第32話:エン、ロア、セーナ、ユート⑥
今回で四人の過去は最後です!
「ん?」
セーナの父親にエンは声をかける。彼は気付く。
「エンちゃんと・・・ロア君だよね?久しぶりだな」
セーナが亡くなっても彼は悲しまなかった。エンは恐る恐る聞く。
「あの・・・セーナのお父さんは・・・セーナが、嫌いなんですか?」
エンの問いにセーナの父親の答えは・・・
「ああ、あいつは呪われた子だから嫌いだ。だから、セーナが産んだ子供を絶対に育てない」
「どうして・・・」
「私が育てる子ではない」
「あなたの孫ですよ・・・」
「私の妻を奪ったからには孫ではない。私の妻はあいつを産んですぐに病気になって死んだんだ。私は確信した。あいつが呪われた子なんだと。だから、私を含めて親族全員が嫌ってやった」
この時、エンは確信した。セーナが医者を諦めたのはセーナを嫌う親族のせいなんだと・・・
「キミ達も呪われなくてよかったよ。親族全員がセーナの子供を引き取らないと言っているんだから。じゃあ、私は失礼する」
「待って!」
エンは踏み出そうとする。このままではセーナとユートの今までの思いを無駄にすることになると。すると、ロアが生まれたばかりの赤ん坊のイブに言う。
「イブちゃん。うちに来るか?」
「えっ?」
「俺達では収入が安いけど・・・この子を引き取れる余裕はある」
「何の冗談だ?」
「冗談じゃないです」
ロアの優しい気持ちにエンは涙を流す。そしてエンはセーナの父親に対して言う。
「あなた達が何て言おうと、セーナはセーナです!セーナもイブちゃんも呪われてなんかないです!だから・・・」
「イブちゃんは私達が娘として育てます・・・!」
次回、いよいよ過去も佳境!お楽しみに!




