#1934 ビバ夏休み到来!そして最強装備のピース揃う
タバサ先輩の次は、〈総商会〉でメリーナ先輩にも声を掛ける。
「ということで、今年も〈海ダン〉に行くのでメリーナ先輩も行かないか!?」
「あら、卒業したのに私も誘ってくれるのね。とても嬉しいわ、もちろん参加させてもらうわね」
「よっしゃ!」
メリーナ先輩からもオーケーをもらえて、これで大体みんな誘えたかな?
お、タネテちゃんからもオーケーの連絡来てる! よしよし!
鼻歌を歌いながら作業するメリーナ先輩と別れ、俺はギルドへと戻るのだった。
しかし社会人になったメリーナ先輩のスーツ姿は、とても美しかったなぁ。
そんなことを考えつつも帰還した。
「あらゼフィルスさん、おかえりなさいまし」
「ただいまリーナ、シエラも」
「おかえり。首尾よく誘えたのかしら?」
「おうバッチリだ! マリー先輩にメイリー先輩。それにミリアス先輩にソフィ先輩、タネテちゃん。タバサ先輩にメリーナ先輩からもオーケーを貰えたぞ」
「…………」
「全員女性ですわ……」
ギルドハウスでは、リーナとシエラが何やら作業をしていたので報告する。
するとシエラがジト目に! ひゃっほー!
ちなみにリーナは少し悩ましそうな顔をしていた。
「もしかして誘いすぎたか?」
水着素材は、確認したら120着は作れると言われたので問題無いはずだが。
「いいえ、枠的にはまだまだ余裕があると思うわ。でもね」
「はい。でもなんですわ」
「でもなの?」
でもとは?
何か俺に訴えたいことがあるような雰囲気だ。俺はなぜか姿勢を正した。
しかし、
「はぁ。いえ、なんでもないわ。ゼフィルスは今のままでも十分このギルドを引っ張っているもの」
「ですわね。このカリスマが人を引きつけてしまうのですわ。仕方ありませんわよシエラさん。若干女性だけなのは気になりますけど」
なんだかよく分からないが許された?
俺が男子に声を掛けなかったのが問題視されている予感。しかし、今回の目的は慰労会。〈エデン〉のために色々してくれているみんなを慰労することを目的にしている。
そう考えると当てはまる男子が、なぜか少ないんだよ。だ、男子諸君、もっとがんばって!
気が付けば全員女子だった件。リーナたちの顔を見るのが怖い。
どうか気のせいということで1つ……!
「こほん。あ、あ~。あとマリー先輩からも伝言でな。最近採寸していない子は早めに来てほしいって言ってたぜ」
「……そうね。特に〈エースシャングリラ〉の子は今回が初めてだし、私たちで明日にでも連れていくわ」
「男子の方々はゼフィルスさんたちに任せてもよろしいでしょうか?」
「任せておけ。それじゃあ日がバッティングしないよう明後日は俺が男子組を連れていこう」
そんな感じで水着装備の作製についても話し合った。
ふう。なんとか話が変わったようでよかったよ。
◇
テスト返却期間である一学期の最後の授業も終わり、今日は終業式。
この日はフィリス先生からありがたい言葉が告げられて解散だ。
待て、学園長のお言葉もあった。
「うおっほん。3年生の諸君この夏休みは最初のスパートじゃ。しかし、焦ってはならん。つい先日、この学園、否、世界で始めて人類の頂きに届いた学生が現れた。身近にとてつもなく大きな目標があっては焦る気持ちも分かる。だがもう一度言う。焦ってはならん。焦りは視野を狭め、余裕を無くす。気持ちを落ち着け、準備を万全にして挑むのじゃ――」
さすがは学園長、良いことをおっしゃる。
さっきまで学園長のお言葉を忘れていた自分を恥じいるばかりだ。
心に余裕を持ち、落ち着いて準備を調え、そして未踏破のダンジョンを踏破しろ!
つまりそういうことですね学園長!!
任せてください。この夏休み、さらに未踏破のダンジョンを突破することをお約束しますよ!!
「故に――ひょ!? ご、ごほん、な、なんでもない。えー故にじゃ――」
俺が決意を新たにしたところで、学園長が途中で言葉がつっかえるくらいゾワリときていたことなんて、俺は全く気が付かなかったんだ。
◇
「ついに夏休みだーーーー!!」
「長期休暇よーーー! 私は絶対に帰らないわーーーー!!」
ビバ、夏休み到来!
学生だけに許された特別な自由時間。
もちろん俺もラナも満喫する気満々で、ギルドハウスに到着した瞬間、2人で一緒にシャウトした。
「ラナ様、今年も帰らなくても良くなりましたが、その代わりいくつかの公務が」
「仕方ないわね! それくらいならやるわ! でもできるだけ抑えるのよ!」
「承知しております」
ラナはシズと共にスケジュールを確認しに向かったようだ。
俺と同じく、ラナもラナで忙しいようだな。
「セレスタン、例の装備の作製状況は?」
「はい。伺っております。あと3日もあれば全員分仕上がると」
「さすがはマリー先輩たち、仕事が早い!」
俺はセレスタンに状況の確認をする。もちろん例の装備とは水着のことだ。
〈ダン活〉では水着は装備だからな。
さすがに数が数だ。100着以上ともなるとマリー先輩たちも一筋縄ではいかないらしく、業務もあるため少し作製期間をもらって作業している。
いや、1週間もせず100着以上の水着を仕上げるのだから十分マリー先輩たちも凄まじいけどな。
「ということだシエラ、〈海ダン〉に行くのは1週間後でどうだ?」
「ちょうど良いくらいね。予定を確認するわ」
近くに居て一緒に聞いていたシエラにパス。
せっかく隠語っぽく話していたのに、内容は全てシエラに筒抜けだ。
シエラが全員分の予定を確認して問題無しと判断し、正式に決まる。
「みんな聞いて頂戴。例の慰労小旅行は、来週の土曜日に向かうことにするわ」
「「「「おおー!」」」」
「水着は3日後には全員分仕上がっているそうだから、各自取りに行くように。ちなみにゼフィルスはすでに昨日受け取ったそうだからバッティングすることはないわ」
シエラが慰労小旅行について色々注意事項を述べる。最初に述べることはもちろん水着について。これがないと遊べないよ!
合流するメンバーなどについても説明し、詳しくはサトルがチャットを送るので確認するようにと言って終了。
「ではサトル、任せましたよ」
「任せてください! 全身全霊でやり遂げてみせます!」
セレスタンに頼まれたサトルが目をメラメラに燃やして請け負っていた。
サトルめ、やる気満々だな!
来週の楽しみ、これが成功するかはサトルの手腕に掛かっている!
俺もあとで発破を掛けに行かなければ。もちろん俺にできることなら協力もするぞ!
さて、1週間の時間ができた。
この期間、もちろんだらだらするなんてことはない。
もうLVはカンストしているが、まだまだやるべきことはいっぱい在るんだ。
そう思っていたところに、ある報告が舞い込んできた。
「なに!? アルルが!?」
「そうなんだよ! アルルちゃんが大変なの!」
ちなみに報告者はハンナ。
いったいどうしたというのか?
そうしてアルストリアさんとシレイアさんに連れられてやって来たアルル。
だがなんか、すごく興奮状態だったんだ。
「聞いてやゼフィルス兄さん! ついにや、ついにうちも、LV100になったんやーーーーー!!」
「な、なんだってーーーー!!」
そうそれは、うちの鍛冶職人アルルが、LVカンストしたという報告だった。




