1. 日常が崩れた日
--AM6:30--
ジリリリリーー
スマホからアラーム音が響き渡る。
「もうこんな時間か…」
蒼 優人は平凡な社会人であった。
大学を卒業後無難に就職し、中小企業に勤めるよくいるサラリーマン。
大学という人生の夏休みを終え、毎日上司に怒られては凹み、また怒られるという日々に飽き飽きしていた。
「はあ…つまんねぇ人生」
眠い目を擦りながら、テレビのリモコンに手を伸ばす。
優人はいつものように何気なくテレビをつけ、ぼーっとした頭で朝の情報番組を見ていた。
---【緊急速報】---
突然、テレビに緊急速報の文字が流れたかと思うと優人のスマホからはけたたましいアラート音が流れる。
「何だっ!?地震か?」
うるさいアラート音に顔を顰めながらスマホを操作する。
朝っぱらから勘弁してくれと思いながらテレビに目を移すと美人なアナウンサーが真剣な表情でニュースを読み上げていた。
「緊急速報です。内閣府から日本国民の皆様に大事なお知らせがあります。中継が繋がっております」
画面が切り替わると中継先には記者会見などに使われる長机とマイクの前に座る政府関係者と内閣総理大臣の姿が映し出される。
「只今テレビ・ラジオ・ネット配信等あらゆるメディアにこの放送が流れております。日本国民の皆様は朝のお忙しい時間帯とは思いますが、重要なお知らせになりますのでお聞き逃しのないよう、お手を止めてお聞きください」
政府関係者と思われる人物から注意喚起が何度もされたかと思うと、カメラに内閣総理大臣がアップで映し出される。
「えー、先ほどお話しした通り、日本国民の皆様に大事なお知らせがあります」
深刻な表情で話始める総理大臣。
「近年の食糧問題、エネルギー不足、環境破壊の進行に先立ちまして、国際連合安全保障理事会では人口制限協定が採択されました」
「それに伴いまして我が国日本では、現在の人口約1億2000万人のうち1万人のみを生かし、その他を排除することが決定いたしましたので、ここに発表させていただきます」
テレビを見ていた優人は荒唐無稽な言葉が理解できず、何言ってんだ?このおっさんという感想を抱く。
「それでは、後の説明は担当者よりさせていただきます」
そう言い終わるとそそくさとその場を立ち去る総理大臣。
現場に詰めかけた報道陣も話が理解出来ずにポカンとした表情を浮かべる。
総理大臣が足早にその場を後にした事でことの重大さに気付き、一人また一人と騒がしくなり出した。
「おい!どういうことだ!?」
「説明しろー!!」
混乱した報道陣から罵声のような声が響き渡る。
テレビの中からの叫び声で現実に引き戻された優人はあまりの出来事にまだ頭が付いていかない。
「皆様、お静かにお願いします。これより詳細を発表させていただきますので、お静かに!」
「それではよろしくお願いします」
司会者と思われる政府関係者から真っ黒のスーツを着た背の高い男性へ視線が向けられる。
黒服の男は立ち上がり、日本国民の視線を一身に受けて話し始める。
「日本国民の皆様にはこれから殺し合いをしていただきます」




