踏み込んで来やがる
なんと言われようがキャッシュちゃんの情報には代えられん!
なんせ好感度が上がり過ぎるからこのところ全然キャッシュちゃんと会ってないんだ。
逆にキャッシュちゃんとちょいちょい出かけてて、今日も女子トークしてきたお前に俺の気持ちなんか分かるまい!
「で? キャッシュちゃんなんて言ってた?」
「ムカつくなぁ。……可愛いって、言ってたよ」
「他には?なんか改良した方がいいトコとか色は何がいいとか」
「ちょっと露出が多くて防御力に不安があるって」
「防御力はこれまでのより高いんだけどな」
「見た目でしょ」
うーむ、見た目か。露出は抑えつつ可愛い感じがいいのか、確かにキャッシュちゃんらしい。これは考えなければ。
「ちなみにリストはどう言ってた?」
「リスト? この軽鎧になってから会ってないから分からないよ」
そうか、男の意見も聞いてみたかったんだけどな。
「なんでリスト?」
「ん? だってお前リストの事好きなんじゃねえの?」
「は!? なんでリスト!? 違うし!」
真っ赤になって怒るゆずを俺は微笑ましく見つめた。
「ほんと違うから!」
照れるな照れるな、もう俺はそれくらいで動揺したりしないからな。若干涙目で恨めしげに唇を尖らす姿も女子力満点だ。まさに恐ろしい成長力。
「……て言うか、陸こそどうなの」
「は?」
「キャッシュ、好きなんでしょ。このとこ一緒に冒険に行ったりもしないじゃない」
「そりゃ行きたいけど、これ以上好感度上がったら恋愛モードに入っちゃうからさ」
「いいんじゃないの?好きなんでしょ?」
おおう、からかった腹いせかいつになく踏み込んで来やがる。
「うーん、俺は錬金術を極めようと思う」
「え、どういう意味?」
「恋愛もいいけどさ、今はとにかく錬金するのがすげー楽しいんだ。ゲームじゃ出来なかった錬金とかできるし、武器や防具も俺のイメージで色々作れるしさ、とにかく錬金したい」
「そう……なんだ」
目をまんまるにしたゆずは、そのあとなぜかニッコリ笑った。
「そっか、じゃあ冒険に行こっ!」
「は? お前ちゃんと話聞いてた? 俺は今、とにかく錬金したいんだって!」
「でもずっと部屋の中にいるだけじゃいいの出来ないって! この軽鎧も実際に使ってるところなんて見てないでしょ。改良するならちゃんと使ってるとこ見た方がいいよ」
む、ゆずのくせに一丁前にソレっぽい事言いやがって。
ちくしょう、その通りかも知れない。ゆずとなら好感度気にする必要ないし、一丁行ってみるか。




