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8-2. 三人の邂逅 ――運命の交差点――
渋谷のスクランブル交差点。
数千人の人々が交差するその中心で、
三人の若者が導かれるように足を止めた。
凪: 縄文以来の「風の声」を聴く巫女の末裔。
彼女の目には、アスファルトの下で苦悶する
龍脈の姿が見えていた。
ヨハン: シルクロードを渡り、
泰氏と共に来日したユダヤ・月の民の末裔。
彼は、一族が捨てたはずの「月のアーカイブ」の鍵を、
その瞳に宿していた。
迅: かつて「嵐」として放逐されたスサノオの激情を継ぎ、
地底へ逃れた蝦夷の血を引く青年。
その拳には、岩盤をも砕くニギハヤヒの武力が宿る。
「……始まったわ。空の色が変わる」
凪の言葉と同時に、
東京上空の雲が渦を巻き、
銀色の光が走り出す。
三人の胸元で、家系に伝わる
「十種の神宝」の欠片が共鳴し、
凄まじい熱を放ち始めた。




