第30話 シオリ⑥
俺が目を覚ました時にはとっくに昼を過ぎていた。横にはシオリがグーグーと寝ていた。俺は起こさないようゆっくり記念すべき初体験の相手の顔を仏のような心持ちで見た。
ブスがそこにいた。冷静な、性欲ゼロの状態で見ると中々にきつい。
一昨日の夜から俺を翻弄した巨乳であるが、でかいから何だと言うのか。口を開けイビキをかき眠るその顔は性欲を吐き出した冷静さが無かったとしても興を冷ますものがあった。
「おはよう。そろそろ起きよう、もう昼回ってるぞ」
「…おはよ。もう昼かあ。俺君、昨日のことだけど」
「ん?」
「私生理痛ひどくてピル飲んでるから心配しなくていいからね」
……
しまった!昨日は頭がどうかしていて避妊のことなんか全く思考に無かった。四回も中に出しておいて何だが我ながら迂闊にも程がある。
俺は九死に一生を得た気持を隠しながら「おう、そうなんだ」と答え、同じ失敗を二度としないと誓った。
シオリによると今時の女というのはけっこうピルを飲んでいるのだという。もちろんだからと言って避妊しないのは馬鹿でしかないのだが。
俺とシオリはホテルを出て一緒に駅まで歩き解散となった。俺はバイトがありシオリは夜から友達と会う約束があると言っていた。
ロッカーの近くの通路でキスをし、改札を出て俺達は別れた。
今こんな事を考える自分は人間性に問題があるのだろうが、俺は顔のいい女と付き合える男になりたいと考えながら電車に揺られた。




