#1962 下級職ジョブチェンジ‼エミメナ・グラジオラ編‼
「エリサ、エミメナ、準備はいいか?」
「モチモチのモチッコよ!」
「エリサ先輩からの薫陶でさらにやる気が満ち溢れてきてます。今なら何でもやれる気がします!」
続いてエミメナの番。やる気マックスだ! チャージが完了している様子。
それ、エリサの話よりもお菓子でチャージした感じじゃない? と少し思ったのは秘密なんだぜ。
「エミメナにはちゃんとこれを用意したぜ。〈天魔のぬいぐるみ〉だ!」
「「わぁ!」」
ドンっとそれを置いてあげるとなぜかエリサからも歓声が上がった。アゲアゲだ。
「だがその前に、エミメナにはまず上級職の方を決めてほしい」
「下級職にもまだ〈転職〉してないですのに!?」
「ああ。【ナイトメア】は上級職によって育て方が変わるんだ。最初からどの上級職になるかを決めておいて育成するのが正解だ」
「上級職になることが前提に練られてる……! これが〈エデン〉!」
「すごいでしょ~?」
「はい!」
どうやらエミメナも前向きなようなのでどんどん話を進めてしまおう。
「それじゃあ発表する。エミメナは【ナイトメア】だからな。〈上級転職〉先は3つ、【睡魔女王】、【メドゥーサ】、【サタン】だ。ヒーラーを目指すと言うなら【睡魔女王】と【メドゥーサ】だな」
「エリサ先輩で有名な【睡魔女王】はわかりますが、【メドゥーサ】は初めて聞きました」
「女性のみが就ける状態異常攻撃に非常に優れた職業だ。【悪魔】系はみんな状態異常攻撃に優れている分、他にも特化した何かを覚えることが多い。【睡魔女王】と【メドゥーサ】は、それがヒーラーだな。状態異常攻撃で相手を弱らせつつ、味方を回復してフォローする。援護が得意な系統だな」
「ちなみにゼフィルス先輩のおすすめとかは聞いてもいいです?」
「どっちもおすすめだ。【睡魔女王】も【メドゥーサ】も、どちらも強いし、ポジションはほとんど被ってるからやれることもそこまで変わらないしな。とはいえ、どちらかというと【メドゥーサ】の方が嬉しい。何せこの学園には、まだ【メドゥーサ】に就いている子がいないんだ。憧れが足りてない」
「憧れ……?」
「今のエミメナちゃんみたいな子だよ! 私もね、エミメナちゃんみたいな子を増やすために【ナイトメア】に就いたんだよ!」
「【ナイトメア】、そして【睡魔女王】の完成形がエリサだな」
エリサは見事に先駆者として、みんなの憧れ、注目の的としての役割を果たしてくれた。おかげでエミメナのように【悪魔】系の【ナイトメア】に就きたい、という子も現れてくれたのだ。ここでもう一手、【メドゥーサ】も先駆者が欲しいところ。
俺はエミメナを【メドゥーサ】の先駆者として育てたいと口説いてみた。
「先駆者、みんなの憧れ、お菓子を献上される存在……! なります! 私、【メドゥーサ】になりますよ!」
「よく言ってくれた!」
果たしてお菓子を献上される存在になれるかはわからないが、細かいことはいい!
【メドゥーサ】も【睡魔女王】もポジションは変わらない。〈睡眠〉〈即死〉特化の【睡魔女王】より、【メドゥーサ】の方が幅広くいろいろなデバフや状態異常が使えるくらいの差だ。
一応よーく言い聞かせておいたんだが「エリサ先輩と同じ【悪魔】系の先駆者、とてもいいと思います!」とテンション高く言い切られてしまったのでオーケーした。
「それじゃあ【ナイトメア】の発現条件を伝授していこうか! まずは〈天魔のぬいぐるみ〉を使ってくれ。「悪魔」のカテゴリーを入手するんだ!」
「はい! 頑張ります! ――ぬいぐるみさんたち、私に「悪魔」カテゴリーの力をください!」
良いお祈り!
エミメナが祈ると〈天魔のぬいぐるみ〉が光り、エミメナも光ってカテゴリーが付与されたことが見て取れた。これで「悪魔」カテゴリーを得られたな。
〈天魔のぬいぐるみ〉は、あとで筋肉ギルドを通して1つ補充しておこう。うむ。
その後スライムを相手に【ナイトメア】の発現条件を満たすと、最後の1人の方へ向かう。
「ラウ、グラジオラ? そっちはって――聞くまでもなさそうだな」
「おうゼフィルスさん。グラジオラはかなりの逸材だぞ」
「ははは! ラウ先輩に認めてもらえるとは恐悦至極ですぞ!」
何があったか知らないが、こっちも良い感じにうち解けたようだ。
なぜか肩を組み合ってジュースの入ったジョッキを傾けている。マジで何があったし。
こうして、よく分からないが認められたグラジオラにもスラリポマラソンで一通り【獣装者】の発現条件を満たしてもらい、テルニアとエミメナも連れて〈測定室〉までやって来た。
「それじゃあテルニアから。はい、〈下級転職チケット〉な」
「ありがとうございます! では、行きます!」
まずはテルニアから。俺から〈下級転職チケット〉を受け取ったテルニアが〈竜の像〉に触れると、大量のジョブ一覧がその場に表示されたんだ。
「わ、わわわ! なにこれすごい!」
「下の方に【盾姫】があるだろ? それを選ぶんだぞー」
「あ、ああ! 本当にあった! 私、【盾姫】になる!」
ジョブ一覧には50は職業があったが、下の方にはちゃんと目的の【盾姫】の名があって一安心。テルニアが【盾姫】をタップすれば、しっかりと【盾姫】へ〈転職〉できていたんだ。
「や、やった! 私【盾姫】に就くことができたよー!」
「おめでとうテルニア」
「ありがとうございます! シエラ先輩! それにゼフィルス先輩も! 本当に夢みたいです!」
感動もひとしおだろう。シエラに抱きついてお礼を言いまくるテルニア。よっぽど嬉しかったんだというのが伝わってくる。
続いてはエミメナの番。
「わ、わわわー! 【ナイトメア】、ありましたー!!」
「間違えないようにねエミメナ! 【ナイトメア】の2人目になるのよ!」
「はい!」
こうしてエミメナも【ナイトメア】にタッチして、エリサの後輩が誕生したんだ。
「ありがとうございますゼフィルス先輩、エリサ先輩! 私も悩殺頑張ります!」
「エリサ変なこと教えてない?」
エリサがさっきのレクチャーで何を教えたのか、とても気になるんだぜ。
続いてグラジオラの番。同じく〈下級転職チケット〉を渡すと、その巨体を少しだけ曲げて下の方にある〈竜の像〉へ手を置いた。そして現れるジョブ一覧。
「あ、ありましたぞ! 【獣装者】です!」
「それが【憤怒】への切符だ。間違わないようにな」
「おまかせあれですぞ!」
そう言ってグラジオラは迷い無く【獣装者】をタップする。
これでグラジオラも【獣装者】だ。
「やったなグラジオラ、期待しているぞ」
「ラウ先輩の期待、このグラジオラ、全力で応えますぞ!」
「3人とも、改めて〈転職〉おめでとう」
「ありがとうゼフィルス先輩!」
「改めてありがとうです!」
「感謝いっぱいですぞ!」
こうして〈エースシャングリラ〉は30人、Sランク戦に挑むフルメンバーが揃った。後は育成するだけだな。




