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Vivid World〜彩られた世界〜  作者: 竜音(ノンイン)
双子の魔導師・ルリ&リル編
12/30

5.反魔の騎士


 先程までのレッドエレメントやゼロエレメントと違い、ゆっくりと光の粒子が集まっていき、モンスターの姿に変化していく。

 その様を3人は息を飲んで待つ。

 やがて光の粒子はとまり、1体のモンスターがそこに現れた。



「騎士……?」

「俺にとっては良し、お前らにとっては悪し、だな」

「このモンスターは?」



 現れたのは右手に槍、左手に盾を持った下半身が馬のようになっている騎士。

 いわゆるケンタウルスの様な姿のモンスターだ。

 モンスターの姿にユウヤは構え、前に歩み出る。



「こいつは『反魔の騎士』。〝魔法スペル〟による攻撃は全て反射する」

「か、完全に〝魔導師〟の天敵……」



 ユウヤの言葉にリルは唖然とする。

 それも当然。

 なぜなら反魔の騎士の特性は属性耐性ではなく〝魔法〟反射。

 根本的な部分が先程のエレメントたちと違うのだ。



「これじゃあユウヤ1人が戦うことになっちゃうよ?!」

「は、上等。確か〝魔導師〟は補助系を覚えなかったよな。下がってろ」



 叫ぶルリにユウヤは獰猛と言っていい表情で笑みを浮かべ、距離を置くように促す。

 ユウヤの表情を見て2人は苦虫を噛んだような表情になりながら壁際かべぎわに寄った。

 直後、ユウヤは砲弾のように反魔の騎士へと突撃していく。


──ガァァアアアンッッ!


 一瞬のうちにユウヤは反魔の騎士との距離を詰めて拳を放つ。

 しかしその動きは読まれていたらしく、反魔の騎士は左手に持つ盾でユウヤの拳を防ぎ、さらに右手の槍でユウヤに突きを放った。

 反魔の騎士の放った突きをユウヤは盾を蹴ることによって左方に跳び、回避する。

 紙一重のところで反魔の騎士の放つ突きを回避したユウヤはバックステップをして距離をとった。



「さすがに堅いな。〝迅龍爪滅牙しんりゅうそうめつが〟!」



 反魔の騎士を見ながらユウヤは呟く。

 そして次の瞬間、ユウヤの両腕を包むように巨大な龍の腕が出現した。

 ユウヤの両腕が変化したことにルリとリルは一瞬驚いた表情をしたがすぐに不安そうにユウヤを見る。



「喰らえ!」



 短く叫びながらユウヤは反魔の騎士に向けて指を真っ直ぐに伸ばした竜の左腕を突き出す。

 それに対して反魔の騎士も真っ直ぐに槍を突き出した。


──ギャギィィイイインッッ!


 ユウヤの突き出した左腕と、反魔の騎士が突き出した槍がぶつかり合い火花を散らす。

 そして腕と槍がぶつかり合い火花が散った瞬間、ユウヤは左腕を突き出すのと同時に動かしていた右腕で下方から殴り上げた。


──ガゴォォオオオンッッ!


