特別な夜
5月のGWに突入し、ついに来ちゃいました!
今日は響と初めての旅行の日。
「響、パンダがいるよ!パンダー!」
あたしは大好きな動物園の中ではしゃぎまくっていた。
お昼間は観光スポットである動物園と遊園地で遊んで、夜は温泉旅館に泊まるプランなんだ。
「おまえいきなり走り出すなよ!」
「だってーテンション上がっちゃって」
はぁ・・・かわいい♡
今お食事タイムなのかたくさんの笹を抱えて夢中で食べてる。
「あんなに笹抱えて、めちゃ食いしん坊だな、あいつ」
「うんうん。癒されるなぁ」
たっぷりパンダを眺めた後、今度はコアラのコーナーに行った。
「かわいい~~~♡」
木にしがみついてて、つぶらな目でこっちを見てる。
きょとんとしてるように見えるなー。
「なんかおまえに似てるな」と響はコアラを見ながらつぶやく。
「えっどこが??」
「ボーっとしてるとこ」とこっちを見て意地悪な顔をした。
「もー!あたしそんなボーっとしてないし」
「してるよ。いつも違う世界の住人になってるし」
うっ・・・確かにたまに意識がどこかに飛んでるときあるけど、そんなしょっちゅうじゃないと思うんだけどなぁ。
「響はあれに似てるよ」とあたしは思いついたように言う。
「何?」
「トラ」
「どこが?」
「俺様なとこ」
「トラかー。いいじゃんカッコよくて」
ぶ~嫌味で言ったのに通じなかったみたい。
その後あたしたちは動物園のすぐ隣の遊園地に移動した。
遊園地に来ると・・・
「思い出すな」
「・・・うん」
ハロウィンのとき・・・
あのときはまだあたしたち・・・
「でもあのときとは違うな」
「うん」
あのときはまだ自分の気持ち、自覚してなかった。
ううん、心の底では気付いてたかもしれない。
だからこそ気持ちが動くのを抑えてた。
怖かったんだよね、関係が変わってしまうことが。
自分の立ち位置がどうなるかわからないから、その不安に負けてた。
響と想いが同じだったから立ち位置が変わらずにすんだけど、もし違ってたらあたしはどうなっていたんだろ・・・。
今みたいにメイドで居続けることができただろうか?
「また違う世界いってるだろ?」
と呆れた顔でこっちを見てる。
「あっ・・・あははごめん」
なりえなかった未来のことを考えてても意味ないよね。
なりえた今を大切にしなきゃ。
一分一秒も無駄にしたくない。
響といるこの今。
あたしは響の手をぎゅっと握りしめた。
この手がずっとあたしの手とつながってますように・・・
「キャロ、おまえの好きなアトラクションがあるぜ」
「え?何なに??」とあたしはわくわくしながら聞く。
「ミステリーの館」
と言ってに~っと笑う。
「へ?!」
ミステリーの館??
それって・・・
「さっ行くぞ」
とあたしの手を引っ張る。
それって絶対ホラーじゃーん!!!
「嫌だ~!行きたくないよ~~~~!」
「楽しみだな♪」
全然楽しみじゃないよ~~!
