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#10 宣言

語られる過去と、進み始める今。

「わしはドワーフなのじゃ」


 オーウェンは難しい顔で言った。


「わしのことをただの老『人』だとは思わん方がよい。わしはこれでもドワーフ族の族長じゃ」


「え!? ウェン爺が!?」


「幸い魔王は目が悪い。こんな小さなドワーフになんか目が行き届かんじゃろう。だが、それもまた物事を悪い方向に進めた」


 オーウェンは目頭を押さえている。


「我々ドワーフ族は遥か昔から地下に住み続けて来た。遥か昔ってのはまだ《光の大陸》と《闇の大陸》がただの2つの大陸だった頃の話じゃ」


「《闇の大陸》という名称がなかった頃、ということですね?」


「うむ。我々はどちらの大陸の地下にもドワーフの国を作り、それはエルフ達と同じ様に活気に満ちた日々を送っていたのじゃ。そこに」


「魔王が……」


 オーウェンは首を振る。


「優しい王じゃった。悪いのはこの世界のほんの僅かにある悪の部分じゃ。今回の話はもっとややこしい。魔王と対等な闇の力を持つ者が現れたからこそ、魔王の封印が解かれた」


 僕は気付いた。


「現《闇の大陸》のドワーフの国は!? どうなったんです!?」


 オーウェンは、消え入りそうな声で言った。


「《闇の大陸》のドワーフ達は、今もそこに住んでおる。残酷な表現になってしまうかもしれんが……奴隷としてじゃ」


「そんな……それじゃあ」


「その中には」


 僕の言葉を遮って言う。


「その中には……わしの家族もおるのじゃ。家族同然の友人達もいる。皆恐怖を前にして戦うことを放棄し、屈してしまっておる」


 頼む、とオーウェンは続けた。


「魔王を倒し……ドワーフ族を含め、この世界の民を救ってくれ!」


 この世界の民を救う、これが多分RPG系ゲームで良く見る台詞だと思う。そんなことが本当に可能かと言われると、自信はない。今までずっと、起きる→学校→帰る→ゲーム→寝る、を繰り返してきた人間だから。でも。


「必ずや」


 考えより言葉が先に出ていた。


「必ずや魔王を倒し、この世界の悪の部分を封じ込め、民を救うと約束しましょう」


 サフィールはさっき置いて来ちゃったから、こんなに長話して拗ねてるかな。でも多分僕の思いは今、サフィールにも伝わったと思う。


「そのためには」


 さっき口に出した言葉に頭が追いついたみたいだ。


「宿賃を無料にして頂くことはできないでしょうかぁぁぁ……」


「ほっほっほ」


 オーウェンは笑って言った。


「望むところじゃ。ウェン爺にお任せ下さいな、『勇者様』」

遂に!遂に歩が本気を出しましたね!

歩「こんな大々的に取り上げられるとなんか腹立つな。やめよかな」

こうして、歩の旅は白紙に……

戻りません。次回も王都編、続きます!

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