キルヒェヒューゲルの丘
ロシア系の納屋には無線機などがたくさん敷いてあった、さながら配線の地獄とも言うべきか、
「私たちにも随分と出番ないよね」
「当たり前じゃない、全部の戦線を回るほどもう余裕じゃないのよ」
タバコをその場に捨て雪が少し溶ける、それをブーツで踏みつけて火を消した、もっとも雪の湿っけで火は自然と消えたかもしれない、
「一件の農家に軍隊の実験小隊がこぞって群がるとはなぁ、男たちは?」
「母屋の暖炉に群がってます」
「やれやれ………」
東部戦線では当たり前の光景であった、もっとも母屋を使ってるのは臨時編成の歩兵師団であり、構成員はどんなに合計しても270人足らずの寄せ集めだった、なのにも関わらず書類上では"師団"なのだ、元々はこの戦車の実験小隊を護衛するための随伴歩兵だったがここの地区の防衛に駆り出されたり引き抜かれたりなど度重なる損害でここまで減ってしまっている、後方からの人員や部品も届かずもっぱら鹵獲した廃品から部品を抜き取って使っているのが現状であり、戦車も元は極初期型のティーガーを使っていたが、部品不足と貧乏性による出し惜しみのため現在は近くの林に偽装して隠してある、もちろん冬季なので冬季迷彩の白を塗ってありさらに雪が積もってるため簡単には見つからない自信はあった、ティーガーが出せないとなるとどうすればいいのか、ポーランドの時に既に鹵獲したPZlnz.126という指揮戦車を現在は使っている、これが弱くてたまらないので不評なのだ、その為たまに母屋の歩兵"師団"様に小銃の使い方やらを最近は教えてもらっている、もっとも整備やらは男子なのだが搭乗員やらは"女子"なのだ、今まで男女問題がなかったのは小隊規約やらをきめているためである、もっとも最新鋭の兵器が配備されることが多いのでその分の好奇心の士気でまかなっていた、
「今月の部品は?」
「あとはあっちの家畜小屋にある分だけですね、室は歩兵師団様のトーチカになってますし」
「すぐそこに鉄道があるのに物資が来ないとはなぁ」
「仕方ないですよ、攻勢がないのはうちだけみたいですし」
既にあっちこっちの戦線はソ連による攻勢によって包囲されている、もちろんこちらも石橋と薄氷の張った川を堺ににらみ合いが現状であった、あっちは湿地帯に木材で迫撃砲台を作ったりなどしてるのは納屋や母屋の屋根から双眼鏡にて確認済、最近になってエンジン音も聞こえ始めている、いよいよこちらもというわけかと歩兵師団様も緊張の面持ちで歩哨を増やしている、
「………今の聞いたか?」
「発砲音ですね」
つづく、(かもしれない)
設定云々
ティーガーを主副予備を三輌、軽戦車は鹵獲したPZlnz.126を使用、そのうち一輌は37mm短砲を装備している、予備部品はT-26から取る、歩兵師団も75mm短砲のIII号戦車を一輌装備、
実験小隊62
名歩兵師団270名
歩兵師団270名
・本部14名
・歩兵250名
・突撃砲隊6名(予備搭乗員含め)
実験小隊62名
・本部2名
・戦車搭乗員20名(予備搭乗員含め)
・整備隊40名
保有車輌
:ティーガー(極初期型)
:ティーガー(極初期型)
:ティーガー(指揮戦車)
:PZlnz.126×3(常時稼働)
:10.5cm突撃榴弾砲42(歩兵師団)
:キューベルワーゲン(歩兵師団)
臨時歩兵師団+実験小隊=臨時混合大隊
MG34は五人に一丁
小銃がない、ならモシン・ナガン拾ってこい、モシン・ナガンもない、ならMP717(r)をパクってこい
臨時歩兵師団
フリッツ予備中佐
元々は第一次大戦で引退した身だったが此度の戦で再び軍役に呼び戻された苦労人、歩兵隊指揮官として活躍する、キュ-ベルワ-ゲンを乗り回すのが好き
カール参謀(少佐)
フリッツ予備中佐を補佐するはずの参謀だが相手は第一次大戦での実戦経験者のため中々上手くいかない、最近はハムが食べたいそうだ
実験小隊
マリー大尉
実験小隊指揮官兼ティーガー指揮車の車長、女の癖してこよなくタバコを愛す、酒とタバコは(素)敵だ
ネリー中尉
実験小隊のナンバーツー、女所帯の搭乗員達のお姉さま、元気に委員長してて風紀の取締をしていたりする、メガネが本体
ヨーゼフ中尉
名前の年増感は気にしないであげよう、本人はまだ二十代だそうだ、男所帯の整備班40名をまとめ上げる若造であり、腕は確かであった、本当は空軍に行きたかった
時系列
10:00 攻撃準備砲撃開始、76mm十門による集中射が本部を襲う、
10:30 爆撃機が上空に到達、大量の爆弾をばら撒きして帰る、この時臨時歩兵師団は10名の重軽傷者と死者を出す
11:00 砲撃が後ろに下がるのを確認、スキを見て虎三輌の暖機を開始、
11:30 川の向こう岸が突然爆発
12:00 陽動大隊が渡河を開始、崩落した堤防より侵入路をなんとか確保する
14:30 本隊の最初の一個大隊が橋に到達、T-80×1とT-70×2と共に突撃を開始、同時に虎×1と突撃榴弾砲も橋の駅に到達、交戦開始する、臨時歩兵師団本隊は敵陽動大隊の殲滅の後守備隊を残し橋へ
15:00 キルヒェヒューゲルの丘より戦線の後方より戦車が押し寄せてくるのを確認、橋上の歩兵の殲滅が急務となる
15:30 別働隊の戦車部隊を確認、先程の戦車隊とはたったの三十分差だった
15:45 再び空襲開始、駅構内にて耐え忍ぶ
16:00 T-34-76多数を確認、キルヒェヒューゲルの丘の臨時本部と無線が通じなくなる、指揮官の予備中佐が焦りを感じ始める
16:30 別働隊の戦車を確認、橋の死守命令が届くも予備中佐の判断により整備小隊が橋脚爆発準備を始める
17:00 橋の上が戦車の残骸だらけになった、申し訳程度のドイツ空軍も到着、爆弾をばら撒きすぐに帰った、しかしのこ気まぐれな一撃が敵の集束中のソ連軍を直撃した
17:30 ソ連軍の最後の攻勢開始、橋上の戦車残骸を回収車にて引っ張り出し無理やり突破口を作る、残存した重戦車と共に歩兵一個大隊が突撃を敢行、この時臨時歩兵師団は136名にまで戦力低下している
18:00 夕暮れが近づく、ソ連軍の支援砲撃が駅を直撃、制圧砲撃と勘違いしたソ連軍は撤退を開始した、臨時歩兵師団の戦力はついに三桁を下回った
21:38 ソ連軍夜襲により本来の本部の民家が占拠される、工兵に本部の民家などを焼き払うように指示、虎などの戦車はは全て陽動に駆り出される、
22:00 民家すべてが焼け落ちる、以後本部はキルヒェヒューゲルの丘へ移す、さらに崩落した堤防に地雷を仕掛ける、本部にあったアハトアハトは虎の弾薬を流用するのを前提に丘に移す、弾薬の底が見え始める
03:00 いつもの迫撃砲陣地からのプロパガンダ放送が開始、みんなで笑いあった




