それからの日々
このゲームではそこらへんはシビアで、効果を併せ持った物が作れる仕様じゃなくて、持ち物をいつも圧迫していた。
しかも防具や武器が貧弱で、基本武器は攻撃力を上げるだけ、防具は防御力を上げるだけ。
芸がない!
高いしたいした効果がないしで、俺はいつも武器&防具は金が有り余る状況にならないと変えることすらなかった。
もっとこう、派手に火がでるとか、付加効果が色々つけられるとか、せっかく錬金できるんだから何とかならんもんかと思ってたんだよ。
特に女の子の防具はもっと可愛いのを着せてやりたい。
そんな俺の野望を受けて、今日も錬金ハンマーがうなるうなる。
さすがに一つの品物に効果は三つまでしかつけられない。だから、各パーツに役割を持たせて、頭から足の先まで揃えれば、被らずに効果の恩恵が受けられるように改良してみた。
俺が作る時に気をつけて作っておけば、冒険者は武器、防具を揃えるだけで効果の被りがなくなって変に頭を使う必要もないもんな。
武器には攻撃力アップと属性攻撃を二つ。
防具は部位によって付加効果を分けている。
胴体につけるものは絶対にみんなつける物だから最優先で、防御力アップ、体力アップ、魔力アップの三つ。
次が靴で、敏捷性アップ、回避アップ、逃走補助。
ピアスは状態異常回避をどれかつける感じ。
腕輪は腕力アップ、命中アップ、複数攻撃の三つ、これは結構高額になるから、金持ちじゃないと手に入れられないだろう。もちろんゆずには最優先で作ってやった。
指輪やその他の飾り物、マントなんかはそれこそピンキリで、色んな効果の物を作ってある。
さらに俺の作る防具類は、軽くてデザイン性が高いのもウリだ。普通の鍛冶屋じゃこうはいかない。防御力を高めるには体を覆う面積を大きくするのが手っ取り早いし、そうなるとどうしてもデザイン性はおさえられてくる。
俺はそこにこだわった。
男物は別にいいんだよ。無骨なのがカッコいいってトコもあるしな。
でも女の子にはやっぱりヒラヒラしたりフワフワしたり、チラチラしたりする防具をつけて欲しいじゃないか!
「ただいまー!」
ゆずの元気マックスな声が響いた、どうやら採取から戻ったらしい。
今回はキャッシュちゃんとニナさんを誘って、片道三日もかかる港街ウプランに遠出していた筈だ。約十日ぶりくらいに会ったゆずは、なんとなくより綺麗になったみたいだった。
「な、な、なに?」
見間違いか? と思わずガン見していたら、ゆずに思いっきり不審がられてしまった。気まずい。




