73.天使と悪魔
今回は年越さなかったんで...更新遅くてすみません。。。
「貴様ァ!!!!」
復活__その言葉に激しい怒りを魅せるミカエル。人形のような冷たい顔を鬼のように歪ませ、白金の雨を降らせるが、衝撃波を纏うアガレスにとっては無意味に等しかった。
「そう喚くな。つい殺しそうになる」
「ッ......」
「そう言えば…………今宵は満月、天界と地上の境界線が曖昧になる日だったな」
「……それがどうした」
「いや何、俺が神として名乗りを上げるに相応しい日だと__」
「思わないか?」、そうアガレスの語りが続く事は無かった__白金の大剣が首をぶつ切りにしようと迫っていたからだ。
ミカエルにとって"神"とは絶対唯一の主を指し示す尊い御言葉。「屑の自称に使われる」など、そんな耐え難い屈辱を到底許す事は出来なかったのだ。
しかし、そんな白金の大剣ではアガレスを殺す事は不可能である。
ミカエルを嘲笑うかの如く、黒く染まった肉体が白金の刃をそのまま受け止めるアガレス。鷹鰐の紋章は魔具。血はおろか、掠り傷一つすら満足に付ける事は出来なかった。
「下賤の屑が……我が主を侮辱する事は万死に値するッ!!!!」
「おいおい、最近の人形は随分と感情が豊かだなァ!! それともなんだ。今日神が復活するから機嫌が良いのかァ?」
「ッ!! 何故、それを」
酷く狼狽えるミカエル。その姿を見たアガレスは____笑った。
「やはり、居るのだなァ......《神子》がッ!!」
~~~
「アレはいったい......何があったんだ」
一瞬だけだが確かに見えた、天まで続く黒い嵐。その場処では御井と憂が戦っているはず、とても偶然とは思えない。そして、この場には全てを知る杉江が居た。
「始まったのね」
「アレが何か、知っているんですか」
「......アレは瀬流君。いえ、瀬流 憂だったモノ。契約悪魔であるアガレスに精神を乗っ取られ暴走した姿」
淡々と語られる言葉の意味を柚子はすぐさま理解した。
悪魔に精神を乗っ取られる、それ即ち"精神の死"。人間が上位存在である悪魔の支配に勝てるはずがない。例えアガレスを倒せたとしても"瀬流 憂"という人間はもう元には戻らない。
事実上、瀬流 憂は死亡したのである。
「そんな、じゃあ......俺はまた憂を」
救えなかった。
その事実は柚子の胸に大きな穴を開けると同時に、大きな隙をも生み出した。
『柚子!! 後ろだ!!』
アンドロマリウスが警告した時には、もう既に手遅れだった。KILLERの大鎌が柚子の背後へと迫っている。どう足掻いても回避する事は出来ず、確実に致命傷になる一撃だ。
「ッ!! しまッ」
「ストップです、プリン君」
「!! edwjdcap!?!?!?」
だが、大鎌が柚子を貫く事は無かった。突如として降り注いだ10を超える脊髄の槍がKILLERを貫き、身体を拘束したのである。
無論すぐさま逃れようとするKILLERだったが、横突起が返しの役割を果たし、そう簡単にはいかない。
「これは……」
「うひゃーこれがKILLER。いや怖すぎでしょ」
「須藤さん!!」
目の前の出来事に困惑していると、そこへ能天気な感想を言う須藤がやって来た。その気軽さに柚子は思わず口角を上げる。
「べ、別に戦いから逃げて来たとかじゃないわよ!? ホントよホント!!」
「いや疑っていませんから......それで、どうしてここに?」
「それがね、実はて」
「天使が現れたんですよ、黒い憂様に向かって」
「!? 冬木......さん?」
須藤に次いで現れたのは血染めのワンピースを着こなす冬木。柚子は冬木がこの場に居る事実に些か戸惑ったが、すぐに状況を察した。
「その姿......まさか貴方も」
「えぇ、私も魔眼使いよ。全く、あの空気の読めない天使のせいで広場がメチャクチャ。お姉さんとの殺し合いが台無しよ、もう」
「...(セリフ取られた)、それでしょうがないから一時休戦してこっちに避難しに来たわけ」
「oiacai!!!!!!」
陰陽師と魔眼使い。先程まで殺し合っていた両者が、皮肉にもその原因である悪魔のお陰でこうして再集結する事が出来た。その事実に柚子は思わず苦笑いをする。
しかし、事態は一向に進展していない。むしろ暴走した悪魔に加え天使の参戦、悪化すらしているとも言えよう。
「どちらにしろ、生き残った方が......僕らの敵だ」
柚子は、ただ結果を待つ事しか出来ない自分を酷く無力に感じた。
次回!! 天使VS悪魔の頂上決戦!!




