20XX年に生きる諸兄諸姉へ
寺の隣に鬼が棲む━━━
世の中には善人と悪人が入り混じっていることを何ともコミカルに表している言葉だ。
だが、たった数百年先の未来ではこの言葉は通用しなくなってしまう。
「オニは人の心の中に巣食っている。常識だろう?」
以下、世界観説明です。
固めの文章でかったるいので飛ばして大丈夫です。
スタートは FILE001
ストーリーが始動するのは FILE004
ギャグ強めなのは FILE006
サウナ好きは日常編の FILE009
グルメさんは FILE012
この辺りを読んでいただければ自己紹介代わりになるかと思います。
―――時は2XXX年。人類絶滅の危機が訪れた『ネオ戦国時代』
人類史始まって以来最悪の騒乱の影には、人心を操り支配する特殊災害『オニ』の暗躍があった。
例えばSNS上で見かけた醜聞。例えば目前の危険運転。例えば隣人の無精からはみ出した木の枝。このような心のざわめきを誰にも気付かれないまま憎悪、憤怒、対立へと育て上げる概念的存在だ。
理性のタガを外された人類は、些細な喧嘩や小競り合いをみるみる内に戦争や虐殺に進展させた。
激烈な戦争による科学技術や文明の破壊は、果てには地球にまでも不可逆な穢れによるダメージを与えてしまう。
壊滅的な人口減少に加え、生命を蝕む環境汚染を前に絶滅の危機を迎えた人類は、ある『禁忌』に手を染めることをやむなくされる。
『バイオミメティクス(生物模倣)』
生物の構造や機能を模倣し、技術や製品に応用する考え方である。
地球への汚染はまるで神罰のように人類にのみ悪影響を与えていた。平穏無事に過ごしている動物達を模倣することはたった1つ残された希望であった。
我々は地獄に垂らされた蜘蛛の糸を掴み取ることに成功したが、全身に毛を纏い二本脚で直立する姿は最早……異形とも言えよう。
その瞬間、純粋な人類史はその幕を閉じた。
―――ヒトはついに『オニ』を見つけ出した。概念的ではあるが確かに実在してヒトの心を蝕むもの。目に見えない疫病を擬人化した空想的存在『鬼』のようだと誰かが呼んだのだろう。
ヒトの奮闘によりその数は減少しているが、この死闘が終わりを迎えることは当分無いだろう。その最前線である日本にはある特別機関が存在する。
これは、国民防護庁乱世対策部対特殊災害3課、通称『対特3課』の日常を描く気だるげドキュメンタリーである。




