日目には自宅待機になって家に戻ってきたリンちゃんのお父さんから連絡が入り、こちらが恐縮してしまうくらい感謝された。


「騒動が落ち着いたら家においで、ちょっと遅れたけれどシエルちゃんの誕生パーティをしよう」


リンちゃんの両親・・・おじさんやおばさんは僕にとても親切だ、娘の命の恩人という事もあるけど本当の娘みたいに接してくれるのだ。



・・・


・・・


「明後日には出航して4号ステーションに向かわないと積荷の受け取りに間に合わないかも・・・あ、ローゼリア星に降りておじさんと合流しないといけないからもっと早く出なきゃ」


宙港に足止めされている間に指名依頼の期日が迫っている。


このステーションに入る前に僕が指定していた荷受け日は4日後だ、それまでに4号ステーションに入らないと先方に迷惑をかけてしまう。


「非常事態なんだから日程を遅らせるか最悪ベネットのクソ野郎は放置していいだろうよ・・・なぁシエル、しょぼい依頼だしキャンセルしようぜ」


僕の呟きにニートが応える。


「ダメだよ、お得意様なんだから約束はきちんと守らないと!」


「ならこの前から言ってるように俺様が宙港のシステムに介入して・・・」


「それもダメ!、まだベンダルを宙港に入れた犯人が捕まってないのに疑われるような事はしたくないよ」


「チッ・・・仕方ねぇな、それじゃぁ俺様が今すぐ出港できるようにしてやるよ」


「え・・・ちょっと待って!」


「法に触れるような事はしねぇから安心しろ」


ニートがそう言った後、目の前のモニターに外部通信中と表示された・・・すごく嫌な予感がするけど本当に何するの!。




(ピッ・・・宙港管制局に告ぐ!、本船は停泊中のシェルダン号、レベルスカンパニーの積荷を輸送中このステーションで足止めされた、至急出航を許可しろ、さもなくば強行突破する)


スピーカーからニートのとんでもない言葉が聞こえてきた、これじゃまるで脅迫してるみたいだよ。


「ニート!、何を言ってるの!」


レベルスカンパニーの荷物なんて運んでないし!。


「シエルは黙って聞いてろ、悪いようにはしねぇ」


「ザッ・・・こちらは8号ステーション宙港管理局、安全が確認できるまで星団当局より閉鎖を命じられている、出航の許可は出来ない」


(ピッ・・・ふざけんじゃねぇ!、大事な荷物を運んでんだ!、遅れたら巨額の賠償金が発生する、その金をお前達や星団が払ってくれるのかよ?)


「他の船からも散々苦情が来てるが例外は認められない、悪いが諦めてくれ・・・賠償は災害保険が効くだろう?」


(ピッ・・・金は保険でどうにかなるだろうが積荷の依頼主は聖帝陛下だぜ、到着を楽しみに待ってるから遅れたら怒り狂うだろうな!、お前達に責任取れるのか?)


「聖帝陛下だと!、ちょっ・・・ちょっと待ってくれ、俺の一存じゃ無理だから上と代わる・・・プツッ・・・ピッピロリー、ピッピロリロリー・・・ピピピロリー・・・」


向こうの管制局の人が慌て始めた、通話が途切れて緊張感の無いメロディーが流れ始める。


「ニート!、勝手に聖帝陛下の名前を使うのは大罪だよ!」


バレたら最悪不敬罪で死刑になる!。


「出航したいんだろ、黙って俺様に任せとけ!」


「わぁぁん!、捕まっちゃうよー」


「ブツッ・・・停泊中のシェルダン号、私は8号ステーション宙港管理局責任者のピッカール・ハゲトランワだ、聖帝陛下の荷を運んでいると報告を受けたが?」


(ピッ・・・本当だぜ、遅れたら聖帝が凄ぇ怒るから早く出航したい、融通を利かせろ!)


「証拠はあるのか?」


(ピッ・・・信じねぇのか?・・・よーし分かった!、一度通話を切るからちょっと待ってろ!)


「ニート!、どうするの!」


「シエル、心配するな、俺様に任せとけ」


・・・


(ピピッ!・・・キンキュウツウワ、チョクツウ、テイト、コウテイキョジュウエリア、ヨビダシチュウ・・・)


「うわびっくりしたぁ!」


スピーカーから渋い男性の声で聞いた事のないような音声メッセージが流れたよ!。


(ヨビダシチュウ・・・)


(ヨビダシチュウ・・・)


「遅ぇな、俺様を待たせやがって生意気な奴だ!」


「ブツッ・・・はい・・・こんな夜中に何の用?」


(寝起きかアーシア!、俺様だ!)


「・・・俺様?・・・え?、誰?」


(俺様を忘れやがったのかよアーシア!」


「ふぇ・・・まさかジュノー?」


(そうだぜ、ジュノー様だ!)


「今まで連絡もしないで何してたの!、父様達は・・・」


(無駄話は後だ、いいから黙って俺様の話を聞きやがれ!、今から送る番号に連絡してこう言え!、「余の大切な荷物を止める愚か者よ、早急に届けさせよさもなくば命は無いぞ」・・・城に緊急回線あるだろ、そいつで今すぐにやれ!)


「何で余がそんな事を?、それに荷物って何?」


(アーシアのくせに余計な事を考えるんじゃねぇ!、俺様の言う通りにしろ!、大至急だ分かったな!)


