キャラクター紹介
キャラクター紹介
【霧島縁之丞】
本作の主人公。
私立聖フェリス学園高等部に通う男子高校生。
かつて武士として名を馳せた霧島家の分家に生まれ、中学までは剣道部に所属していた。
高校では帰宅部だが、その実力を買われ、大会前には剣道部の助っ人を頼まれている。
真っ直ぐで責任感が強い一方、恋愛には疎い。
幼馴染の鬼灯本子とは、生まれた頃から家族ぐるみで育ってきた。
毎日一緒に登下校し、休日には二人で遊び、互いの家へ泊まることもある。
本子が隣にいることをあまりにも普通だと思っていたため、自分の気持ちになかなか気づけなかった。
高校進学後、両親から本子と許嫁だったことを知らされ、彼女と恋人ごっこを始める。
許嫁の解消と天音弓香との縁談を経て、本子は単なる幼馴染ではなく、これからも隣にいてほしい女性なのだと自覚する。
【鬼灯本子】
本作のヒロイン。
縁之丞と同じく、私立聖フェリス学園高等部に通う女子高校生。
古くから霧島家を支えてきた忍びの一族・鬼灯家の分家に生まれた。
足音や気配を消して相手の背後へ回ることが得意。
縁之丞の目を後ろから覆い、
「だーれだ」
と驚かせるのがお決まりとなっている。
縁之丞とは、生まれた頃から一緒に育った幼馴染。
手を繋ぐことも、抱きつくことも、同じ部屋で眠ることも、二人にとっては普通だった。
明るく自然体で、縁之丞の前では遠慮がない。
一方で、自分の本当の気持ちを言葉にすることは苦手。
市之瀬匠との縁談を通じて、どれほど素敵な男性と過ごしていても、自然に思い浮かべてしまう相手は縁之丞なのだと気づく。
恋人に求めていたものは、刺激や憧れではなく、何も飾らずにいられる普通の日常だった。
【霧島清之丞】
縁之丞の父。
霧島家の人間らしく、常に姿勢を正している落ち着いた男性。
口数は多くないが、物事の本質を冷静に見極める。
縁之丞と本子を幼い頃から見守り、二人が互いを大切に思っていることにも早くから気づいていた。
許嫁の話が白紙になった後も、息子へ特定の相手を押しつけることはせず、自分の意思で選ぶよう促す。
一見すると堅物だが、実際には冗談やからかいが好き。
縁之丞と本子が正式に交際を始めてからは、真面目な顔で際どい冗談を口にし、息子を怒らせて楽しんでいる。
本子のことは、縁之丞にはもったいないほど立派な女性だと高く評価している。
【霧島楓】
縁之丞の母。
穏やかで優しく、家族を温かく見守る女性。
人の表情や声の変化に敏感で、縁之丞が本子の話をする時だけ声が柔らかくなることにも気づいていた。
縁之丞と本子の関係を急かすことはせず、二人が自分たちの気持ちを理解するまで静かに待ち続けた。
鬼灯彩葉とは親しい友人で、両家の子どもたちについて頻繁に情報を共有している。
清之丞と並んで二人をからかい、赤面させることもしばしば。
二人が将来結婚を望んだ時には、親が決めるのではなく、自分たちの意思で決め、自分たちの口から伝えてほしいと願っている。
【鬼灯隼人】
本子の父。
鬼灯家の一員であり、落ち着いた雰囲気を持つ男性。
縁之丞のことは幼い頃から知っており、その真っ直ぐな性格と責任感を信頼している。
かつては霧島家との話し合いにより、縁之丞と本子を許嫁としていた。
しかし、娘が親の決めた未来ではなく、自分の意思で相手を選ぶことを受け入れる。
本子が縁之丞との交際を報告した際にも、最後には娘の決断を尊重した。
ただし、娘を持つ父親としては非常に心配性。
交際が始まった直後から結婚や家を出ていく日のことまで考え、彩葉と本子から気が早いと呆れられている。
縁之丞を信頼してはいるものの、父親として簡単に娘を任せたくはないという複雑な思いを抱えている。
【鬼灯彩葉】
本子の母。
明るく穏やかで、娘の気持ちを誰よりもよく理解している女性。
本子が市之瀬匠との縁談を断った理由も、娘の表情からすぐに察した。
本子へ結婚を強いることはなく、最終的には自分で相手を選ぶよう見守っている。
本子が縁之丞との交際を報告した際には、娘が自分の意思で大切な相手を選べたことを心から喜んだ。
霧島楓とは親しく、二人の子どもたちについて頻繁に連絡を取り合っている。
隼人の心配性を優しく受け流しながら、本子と縁之丞の関係を温かく応援している。
【天音弓香】
二十歳。
古くから白耀家を護ってきた武家・天音家の長女。
艶やかな濡烏の黒髪と整った容姿を持つ、深紅の薔薇のように美しい女性。