 ユウヤの放った殴り上げを受け、反魔の騎士の右手から槍が吹き飛ぶ。

 反魔の騎士は槍が吹き飛ぶのと同時に後方に跳び、ユウヤの突きを回避した。



「一気に潰す! 『龍璃空刺るりあけざし』!」



 そう言ってユウヤは反魔の騎士を2回連続で殴り、右腕で下から打ち抜いた。

 下から打ち抜かれた反魔の騎士の身体は僅かに空中に浮かぶ。

 反魔の騎士が空中に浮かんだところをユウヤは左手で掴み、地面に叩きつけてからさらに上空に投げ上げた。

 投げ上げられた反魔の騎士はジタバタと身体を動かすが、空中で動く術がなく、落下していく。

 落ちてくる反魔の騎士に狙いをつけ、ユウヤは身体を回転させながら握った両手を鎚の様にして打ち抜いた。

 ミシリ、と言う音とともに反魔の騎士は吹き飛び、壁に叩きつけられる。

 そして、叩きつけられた反魔の騎士は光の粒子となって消滅していった。



「っし、終わり!」

「それを発動したらアッサリ勝ったな……」

「強すぎだよぉ」



 反魔の騎士が消滅していくのを確認し、ユウヤは構えを解く。

 そんなユウヤの姿にルリとリルは呆けたように呟いた。

 それに対してユウヤはなにも言わずに両腕を元の腕に戻す。

 不意に、部屋の中央に光が集まっていった。



「ほれ、エリアクリアの報酬が出るぞ」

「報酬?」

「何が出るのかなぁ?」



 光が集まるとそこには宝箱が3つ出現していた。

 レッドエレメント、ゼロエレメント、反魔の騎士の3体を倒したから宝箱が3つなのだ。

 ユウヤたちはそれぞれ別々の宝箱の前に立ち、宝箱を開ける。

 ユウヤの開けた宝箱からは紋様の刻まれた指輪、ルリの開けた宝箱からは赤い刃のナイフ、リルの開けた宝箱からは白い鈴がそれぞれ入っていた。



「えっと、『フォースリング』だな」

「こっちは、『ヒートエッジ』だって」

「これは、『ガーディア・ベル』だ……」



 それぞれアイテムを手に持ちながら名前を言っていく。

 するとユウヤは紋様の刻まれた指輪──フォースリングを指に着けた。


──パチンッ


 ユウヤが指を鳴らすと、目の前に小さな火球が出現した。

 その光景に2人は驚いた表情になる。


──パチンパチンパチンッ


 さらにユウヤが指を鳴らすと、氷塊、雷槍、風刃が出現していった。

 どうやら威力は低いが装備した冒険者は〝魔法スペル〟を扱えるようになるらしい。



「これは便利だな」

「次は私だね」



 ユウヤは満足げにフォースリングを見る。

 次にルリが赤い刃のナイフ──ヒートエッジを握った。

 するとヒートエッジの刃に炎が纏われる。

 そしてユウヤの作り出した氷塊に向けてヒートエッジを一閃させた。

 ヒートエッジの一閃を受けた氷塊は真っ二つに割れた後、炎に包まれて溶けていく。



「ナイフだから取り回しも良いし威力も高いみたい♪」

「最後は僕だな……」



 ユウヤと同じようにルリも満足げにヒートエッジを見る。

 最後にリルが白い鈴──ガーディア・ベルを手に持ちながら前に出る。


──チリーン……


 リルの持つ鈴が静かに、しかしはっきりと音を鳴らす。

 その音はまるで小鳥のさえずりのように可愛らしく、大海原の波音のようにおおらかに、冬夜ふゆよの風のように儚げに周囲に響いていった。



「綺麗な音だ」

「……体力と魔力の回復速度が上がった」



 眼を閉じ、耳を澄ましながらユウヤは呟く。

 そしてリルは自身のステータスを確認し、ガーディア・ベルの効果を理解したらしい。



「回復系の装飾具は重宝できるから良かったな」

「ああ、回復量はユウヤの癒しの黒羽よりも低いが魔力の回復速度も上がるから僕としてはこれで充分だ」

「それじゃあ、次の階に行ってみよ〜♪」



 楽しそうに腕を上げて歩き出すルリにユウヤとリルは苦笑し、後を追った。








・反魔の騎士

モンスターの1匹。

下半身が馬のようになっていて右手に槍、左手に盾を持っている騎士、移動スピードはかなり速い。

頭と心臓の部位が弱点。

攻撃パターンは手に持った槍による攻撃。

〝魔法〟を全て反射する。



龍璃空刺るりあけざし

ユウヤが創った〝格闘士〟の〝創技〟。

〝迅龍爪滅牙〟を発動中のみ発動できる。

2回連続で殴ってから右手で下から打ち抜き、左手で相手を掴み、叩きつけてから上空に投げ上げ、身体を回転させながら両手を鎚の様にして打ち抜く。

龍の腕は爪を開くか開かないかによって打撃か斬撃かを選べる。



・フォースリング

指輪の形の装飾具。

紋様の刻まれた指輪。

反魔の騎士のドロップ。

付与能力名・〝クアトロエレメント〟



・クアトロエレメント

〝フォースリング〟の〝付与能力〟。

装備者は威力の落ちた〝魔法〟を中級まで使用可能になる。



・ヒートエッジ

ナイフの形の装飾具。

赤い刃のナイフ。

レッドエレメントのレアドロップ。

付与能力名・〝紅炎ぐえん加護かご



・紅炎の加護

〝ヒートエッジ〟の〝付与能力〟。

発動中は刃に炎が纏われ、威力が上昇する。

斬った対象を燃やす。



・ガーディア・ベル

鈴の形の装飾具。

白い鈴。

ゼロエレメントのレアドロップ。

付与能力名・〝ホワイト・ゴスペル〟



・ホワイト・ゴスペル

〝ガーディア・ベル〟の〝付与能力〟。

鈴の音が続いている限り装備者の体力、魔力を回復、及び防御力の強化。






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