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4. ルール説明

息を飲んで何が起こってもいいように身構える四人。


部屋がシーンと静まり返る。

コクッコクッと時計の秒針の音だけが聞こえている。



--0:00--


時計の秒針が文字盤の12の数字に差し掛かった瞬間。



ビーーーー



映画の上映が始まる時に流れるブザーのような音が静寂に包まれた部屋に響き渡る。


その発信源は四人の手元にあるナビゲーションシステムからだった。



ブザー音が鳴り止んだと思うと今度はズンチャ、ズンチャ♪と陽気な音楽が流れ出す。


不釣り合いな音楽に四人は顔を顰める。


しばらくすると、人間の声と機械音が合わさったような甲高い声がナビゲーションシステムから聞こえてくる。



『日本国民の皆さん。ごきげんよう♪僕は皆さんに【ジェノサイドゲーム】の概要を説明するジェノサイドゲーム公式マスコットキャラクターの【じぇのサイ】だよ!よろしくね♪』


そういうと画面の中のじぇのサイと名乗る動物のサイをモチーフにしたマスコットキャラクターがウインクをする。


これから殺し合いが始まるという現実とお調子者のような態度で話すマスコットキャラクターの不釣り合いな雰囲気に虫唾が走る。



『それでは早速、【ジェノサイドゲーム】について説明していくね♪【ジェノサイドゲーム】は日本の人口が1万人になるまで続く殺し合いのゲームです♪内容は至って簡単!これから配られる武器やアイテムを使って、皆さんの周りの人を殺し、生き残ればゲームクリア!!ねっ!簡単でしょ♪』


『そして、皆さんがこの【ジェノサイドゲーム】を快適に遊ぶ為に用意されたのが〜、このナビゲーションシステムでぇーす!イェーイ!パチパチ!』


自分で自分を盛り上げるじぇのサイ。



『まず、このナビゲーション…長いからナビって呼ぶね♪まず、このナビには充電が必要ありません!最先端の技術が施されており、充電せずとも百年以上稼働します!すごいでしょ!?』


『そして、このナビには様々な機能が存在します!例えば、友達や家族と連絡を取り合う電話機能やチャット機能はもちろん!近くの人とチームを組めるパーティ機能!その他にもいろいろな機能が搭載されています♪そして、その中でも最も重要なのがショップ機能です♪』


『ショップ機能とは簡単に言えば、買い物ができる機能なのです♪ショップの中には食料はもちろん、武器や防具に加えて〜便利なアイテムや何が出るか分からない、ドキドキワクワクするガチャなど殺し合いには欠かせないアイテムが買えちゃいます♪』


『そしてそして、驚くのはまだ早いですよ〜♪なんと!ショップで購入したものは一瞬で手元に届いちゃうんです!!このナビに搭載された最新鋭のシステムによって購入した物はこのように〜ポンっとワンタッチで具現化!すぐに使えちゃうんです!!』


そう言って画面に映るのじぇのサイがナビを操作したかと思うと、何も無い空間から突然大きな斧が出現した。



「「「「えっ!」」」」


四人同時に驚愕の声が漏れる。

それもその筈。確かに今見た映像は天下のAmaz◯nもビックリ!オーバーテクノロジーも甚だしい信じ難い光景だったのだ。



『ねぇ!ねぇ!驚いたぁ〜??驚いたでしょ!!』


画面上のじぇのサイがウザ絡みしてくる。



『ただーしっ!!こんなに便利なショップ機能ですが〜、買い物するには必要な物がありますよね?タダでなんでも手に入ると思ったら大間違いっ!!何かを買うときには〜、そう!お金が必要ですよねっ♪ショップ機能を使う為には〜ズバリ!キルポイントが必要です!』


キルポイントという言葉に嫌な予感がして額に汗が伝うのを感じた。



『キルポイントとは〜、その名の通りっ!人を殺すことで手に入るポイントです♪』


嫌な予感が見事に当たり、胸糞が悪くなる。



『働かざる者食うべからず!そうっ!殺さざる者食うべからずです♪』


そういうと、説明を続けるじぇのサイ。



『キルポイントの獲得方法は簡単っ!一人殺すと1キルポイントがもらえま〜す♪そして、殺された人がキルポイントを保持していた場合。なんと!そのポイントも得ることができます!ラッキー♪つまり〜、いっぱいポイント持っている人を殺した方がお得ですよ〜というわけです♪』


『でもさ〜、お得なのはわかったけど、誰がポイントを一杯持ってるかなんて見分けられないよ〜ドラ◯もーん!っていう方に朗報です♪確実ではありませんが、確率が高くなる方法があります!それはランキング機能を利用することです♪』


『ランキング機能とはこれまでの獲得キルポイントを計算し、1位から10000位までの顔と名前が発表される機能のことです♪このランキングは毎日深夜0時に更新されるので最新の順位がいつでも分かります!』


『そして、ランカーの人達はポイントを使ってしまっている可能性ももちろんありますが、ランキングに入っていない人達に比べてポイントを多く持っている可能性が高いのです!つまり、ランカーの人を殺せばキルポイントがザックザク手に入る可能性があるので〜す♪わーい!ヤッター♪』


じぇのサイの話す内容と陽気な雰囲気に次第にイライラしてくる四人。

それでも四人はこの説明が今後、生き残るためには必須の情報であることを理解しているため、聞き逃さないように努める。



『でもさ〜、ド◯えもーん!ランキングに入っちゃうと危険がいっぱいになっちゃうってことだよね…。それなら、ランキングに入らないようにひっそり隠れてた方がいいんじゃないのかなぁ〜?』


『安心したまえ!の◯太くん。グフフ♪』


じぇのサイが某国民的キャラクターの真似をしながら続ける。


『そんな危険があるランカーには特別に!月末に更新されるランキングの順位に応じて豪華なプレゼントが贈呈されるので〜す!!すごーい!』


『ランキングの上位者にはガチャでも手に入らないような特別なプレゼントも用意されているので、皆さんぜひ、いっぱい殺してランカーを目指してね♪目指せ!殺戮マスター!』


『そうそう、忘れるところだった!この動画が終了すると同時に皆さんのナビにブロンズガチャの無料チケットが1枚配布されるよ〜♪ショップ機能のガチャから使用できるので忘れずに引いて殺し合いを有利にしよう♪』


『説明は以上になります♪分からないことはナビのヘルプ機能で調べることも出来るので自力で調べてね♪それじゃあ【ジェノサイドゲーム】楽しんでね〜♪バイバーイ♪』


じぇのサイのルール説明が終わると四人とも推し黙ったまま、再び部屋は静寂に包まれる。

皆、頭の中を整理するので一杯一杯だったのだ。




ピコンッーー


ナビから電子音が流れた。

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