プロローグ
深夜の街。どこの店もとっくに店じまいをし、誰もいない暗い夜の街。そこに暗い街には不似合いな二人の少女が立っていた。
一人は白いセーラー服に翠色の鱗のようなものがまとわりついている水色のツインテールの十代前半の少女。
そしてもう片方はその整った顔に似合わない武骨な革のコートを身に纏った一見すると男性に見えてしまうような赤の短髪の十代後半の少女。
ただでさえこんな時間に人がいること自体がおかしいのに更に格好も奇妙とは。いや、奇妙な格好だからこそこの時間帯を選んだのか。それともこれから起きることが平時ではおおよそできないことだからなのか。
二人は一切言葉を交わさずに向かい合う。
睨みあったまま決して動こうとしない。
沈黙は続く。
不意にセーラー服の少女が腕を下にだらりと下げる。瞬間、少女の腕からはノコギリ状の刃物が生えてくる。赤髪の少女がそれに気が付いた時には既に刃物は少女の首筋に押し当てられていた。
「貰った・・・・!」
セーラー服の少女はニヤリと笑うと刃物を一気に振り抜いた。後には首を裂かれた無惨な死体が転がっている筈だ。勝利を確信した表情で死体を確認しようとすると、
そこには死体は無かった。
それどころか、赤髪の少女の姿すら見当たらない。
「(一体何処に・・・・?)」
辺りを見回しても酔っぱらいしかいない。酔っぱらい?
セーラー服の少女がさっきまではいなかったはずの酔っぱらいに向き直ると酔っぱらいはニヤリと笑い、そのにやけ顔がだんだんとぼやけていき、赤髪の少女に変わった。
「・・・・貴様!!」
「中々いいスピードじゃあないか、ちょっとビックリしちゃったよ。」
唖然としているセーラー少女にこうカラカラと笑いかける。
セーラー服の少女が驚いているのは酔っぱらいに化けたことに対してではない、自身が攻撃を仕掛けたのに対してとっさにそれを回避し、更に自分をおちょくる為だけに隠し玉であろう変身能力をひけらかした赤髪の少女のポテンシャルの高さに対してだ。
「あんた・・・何者なの・・・?」
「ん?僕は牡牛座、君は能力を見る限り魚座ってところかな?」
赤髪の少女は笑顔のままこう言うと、続けざまにこう言った。
「さあ、ここからが本番だ。僕たち星宮少女は一人しか生き残れない、だから・・・」
「最後の一人になるまで・・・闘い続ける・・・!」
夜はまだ続き、少女達の闘いも続く・・・