この後あたしが絶叫しまくったのは言うまでもない。
遊園地の締めくくりはやっぱり観覧車。
だいぶ日が長くなってきて、ちょうど今夕暮れ時。
優しい日差しがゴンドラの中に入ってくる。
「動物園が上から見下ろせるよ~あっパンダ発見!」
なんだか動物園の見取り図を見てるみたい。
今日はあの中をあたしたち動き回っていたんだよね。
なんだか迷路みたいに見える。
「キャロもうすぐ頂上」
あっ・・・
前と一緒の展開・・・
だけど
前とは違う。
だって今日はすでに響が隣にいるから。
あたしは響の方を見る。
至近距離だからすぐ前に響の顔があって、今にもぶつかりそうな距離。
ドキドキドキ・・・
前と変わらないのはやっぱりドキドキしちゃうところ。
夕暮れの光が響の顔を照らしまた一段と綺麗に見える。
思わず魅入ってしまって目がそらせなくなる。
「目つぶって」
ドキドキドキ・・・
ゆっくり目を閉じる。
ちょうど頂上に達した瞬間、響が優しくキスをした。
「キャロ、オレのこと好き?」
「うん・・・好き」
「どこが好き?」
「・・・全部」
あたしがそう言うとぎゅっと抱きしめた。
「オレにはおまえだけだから」
「・・・うん・・・」
「世界でおまえ一人だけ」
世界であたしだけ・・・
それはあたしが一番言われて嬉しい言葉
嬉しい・・・泣けるくらいに
「あたしも響だけだから・・・世界に一人しかいない響だけ」
あたしも強く抱きしめ返す。
どこを探してもあなたはここにしか存在しない。
だからこそ大切でかけがえのない存在。
こうやって触れ合ってるとその存在を強く感じることができる。
ずっとずっと確かめていたい。響がここにいることを。
夜になり旅館にチェックインした。ご飯はもう外で食べてきたから、後はゆっくり温泉に浸かって眠るだけ。
温泉は露天風呂だった。岩や高い木々に囲まれてて自然の中で入ってる感じで余計にリフレッシュできる。上を見上げると夜空が見えた。
星がはっきり見える・・・キラキラしてて綺麗・・・。
今日はけっこう歩き回ったからけっこう疲れてて、温泉がそれを癒してくれる。
じわじわ体の芯を温めてくれて疲れが取れていく感じ・・・。
さすがに混浴はしなかったけど隣に響がいることを考えるとそれだけでドキドキしてきた。
あまり意識しないようにしてたけど、だんだんと実感してきた。
今日はきっと特別な夜になる。
ちょっと長く浸かり過ぎたかな?
少しのぼせ気味になりながら部屋に戻ると響はもうすでに戻っていて窓側に置かれてる藤イスに座り窓を少し開け夜風を仰いでるみたいだった。
あたしはミニテーブルをはさんで置いてある対面の藤イスに座った。
夜風が火照った顔を冷ましてくれる。心地いい風・・・。
「ここからだと海が見えるんだね」
窓の向こうに壮大な海が見えた。夜だから暗くてあまりわからないけど地平線が見える。
周りの山々が黒い影のようにひっそりたたずんでる。
「いいところだね」
「うん、オレも気に入った」
響の方をふいに見ると、浴衣を着てて、なんだかいつもと雰囲気が違う。
髪も少し濡れてるしなんだか・・・
ドキドキドキ・・・
セクシーに見える。
「?」
響があたしの視線に気付いてこっちを見た。
「・・・そんなカッコしてるとちょっと大人っぽく見えるな」
「そ、そかな」
「うん、色っぽいじゃん」
「え!!」
そんなこと言われたことないからかなり照れてしまう。
恥ずかしい・・・
その後少しの間一緒に外を眺めてた。
そよそよと木々の葉が揺れる音が聞こえる。
静かで落ち着くなぁ・・・
あ・・・少し眠くなってきた・・・
「キャロ」
「ん?」
「そろそろ寝る?」
どきっ
「・・・う、うん」
ついにこの時が来ちゃった・・?ドキドキが最高潮になる時が。
敷かれた横並びの布団の上に二人で座る。
ドキドキドキ・・・
どうしよう、今までにないくらいドキドキして顔が熱い。
響の顔が見れない・・・
そんなテンパってるあたしの両手をそれぞれ優しく握ってくれた。
「緊張してる?」
「う、うん」
「オレも」
えっ響も?
「やっとこっち見た」と優しく笑う
「えっ・・・」
かぁぁぁぁぁ・・・ダメだ、響の顔見ただけで真っ赤になってしまう。
「キャロ」
とあたしを優しく抱きしめる。
「一生大事にする」
「え・・・」
一生・・・?
