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筋肉召喚士〜一生に一度の儀式で筋肉の神を引いたんだが〜  作者: セルライト


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第11話:氷の魔法 vs 肉体の熱

ギルドの喧騒の中、アレンは手渡された銀色のプレートを呆然と眺めていた。


「Bランク……? 僕が、いきなりBランクなんですか?」


「当然よ! あの試験内容なら本来はAランクでもおかしくないわ」


隣で金プレートを掲げるエレナが誇らしげに言う。そして、ギルド職員が震える手で差し出したのは、黒く鈍く光る特級プレートだった。


「……剛田様、測定不能につき……暫定Sランクです」


「S……? 『サプリメント』ランクの略か。悪くない響きだ」


剛田はプレートを指先で弄びながら、大胸筋をピクピクと動かした。


「——ふん、笑わせるな。召喚士がまぐれでBランクだと?」

冷ややかな声と共に、豪華なローブを纏った男が歩み寄ってきた。Aランク冒険者の魔導師、ゼノン。彼は使役獣を持たず、自らの魔力のみで頂点に登り詰めた実力派だ。


「そのデカブツがSランク? 冗談はやめてもらおう。筋肉などという原始的な力、私の魔法の前では無力だということを教えてやろう」 


一触即発の空気。しかし、ギルド内での戦闘は厳禁だ。アレンが止めようとしたその時、剛田がヌッと前に出た。


「魔導師よ……君の魔法は素晴らしいのかもしれない。だが、君のその**『広背筋の薄さ』**……。私を倒す前に、風邪を引いて倒れてしまうのではないか?」


「なっ……何だと!?」


「見よ、この広がりを。私の背中は、大陸の地図を描けるほどに広大だぞ」


剛田はゼノンに背を向け、渾身の**『バックダブルバイセップス』**を決めた。

そのあまりの迫力に、ゼノンは一歩後退する。


「貴様……私を愚弄するか! 表へ出ろ! ギルド公認の決闘場アリーナで、その肉塊を氷漬けにしてやる!」


「ふむ。良い返事だ。……アレン、今日は**『高強度インターバル』**の代わりに、魔法のシャワーを浴びるとしよう」 

決闘場。ゼノンは杖を掲げ、詠唱を開始した。


「消えろ、野蛮な肉塊よ! 『アイシクル・ディザスター(氷晶の災厄)』!!」


絶対零度の冷気が剛田を襲う。一瞬にして剛田の周囲の空気が凍りつき、巨大な氷の柱が彼を閉じ込めた。観客席から悲鳴が上がる。


「はっはっは! 筋肉ごと凍りつき、彫像となって朽ちるがいい!」


パキッ……パキパキッ。

氷の中から、不気味な音が響く。それは氷が砕ける音ではなく、何かが「沸騰」しているような音だった。


「…………ぬんッ!!」


ドォォォォォン!!!


剛田を包んでいた巨大な氷が、内側からの圧力で粉々に爆散した。そこには、全身から猛烈な湯気を立ち昇らせ、真っ赤に上気した肌を輝かせる剛田の姿があった。


「な、なんだと……!? 私の絶対零度を耐えたというのか!?」


「魔導師よ……君は知らないのか。筋肉とは、それ自体が**『内燃機関』**。私が極限まで『パンプアップ』すれば、細胞一つ一つが熱を発する。私の体温は今、200度を超えているッ!」


「体温200度!? 沸騰してるじゃないか! 人間じゃない、火竜ドラゴンかよ!!」


アレンが思わず叫ぶ。

剛田は地響きを立てて歩み寄り、ゼノンが次々と放つ氷の矢を、あえて胸板で受け止めた。

ジュゥゥゥッ!! という激しい水蒸気と共に、氷が剛田の胸筋に触れた瞬間から蒸発していく。


「ヒッ……化け物め……!」


「……仕上げだ。『ヒート・モスト・マスキュラー』!!」


剛田が極限まで力を込めると、放たれた熱波と筋圧の衝撃波がゼノンを直撃。ゼノンは魔法を解除する間もなく、そのあまりの「熱気」にあてられ、サウナで限界まで我慢した人のような顔で崩れ落ちた。

剛田は、溶けて水浸しになったアリーナの中央で、しっとりと濡れた上腕三頭筋を誇示した。


「少年。冷気とは、筋肉にとってはただの『アイシング』に過ぎん」


「少年。覚えておきたまえ。どんな高度な魔法も、体脂肪率を5%以下にまで絞り込んだ私の『情熱』を凍らせることはできないのだ」


(……もうランクとかどうでもいい。剛田さんを脅かす存在を知りたい……。)

【剛田の今節の名言】

「魔法が火を噴くなら、筋肉は熱を発する。極限まで追い込めば、冬の寒さも最高の『脂肪燃焼チャンス』に変わるのだ」

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