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捨てられる予定の皇妃ですが、皇帝が前世の推しだと気づいたのでこの状況を楽しみます! 関連話  作者: 池中織奈


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「将来の義理の娘がどんな子になるのか、今から楽しみだわ。私とも仲良くしてくれるかしら?」―皇妃、記憶喪失編⑯―

「……な、なんだかこうして自分の絵が保管されているなんて、少し照れくさいわ」



 マドロールは、目の前で大切に保管されている自分の描いたらしい絵を前に何とも言えない気持ちになっているようだ。

 なぜならその絵は、お世辞にも上手とは言えないものもおおく含まれていたから。

 自分の描いた絵が、こんなにも……まるで国宝か何かのように大切にされているのには驚いていた。まさか、こんな風に保管されているとは思ってもいなかったのだ。



「母上が父上を思って描かれた絵ですから、私はどれも好きです」

「ありがとう。それにしてもヴィー様ってば、私の描いた絵をこんなにも大切にしてくださっているなんて……やっぱり嬉しい」


 マドロールは恥ずかしがりながらもそう呟く。




(こうして大切に保管されているのは、ヴィー様がそれだけ私のことを愛してくれている証なのよね。それにこの絵たちって、言ってしまえば記憶を失う私がそれだけヴィー様を思っていたからこそ描いたもの……。記憶を失う前の私はヴィー様に溺愛されていると大変噂だったと聞くけれど、それはそうよね。これだけ私の絵まで大切にしていらっしゃるのだもの。……ヴィー様って、やっぱり可愛い)


 考えれば考えるほど、愛おしさが芽生えて仕方がないマドロールであった。



「父上は時折、この部屋にきて母上の描いた絵を眺めたりもしてます」

「なにそれ、可愛い……!! ねぇ、ヴィダディ、どうして私のヴィー様はこんなに可愛らしいのかしら? 私への愛情を全く隠すことがないだなんて……!!」

「父上を可愛いと言えるのは母上だけです。私は父上はどちらかというとかっこいい方だと思うので」

「あら、そうかしら? だってヴィー様ってばこんなにも可愛いのよ? 見た目はかっこいい系の顔立ちだけれども、そんなヴィー様が可愛い行動をしているのがどうしようもなく可愛らしいわ。ヴィダディも将来はかっこよく育ちそうよねぇ。でも可愛い面もあるから、きっと多くの女性を魅了するのだわ!」

「母上、楽しそうですね? 今段階でも私は女性から近づかれることはありますけれど、父上みたいに一人だけでいいです」




 楽し気な様子の母親に少しだけ呆れたような視線を向けながらも、ヴィダディはそう答える。



 『暴君皇帝』と呼ばれているヴィツィオのことが可愛くて仕方がないマドロール。当然のことだが、ヴィツィオにそっくりのヴィダディのことも可愛いと思ってならないようだ。

 将来、どんな可愛い子が義理の娘になるのだろうか、そんなことを考えるだけで楽しいようであった。




「ふふっ、それがいいと思うわ。本人達さえ良ければ複数人伴侶は持ってもいいとは思うけれど、ハーレムも逆ハーも上手く立ち回らなければ殺傷沙汰になったりするものだわ! 私は複数人相手にするよりも一対一で仲睦まじくしている方が好きだから、ヴィダディがそういうつもりなのは一安心だわ」


 にこにこしながらマドロールはそう言った。



 母親の言葉を聞きながらヴィダディは「やっぱり一人だけ相手にした方がいいな。もし恋愛関係で何かあれば母上が悲しんで、父上が怒るだろう」とそんなことを思うのだった。




 ヴィダディとしては母親が悲しまないことが第一だ。尊敬する父親のことを不快な気持ちにはさせたくないという気持ちもある。

 正直ヴィダディは将来的に女遊びをしようとすれば幾らでも出来る。とはいえ、そんなことをするつもりはない。



「将来の義理の娘がどんな子になるのか、今から楽しみだわ。私とも仲良くしてくれるかしら?」


 マドロールは、姑と嫁のいざこざ問題の漫画も読んだことがあるので心配そうだ。大切な息子のお嫁さんに嫌われてしまったらどうしよう、などと先のことを考えてしまっているらしかった。




「母上、そんな先のことを心配しなくて大丈夫です。それに母上とあわない女性とは親しくしません」

「あら、もし恋人が私と気が合わない場合はちゃんと恋人の味方をしないと駄目よ? 母親ばかりを優先して振られたら大変だもの」



 マドロールはヴィダディが自身を大切にしてくれていることを嬉しく思いながらも、それではマザコン認定されてしまうのでは? とマドロールは心配した様子である。

 完全無欠の皇太子でありながら、マザコンという欠点があるのはもったいないとかしょうもないことを考えているようである。



「そうですね。ただ母上のことは大切にしてくださらないと困りますから。私は結婚した後も父上や母上とは良き付き合いをしていきたいですし、距離を置くなんて寂しくて嫌なので結婚相手を選ぶならその辺も考えて選びます」

「まぁまぁ、そうなのね? ヴィダディはやっぱりとても可愛いわ。ふふっ、将来、どんな子と付き合うか想像したりも楽しいわ」


 そう言いながら妄想の止まらないマドロールであった。



(可愛い子でも綺麗な子でもありよねぇ。ヴィダディはヴィー様と一緒で親しい人と一緒ではない時にはあんまり喋らないタイプみたいだから、お喋りな子の方がいいかしら? でもヴィー様よりは喋る方ではあるわよね。そうなるともう少し違ったタイプでもあり? 考えただけでも楽しみだわ。ヴィダディに親しい女性が出来たら、是非とも仲良くしないと)



 そうしてマドロールはそんな決意をするのだった。


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