もうコレ、尋問なんじゃないか?
「さぁ、全部吐いてもらおうか」
おっさんの丸太みたいにぶっとい腕でグイグイと押され、中央のテーブルに着席させられた俺は今、周囲を完全に包囲されている。
見慣れた街のおっさん達の視線をこれほど恐怖に感じる日が来るとは。
もう顔もあげられない。マジ怖い。
「ダンマリか?」
「勿体ぶりやがって」
「さぁ事の経緯をあまさず話せ!」
「そうだー!」
勝手なヤジがバリバリに飛ぶ。嫌な汗がじんわりと背中を伝って、気分は敵国に囚われた捕虜レベルだ。
「まぁまぁ、いきなりそんなに詰め寄っても。ほら、まずはエールでも飲めよ」
おっさん達を宥め、キンキンに冷えたエールを俺に差し出してくれたのは。
「アデラール」
いい笑顔全開の、アデラールだった。
そしてその横には、ニヤニヤ顔のプラグ王子までが腕組みで立っている。なんでだろう、助かった気が全然しない。
「ほら、飲んで。オレのおごりだからさ」
「あ、ああ」
ぐいぐいと差し出されるジョッキをおもむろに掴み、俺は一気にエールを飲み干す。なんかもうヤケだ。
「おお、いい飲みっぷり!」
手を叩いて褒めてくれたプラグ王子は、にっこり笑って次のジョッキをドン!とテーブルに置いた。
「さあ、おかわりも用意したよ。喉も潤ったことだろうし、そろそろ話してもらおうか?」
やっぱりか……! もはや退路は断たれた。
さすがに諦めた俺は、現状をポツリ、ポツリと問われるがままに打ち明ける事にした。
***
「…………え? それだけ?」
俺の話を聞き終わったプラグ王子の、開口一番の反応はそれだった。
「だから言ったじゃねえかよ、話すほどの事じゃねえって」
恥ずかしさで若干涙目の俺は当然そう抗議したが、それに返って来たのは結構本気のチョップだった。
「違うわ、ヘタレ! ゆずちゃんにそこまで言わせて、なんで付き合うって話になってないんだって言ってるんだよ!」
「そうだ、人には軽―くコクれとか言ったくせに! この腰抜け!」
アデラールまでもが、俺を全力で非難する。
「○○○○ついてんのか、このクソガキが!」
「ふざけんな!」
「ゆずちゃーん、なんでこんなヤツ!」
ひええ、なんで二人もおっさん達も、一斉にヒートアップするんだよ。
「ちゃんと正直に話しただろ、もう勘弁してくれよ」
思わず泣き言を言ったら、プラグ王子から「泣きたいのはゆずちゃんの方だろ?」と怒られてしまった。
「勇気を振り絞った告白だっただろうに、こんなに曖昧にされて」
「それでも笑顔で『頑張る』宣言なんざ、いじらしいじゃねえか……!」