「だから全部もらってもいい?」
響・・・あたし・・・
幸せ過ぎてもう・・・
「うん」
あたしがあげられるもの全てあなたにあげたい。
それであたしと同じ幸せを感じて欲しい。
「キャロ・・・愛してる」
涙が出てくる。
一つ一つの仕草に響の愛を感じてあたしはその度心が震える。
幸せで心が震える。
こんなにも響に愛されてあたしは幸せだよ。
響は幸せ?
心も体もつながり、響の腕の中で愛に包まれながらあたしはその夜眠った。
響・・・愛してる
ずっとあなただけを愛してる
ぱちっ
あっ・・・なんか体がちょっと痛いな・・・
隣を見ると響の寝顔が!
あたしのこと抱きかかえるようにして寝てる・・・。
かぁぁぁぁぁ・・・・
そっかあたし昨日響と・・・
恥ずかし過ぎる・・・。
それにしても・・・かわいい寝顔。
長いまつげが下がってる。
愛しいってこういうことを言うのかな。
ずっと眺めていたい気分。起こさないようほっぺにそっとキスをした。
少し肌寒くて浴衣を羽織ってると・・・
「ん・・・キャロ・・もう朝・・・?」
と響はまぶしそうに目をゆっくり開けながら言う。
「うん、おはよう」
なんか照れるなぁ。
初めての旅行。初めて一緒に過ごした夜。一緒に迎える朝。
初めてのことだらけで新鮮だな・・・。
「おはよ・・・体大丈夫?」
きゅーん・・いたわってくれてるの?
「うん・・・平気」
「そっか、よかった」とホッとした顔をする。
響好き・・・・ほんとに好きだー・・・
「まだチェックアウトまで時間あるし・・・お風呂入る?」
「あっそっか。うん!朝風呂入りたい」
とあたしが言うと
「一緒にって意味だけど」
え?
一緒に?
かぁぁぁぁぁ・・・・
「何照れてんだよ、今さら」
だ、だって~~~~!
「なぁ~いいじゃん入ろー」
なんか響甘えてる感じでかわいい・・・。
そんな響に負けてしまって
「う・・・うん」
OKしちゃった!
「やった、じゃあ混浴予約しに行こうぜー」と響が起き上がる。
きゃーーー響、裸だから、目のやり場に困るし!
ってかこの後嫌って言うほど見ちゃうことになるけど・・・
大丈夫かな・・・別の意味でのぼせそう・・・
そして混浴風呂に着いて・・・
混浴風呂は露天ではなくけっこう上の階にあり、透明なガラス張りに囲まれていた。
一緒に脱ぐのがどうしても恥ずかしくて先に入ってもらった。
あたしは後からタオルで体を隠しながら控えめな感じで入る。
夜とは違って明るいから余計に恥ずかしい・・・。
檜風呂になってて湯気がポカポカ上がってる。
「おっせーな。のぼせたらどうしてくれんだよ」と響はちょっと不機嫌になってる。
「ごめーん」
恥ずかしい気持ちが大きくてどうしても行動がゆっくりになっちゃって。
「ったくおまえはトロいんだから」
そんな怒らなくてもー。
響との間に二人分くらいの距離を空けて浸かる。
「キャロ、もっとこっち来いよ」
うう・・・なんだか急に俺様になってない??
俺様響苦手なんだってばぁ・・・。
「横じゃなくてこっち」
とあたしは響の前に引っ張られた。
えっ・・・この位置なんか恥ずかしい・・・。
あたしの後ろに響がいる形・・・
「待たせた罰」
「!!」
後ろから突然あたしの肩に響がキスをする。
そして手はあたしの胸元に・・・
きゃーーーーーー!
もうダメ・・・
今度こそほんとにのぼせちゃう
刺激が強過ぎて・・・・
そうして刺激の強いラブラブな混浴時間が過ぎていった・・・。




