#1993 真の最強装備完成のパーティでかんぱーーい!
帰還した俺たちはギルドハウスに帰ってくると、盛大なパーティーで迎えられた。
「ただいま~って、おおお!?」
「おかえり~!」
「みんな待っとったでー!」
「なにこれ! パーティーだわ!」
「サプライズパーティーかしら?」
ギルドハウスの中がパーティー会場一色。
白の大きな丸テーブルと豪華な椅子が並べられ、周りも白の壁で覆われたパーティー会場だった。そして〈幸猫様ファミリーズ〉の上部には大きな横断幕が設置され「祝・真の最強装備完成パーティーや~!」と書かれていたんだ! 最後の「や~」の部分が遊び心満載!
こ、これは! アルルたち徹夜明けのテンションで開催したんじゃないかってくらいのはっちゃけ具合じゃないか!
「アルル! マリー先輩もか! ちゃんと寝てるか?」
「どういう意味や兄さん! 至って正常や!」
「せや! 正常に……正常に……これが記念パーティーしないでどないすんねん!!」
「おお!?」
心配したら2人から盛大なツッコミと裏ビンタが俺にビシっと叩き込まれたんだ。
俺には分かる。これ、マリー先輩もアルルも、テンションが天井を突破してるぞ!
俺はテンションには詳しいんだ!
「ゼフィルスさんたち~、帰ってくるの待ってました~!」
「サトル! 状況を説明する任務を与える!」
ようやくまともそうな人材が現れてくれてホッとする。しかし。
「ア、アイサー! なんかゼフィルスさんたちが最上級ダンジョンに入ダンしてからなんか生産メンバーのテンションが上がりだしてですね。打ち上げをしよう、パーティーをしようって話になったんです!」
「肝心なところがなにも分からないが流れは分かった。それで?」
「こうなりました!」
「はしょりすぎだ!」
結局よく分からなかった。
「まあまあ!」
「細かいことは言いっこなしや! ささ、兄さんはこっちや! パーティーの音頭を取ってもらうで!」
「それくらいならお安い御用だ!」
とはいえ2人だけではなく、どうやら〈アークアルカディア〉のメンバーも巻き込んだパーティーらしい。
おそらくだが真の最強装備完成の実感が後になってムクムクと湧いてきたのではなかろうか?
なにせ、あの数値である。
きっと一度冷静になり、他の最強装備ではない装備を何かしら作ったんだろう。今の時期だと、浴衣かな?
そして真の最強装備との性能差に愕然、驚愕、そして驚嘆し、真の最強装備というとんでもなさを真に実感したのではないかと俺は推測した。俺も一度あるんだよ、そういう経験。分かる分かる。
マリー先輩とアルルのテンションを見てそれを見抜いた俺は、それならばとマリー先輩に提案する。
「ならマリー先輩、〈トップマリー〉の従業員も呼んでやってくれ」
「え!? ええんか!?」
「もちろんだ! 真の最強装備の完成はマリー先輩だけの手柄じゃない。〈トップマリー〉を支える従業員あってこそだろう。みんなで一緒に祝おうぜ!」
「兄さん素敵や!」
「はーっはははー! もっと褒めていいぜ! ――あとサトルは〈ダンジョン商委員会〉のマリアとレンカ先輩へ。――アルルは〈彫金ノ技工士〉へ連絡して来てもらいな!」
「了解!」
「それゼフィルス兄さんに聞こうと思うとったやつや! さすがやで!」
せっかくのパーティーだ。
やるなら派手に、盛大に!
身内だけの打ち上げではなく、真の最強装備の完成に携わった全ての生産メンバーに声を掛けて集合してもらう。
せっかくだからレンカ先輩、ソフィ先輩、ミリアス先輩も呼んじゃえ!
きっとこれから真の最強装備にかかわることは増えていくだろう!
祝って騒いでお披露目し、真の最強装備をどんどん世に広めてみんなで最上級ダンジョンに潜ってほしい!
そして――〈ダン活〉の全てをやり込むんだ!!
みんなで〈ダン活〉を楽しもう!
「兄さん、呼んできたで!」
「マリアさんたち、連れてきましたー!」
「〈彫金ノ技工士〉メンバーもみんな連れてきたで!」
「おっしゃ!」
一部事情を知らないまま連れてこられたメンバーもいたっぽいので改めて説明。
真の最強装備を世にお披露目できたことを祝うパーティーという名目にして、〈エデン〉のギルドハウスで盛大なお祝いを奏でようという企画だと説明。
まだ真の最強装備を実際に見たことがないという人も居たようだが。
「これが真の最強装備の1つ――〈竜猫炎化大盾〉やーー!!」
「「「「おおおおお!!!?」」」」
ここで使わせてもらったのがアイギスの盾!