礼儀正しく、立ち居振る舞いにも一切の乱れがない。
同時に、幼い頃から武術の鍛錬を続けてきた優れた武人でもある。
最も得意とするのは弓道。
そのほかにも、合気道、柔術、剣術などを修めている。
これまでの縁談相手は、弓香の容姿や家柄ばかりを褒め、武人としての彼女を理解しようとはしなかった。
中には許可なく身体へ触れようとし、弓香に腕を折られた男性もいる。
その経験から、自分の強さは男性から恐れられるものだと思っていた。
しかし縁之丞だけは、弓香の歩き方や立ち姿から武道をしていることを見抜き、その強さを否定しなかった。
弓香は次第に縁之丞へ惹かれていくが、彼の心の中には常に本子がいることを見抜く。
縁之丞への想いを正直に告げながらも、中途半端な気持ちで自分を選ばれることを拒み、自ら身を引いた。
誇り高く、強く、誰よりも恋に不器用な女性。
【天音武流】
弓香の父。
古くから白耀家に仕えてきた武家・天音家を率いる男性。
顔合わせの場では黒の紋付羽織袴を身につけるなど、古くからの伝統を重んじている。
外見や振る舞いは落ち着いており、清之丞とも穏やかに言葉を交わす。
弓香が天音家の長女として厳しい鍛錬を重ねてきたことを知り、その能力を高く評価している。
娘の結婚についても真剣に考えており、家柄だけではなく、弓香の強さを受け入れられる相手を求めていた。
縁之丞との顔合わせでも、最初から結論を押しつけることはせず、若い二人だけで話す時間を設ける。
家の伝統を守りながらも、娘自身の意思と幸せを願う父親。
【天音戈美】
弓香の母。
落ち着いた色合いの着物を上品に着こなす、物静かな女性。
礼儀と品格を備えている一方、その眼差しには、武家の女性らしい厳しさが宿っている。
顔合わせの場では多くを語らず、縁之丞と霧島家の人々を静かに見守っていた。
令嬢としての美しさだけでなく、武人として厳しい道を歩んできた娘のことも理解している。
弓香が無理に弱い女性を演じるのではなく、その強さも含めて受け入れてくれる相手と出会うことを願っている。
弓香が傷ついた時にも、娘の帰る場所であり続ける母親。
【市之瀬匠】
二十六歳。
大学病院の外科に勤務する専攻医。
アルカディア製薬の重役を父に持つ、市之瀬家の青年。
整った容姿と穏やかな物腰を持ち、相手の話を丁寧に聞く誠実な性格。
十歳年下である本子へ、すぐに縁談の返事を求めることはせず、まずは一人の人間として話したいと伝えた。
医学だけでなく、芸術や音楽にも深い教養を持つ。
ピアノを弾くことができ、美術や生き物についても詳しい。
外科手術にも、無駄のない動きや患者の身体を必要以上に傷つけない美しさがあると考えている。
本子との縁談では、美術館や水族館を訪れ、彼女へこれまで知らなかった世界を見せる。
匠自身も、飾らずに笑い、時折少し抜けたところを見せる本子へ惹かれていく。
しかし、本子が一日の中で最も多く思い浮かべていた相手は、自分ではないと気づく。
医師として、本人の意思を無視して物事を決めることはできないという信念から、本子を引き止めず、縁之丞への気持ちを大切にするよう背中を押した。
最後まで誠実で、誰も悪者にしない大人の男性。
【市之瀬宗一郎】
匠の父。
アルカディア製薬で、研究開発部門を統括する重役。
眼鏡を掛けた、知的で落ち着いた雰囲気の男性。
自身の仕事について、
「新しい薬を生み出す人たちが、働きやすい環境を整える仕事」
と本子にも分かりやすく説明するなど、相手に合わせて話すことができる。
医師として努力を続ける匠を高く評価し、息子の将来を見守っている。
鬼灯家との縁談にも前向きだったが、家同士の都合だけで結婚を決めようとはしない。
顔合わせの場でも、匠と本子が二人だけで話せる時間を設け、若い二人の意思を尊重した。
【市之瀬文乃】
匠の母。
上品で教養のある女性。
美術や音楽に詳しく、大学で芸術史の講義を受け持っている。
本人は趣味が高じて仕事になったと語っているが、その知識と感性は匠にも大きな影響を与えている。
匠が医学だけでなく、美術や音楽にも深い教養を持ち、手術の中にも美しさを見いだすようになった背景には、文乃の存在がある。
息子の結婚を願ってはいるが、相手の気持ちを無視してまで縁談を進めようとはしない。
匠と本子が誠実に向き合い、それぞれの答えを出すことを静かに見守る母親。