「え・・・ちょ・・・」


(ブツッ!・・・ツウワヲシュウリョウ・・・)


「ニート・・・今の誰?」


「アホのアーシアだ」


「アホの・・・何?」


「・・・お前の姉貴だ(ぼそっ)」


「え?・・・ニート、よく聞こえなかった」


「気にすんな俺様の古い知り合いだ、「上」に話して出航できるよう頼んでやったんだから感謝しやがれ!」


・・・


・・・


(ピッ・・・緊急通信、ステーション管理局長室)


「大変失礼しましたぁ!、星団管理局に話を通しましたので特別に出航許可を出させて頂きますっ!」


(おぅ、話の分かる奴は嫌いじゃねぇぜ、じゃぁ出航するからよろしくな!)


「はいっ!」


(ブツッ・・・)


「シエル喜べ、今から出航して良いらしいぜ!」


「・・・」


僕はこれ以上考えるのをやめた。










あれから担当官が一通り船体をスキャンして出航許可が出た、僕は船をステーションの外に出し惑星周回軌道に入る。


「そういえばローゼリア星の大気圏内に入るのは許可がいるよね」


この前はおじさんの転移魔法陣?で拠点に移動したけど今回はステーションから直接地上に降りる必要がある。


「ローゼリアの地上管理局に申請と飛行計画を提出する決まりだが事前に俺様が全部やっておいたぜ、操縦も任せておけ」


「わぁ、ニートすごい、ありがとう!」


さすがは人工知能を使った操舵サポートシステムだ、手際がいい。


(ピッ・・・エテルナ星系、第2惑星ローゼリア行き転送ゲートに到着しました)


ステーションを出て少し経つと目の前に大気圏内への転送ゲートが見えてきた、これを利用して地上に向かう事になる。


僕は昔、観光船で両親と一緒にローゼリアの地上に降りた事がある、でも自分の宇宙船で入るのは初めてだ。


「ゲートの無かった大昔は直接突入してたんだよね」


「そうだな、だが何10回もやってたら船体表面の塗装が痛むし今時やる奴なんて居ねぇだろ」


ニートと話をしながら僕は転送ゲートを通り抜けた。





・・・


・・・


「おいシエル、リンの奴が目を覚ましたようだぜ、通路でうろついてる」


「あ、忘れてた・・・ゲートを通過する時に揺れたから驚かせちゃったかも?」


宙港からは出航できたものの、まだ居住区には入れないからリンちゃんもお仕事に同行してもらう事にしたのだ。


ちなみに昨晩は遅くまで僕とえっちな事をしていたから朝になってもぐっすり眠っていて、本人にはまだ言ってない。


(ピッ・・・管制室、扉を開きます)


ぷしゅー・・・


僕が管制室の扉を開けて通路に出ると歩いていたリンちゃんと目が合った。


「エルちゃん、船が動いてるよ!」


「出航許可が出たの、でもまだ宙港は閉鎖されてて居住区には入れなかったからリンちゃんと一緒にお仕事に行こうかなって・・・」


「え・・・」


「これからローゼリア星の地上でベネットおじさんを拾ってから積荷を受け取りに4号ステーションへ行く予定、行きたくないならリンちゃんは地上の拠点でお留守番になるけど」


「地上の拠点って?」


そういえばリンちゃんには言ってなかったかも?。


「ベネットおじさんの持ってる拠点の一部屋を貸してもらえる事になったから・・・一応地上にある僕のお家?」


「その人って確かエルちゃんが助けた怪しいおじさんだよね、地上にお家持ってるの?、もしかして大富豪か貴族?」


リンちゃんが目を輝かせて迫る・・・居住可能な惑星に自分のお家を持つなんて貴族じゃないと無理だ。


「貴族かどうかは分からないなぁ、この前話したレベルスカンパニーの社長さんの弟だよ・・・助けた時はそんなの全然知らなかったんだけど・・・」


「えぇ・・・何その偶然、怖い」


本当に恐ろしい偶然だ、船を修理してくれた人はお父さんの友達で、辺境の星系で死にかけてるところを助けたおじさんはその弟・・・。


「こんなところで立ち話もアレだから管制室に入ろうか、仮眠用のソファがあるからそこで今後の事を話そう」


「うん・・・」


・・・


・・・


結局、リンちゃんは僕のお仕事に同行する事となった、一昨日、8号ステーション宙港の検疫課に退職する事を伝えたばかりだから今は失業中で時間はいくらでもある。


僕がお仕事をしている間は船内の端末を使って転職先を探すそうだ。


「シエル、もうすぐ拠点に到着するぜ」


ソファから立ち上がり、モニターに外の景色を映し出すと眼下に緑の森と青く輝く湖が見えた。


「わぁ・・・凄い」


僕の隣でリンちゃんもモニターの雄大な景色に見惚れている、こんなに喜んでくれるなら一緒に来て正解だったかもしれない。


さらに降下して地上に見えるドーム状の半透明な幕?の間に船が一隻通れるくらいの穴が開く。


「ニート、あの半透明なやつは何?」


「あれは人や野生動物が入ってこないようにしてる結界だ、ベネットの野郎が俺様にも操作権限くれたから自由に出入りできるぜ」


「そうなんだ・・・」


「まぁ、今みたいに外から入る事はそんなに無ぇだろう、どこかの拠点から直接中に転移したほうが早いしな」







「・・・というわけで、今回のお仕事に同行する事になった友達のリンちゃんだよ」


「お・・・おぅ、俺の名前はベネット・ライアスだ、よろしくな(ニコッ)」


ドック降り立つとベネットおじさんが何故か僕とリンちゃんを微妙な表情で出迎えてくれた、何か言いたそうだし僕達を生暖かい目で見ている・・・。


「おじさんどうしたの?、僕達に何かおかしなところある?」


「いや、なんでもねぇ気にするな」


何で目を逸らすの!。

読んでいただきありがとうございます!。


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