なにせ、最初に真の最強装備になった盾である。ここから真の最強装備伝説は始まったのだ! 刮目して見よ! ふはははは!
そう思っていたら、タネテちゃんからもまさかのサプライズ報告が来る。
「私たちからもあります! でっかいでっかい、それはでっかい装備が!」
「! まさか!」
続いて名乗り出たのは〈彫金ノ技工士〉のギルドマスタータネテちゃん。
その表情はやりきったという充実感と達成感に満ち溢れていたんだ。
俺はこの表情だけで察した。これは!
「はい、〈スプールルート〉、通称〈スプール〉が完成したことをここにお知らせします!」
「マジかーーーー!!」
「「「「おおー!」」」」
最上級ダンジョンのランク3、〈聖界ダン〉の30.5層ボス、〈座天使・ソロネ〉からドロップした、超特大〈戦車〉。
戦艦級の50メートル級を誇る、超巨大な列車装備である。長く長く作製に奔走していたようだが、それがついに完成したとの報告だった!
「すっげー!」
「あ、さすがにここでは出せませんので、〈エデン〉のみなさんはあとでドックへ来てください」
「もっちろんだ!」
またも真の最強装備が完成!?
しかも話を聞く限り、なんか凄そうなやつ! そんな期待をしたギルメンたちが盛大にテンションを上げる。
ここで終わるタネテちゃんではない。
「ですが、ここで出せないのはちょっと寂しいですからね。これをお持ちしました――みなさん、お披露目ですよ!」
「それは!」
タネテちゃんが取り出した物、それはとっても見覚えがあった。
「おお、おおおお! 〈猫のバスライダー〉じゃん!」
「猫のバス!?」
そう、それはなんと中型バスと同じくらいの大きさの猫バスを出してしまったのだ。
誰もがどこかで見たことがあるだろう。
猫の形をしたバスだ。中まで座席までもふもふでやわらかい、生きているのではないかと思わせる猫のバス。
最上級素材で作るため六段階目ツリー開放者にしか作れないこれを、タネテちゃんたち〈彫金ノ技工士〉は作ってしまったのだという。
このパーティーをデモンストレーションに使ってきたな!
「こりゃうちらも負けてられへんで! アイギスはん、ゼルレカはん、クイナダはん! 出番や!」
「〈スッキリン〉で強制的にスッキリして登場してしまいました」
「うわー、見られてる見られてる。つうか『解析』掛けすぎだろう!」
「あははは~。なんだかむず痒いね~」
お、どうやらマリー先輩たちは奥の手を出したみたいだ。
マリー先輩たち作の真の最強装備を現在装備中の――世界にまだ3人しかいないメンバーをここに召喚!
その瞬間、集まって来ていた人たちが一斉に「「「「『解析』!」」」」してたのは面白かった。その後の阿鼻叫喚もセットでな。
「ゼフィルスさん、そろそろ」
「おっとそうだったな! 乾杯する前に宴もたけなわになってる気がするが気を取り直し。では諸君! これより真の最強装備の完成を祝い、ここでパーティーを始めたいと思う! グラスやジョッキを持ってない者はすぐに持て! これより盛大に祝うぞ! 持ったな? それじゃみんな一斉に! かんぱーーーーーい!!」
「「「「「かんぱーーーーい!」」」」」
真の最強装備の完成に、乾杯だ!
そこら中でカンカンガツンと乾杯の音が鳴り響く。
グビッと呑めば、〈芳醇な100%リンゴジュース〉の味が疲れた体と脳にガツンと響いたんだ!
こういう時にこそ〈芳醇な100%リンゴジュース〉の出番だぜ!
「ん~美味しいわ~!」
「ええ。たまには盛大に祝うのも悪くないわね」
ラナやシエラたち〈エデン〉メンバーズも突然のパーティーだが、楽しんでいる様子だ!
「それで兄さん! 今日はどこまで潜ったんや?」
「はははは! 今日は〈万界ダン〉を5層から10層までだ! 10層では大量のモンスターを率いるボスが一本道を塞ぐように仕掛けてきたんだが、アイギスたち真の最強装備を持つ3人の活躍もあってこれを全て撃破! 俺たちは10層を攻略し、今日は帰還したんだ」
「「「「「おおーーーーー!!」」」」」
真の最強装備も大活躍だったと聞き、テンションが上がっている様子の皆様方。
自分も早く真の最強装備を作るのだと燃えているのがヒシヒシと伝わってくるようだ。
学園も、これで最上級ダンジョンの攻略がドカンと進むだろう。間違いない!
改めてジュースをグビッと飲む。
それは、とても美味かったんだ。
第四十五章 ―完―
作者の大好きなお★様、お待ちしております!




