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46.七大天使

戦闘シーンは書いてて楽しいけど時間がかかる。

「排除って、おいおい何の冗談だよ!!」

『ははは!!!! まさか、本当に潜んでいるとはなァ!!!!』


 突然の現れた上位者の「排除宣言」に焦りを隠せない憂。対して、アガレスは何故かそんなミカエルを見て興奮していた。

 場違いな陽気さに苛立ちつつも、憂は自分の疑問をぶつけた。


「おい、あの女知り合いなのか!?」

『あぁ知っているとも。あれは神が地上に下ろした七大天使の一人、"悪魔殺しの兵器人形"だ』

「はぁぁ!? 天使に兵器って、どう考えてもヤバいんじゃ」

『お前如き余裕で死ぬな』

「くッ!! 黒り__」

「消えろ」


 魔具を取り出す暇も与えず、ミカエルは背後に展開している無数の刃を一斉に射出する。地上に降り注ぐ無数の刃は"ドゴゴゴゴゴゴゴォォォッ!!!!"と凄まじい轟音を立て、その場にあるもの全てを破壊していく。周囲の建物は粉々に砕け散り、やがて刃の雨は辺り一面を更地に変えてしまうのだった。


 そんな絶望的環境下の中、憂はというと__


「はぁ…………死ぬかと思った」


 刃の雨を防げずに瓦礫の海に飲まれて死んでしまったかに思えたが、何と生き延びていた。

 憂の()()()()()()()()()()()()()()お陰である。


 【黒鱗】、その力は「黒い衝撃波を身に纏う」。

 発動すると憂の周りが歪み始め、黒く淀んだ膜に覆われる魔具である。


 刃の雨が降り注いだ瞬間全身を衝撃波の鎧で包み込み、全ての刃を逸らす事によって生き延びたのだ。


「ほう。これを防ぐとは、そこそこは出来るようですね」

「だろ? だから帰ってくれないか。俺は戦いたくないんだ」

「……ふむ」


 何か思いついたのか、ミカエルは左手をかざし地面に突き刺さった無数の刃を消してしまった。

 「まさか自分の言葉が届いたのか?」と少しホッとする憂であったが、そんな上手い話ある訳が無かった。

 何故ならミカエルが白金の大剣を構えながらこちらに向かってきたのだから。


「おいおいおい!!」

 

 「遠距離攻撃は効かない」と判断したミカエルは大剣による近距離攻撃を選んだ。

 実際、その考察は正解である。黒鱗の力は飛び道具に対しては無類の強さを誇るものの、流石に直接叩き込まれたら耐え切るのは至難の業だ。


 高点からの攻撃はさながら人型の砲弾。唯の人間である憂に避ける事は出来るはずもなく、砲弾が直撃する。


 たった一回見ただけで効果を見破るのは「流石天使」としか言いようが無いだろう。

 だが、()()()()()()だって負けてはいなかった。


「.....おや」

「くぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」


 憂はミカエルの大剣を"左手の甲"で受け止めていた。


 これが杉江との練習で見つけた「憂の近接戦闘」。

 魔具は絶対に壊れない____【黒鱗】を付ている今、憂の左手は"絶対無敵の盾"となっていたのだ。



 しかし、それでも人間()天使(ミカエル)の間には大きな差があり過ぎた。



「ふん」

「ぐはぁぁ!!!!」


 天使の力に唯の人間が適うはずも無く、ミカエルが右足で蹴りを入れると憂は呆気なく吹き飛んでしまった。

 憂の体がボールのように何度も跳ね、瓦礫の山に突っ込む。衝撃波の鎧のお陰でダメージは最小限に抑えられていたが、体中が痺れ、至る所から血を流していた。


 憂は肩で息をし、ミカエルを睨み付ける。


「このままじゃ、死ぬ……ッ!!」


 状況は絶望的だ。 




~~~~~




 同時刻。陰陽寮は混乱状態に陥っていた。

 鴉目から「本栖区にて無数の刃を展開し、空を飛ぶ魔眼使いが暴走している」との報告が入ったからだ。


 御井はスクリーンに映ったミカエルを神妙な顔つきで眺めている。


「隊長、お待たせしました」

「柚子君、私帰りたいのだけど。ねぇ、聞いてる?」


 するとそこへ柚子といやいや連れてかれた須藤が現れた。因みに須藤は幼女姿ではなく、いつもの不審者姿(キメラフォーム)だ。

 柚子は須藤の戯言を無視してスクリーンを見ていると、ある疑問が思い浮かぶ。


「見たことの無い魔眼使いですね」

「あれは魔眼使いではない」

「え、じゃあ」

「……この情報は上層部しか知らないが、今は緊急時だ。須藤も聞いておけ」

「何で皆私を面倒事に巻き込む訳ぇ!? いやぁぁぁ!!!!」


 一人絶叫しているが、御井は構わず話し始めた。


「廷出、陰陽師の原型は何だか知っているよな?」

「はい、悪魔祓いですよね。それが何か......」

「では、西洋の連中に()()()()()()()()()()()()は知っているか?」

「それは……知りません」


 副隊長として長らく務めてきた柚子だったが、悪魔祓いのルーツについては知らなかった。


「悪魔祓いの力は奴らが信仰する"神"、正確には神に仕える天使から授けられたと伝えられている」


 陰陽寮に隠され続けた真実に驚く柚子、そして同時にミカエルの正体について感づいてしまった。


「神に、天使……まさかッ!!」

「あれは間違いなく天使.....それも二千年前、行方を眩ませた四人の誰かに間違いない」

「…………」


 余りにも大きすぎる存在に思わず息を吞む柚子。流石の須藤も騒ぐのを止め、静かに話の行く末を聞いていた。


「天使の力は強大、唯の魔眼使いでは決して敵わない」

「では、いったいどうすれば……」

「俺はこれから本部に行って協力を要請する。だから、俺が来るまで____」


 御井は決意し、第四陰陽寮隊長として柚子に最重要任務を告げる。


「廷出副隊長、あの天使を食い止めろ」




実質天使についての説明回。

ちなみにミカエルさんは故あって輪っかは付いてません。


あ、「天使」タグは付けました(∂ω∂)


モチベアップの感想評価ブクマお待ちしてます!!

Twitter→@iu_331

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