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命の輪(サークル・オブ・ライフ)  作者: 此花 陽
エピローグ:重なり合う刻(とき)

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33/33

E4. 2026年、真の夜明E


 三人は、それぞれの場所へと歩き出した。

 凪は、古びた神社の境内で、

 失われた古代の歌を子供たちに教えるために。


 ヨハンは、

 技術と精神を融合させる

 新しい科学の扉を開くために。


 迅は、抑圧された声を拾い上げ、

 世界をより善き方向へ動かすための力として。


 背景には、かつて泰氏が自分たちの力を

 誇示するために建てた摩天楼が並んでいる。


 しかし、その窓ガラスに反射する朝日は、

 もはや刺すような鋭さを持たず、

 すべてを包み込むような柔らかさに満ちていた。


 この国は、数多の侵略と改変を繰り返してきた。


 しかし、その底流に流れ続けていた

「月の種」は、一度も枯れることはなかった。


 喪失したのではない。


 より強固な調和のために、

 すべては「改変」され、

 今日この日のために準備されていたのだ。



「古代、人は神とともにあった。

 そして今、

 人は神を自らの中に抱き、歩み始める」



 東京の空には、薄れゆく月と、

 昇りゆく太陽が同時に浮かんでいる。


 二つの光が重なり合い、

 列島はかつてない美しい

「和」の色彩に染まっていった__。



(完)

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