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第3話 ひとつの答え


 俺は竜さんの助言に希望を見出し、「食べ飲み処 ばくばく」に常連と言っていいくらいには顔を出すようになっていた。 

 


 この人にもっと助言してもらえば女に愛される男になれるのではないか。俺にはそういう下心があり、竜さんは竜さんで、そんな俺の心を透かしたように自分から俺に話かけてくる内容は世間話くらいのものだった。

 

 

「竜さん、俺竜さんにアドバイスもっとしてもらいたいんですが」


 

意を決したように言うと竜さんは

 

  

「猫背直したら効果あったんだ」

 

 

 と涼しそうに笑って言った。少し間を置いて、


 

 「前の話の感じだとちょっと女の子に気を遣いすぎてる気がしたかな」    

 

 

 俺はぎくりとした。媚びているつもりはないが、せっかく知り合いになれた女に嫌われたくない気持ちは強くあったからだ。

 

 

 「なにが楽しいと思ってくれるか分からなくて。行きたい所や、何食べたいかいつも質問してしまうんです」

 

 

 降参したように俺は答えた。

 

 

「じゃあ女の子の楽しそうな顔が見れたら嬉しい気持ちになるんだ?」


  

「はい」

 

 

竜さんは料理を皿に盛ってからぽつりと言った。

 

  

「女の子も同じ気持ちだよ。君が楽しそうな顔してないから楽しくないんだよ。」

 

 

 ずどん。

 


 竜さんは何事でもないように言ったのだが、それを聞いた俺は納得という言葉では足りない納得を越えた何かに頭を貫かれた。


 

説明は必要なかった。頭の中でこれは答えだとサイレンのように鳴っていた。



 


 

 

 


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